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一生大切にするって一生童貞?
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あまりに衝撃的な事実を突きつけられて、さすがの僕もなかなかショックから立ち直れずにいた。
ぼーっとしていたら、先輩に頬を突かれる。
「どうしたんだ、伸之助? 何だかさっきから、心ここにあらずだな」
「アッ、やっ。そんな事無いですっ」
必死で否定はしたけれど、動揺しまくりな態度で、先輩に何かあったと自白しているようなものだ。
案の定、目を眇めて深く意味深な瞳で僕を追い詰めてくれる。
…怖いんですけど……。
今、僕は先輩のお家だ。
お母さんが同窓会で遅くなるからという事で、そのまま学校から遊びに来ている。
もちろん泊まるつもりは無くて、夕飯をご馳走になったら帰る予定でいる。
ちなみに先輩のお母さんは、僕とすれ違いでお家を出て行った。
「伸之助?」
「な、なんですか…」
「まさか浮気なんてしてないよな」
う、浮気!? 僕が?
「し、してません。してませんよ、そんな事!」
「じゃあ何があったか言えるよな?」
ベッドのふちに腰かけて、脇に置いている僕の手を、先輩が上からギュッと握る。
「伸之助?」
目を細めて低い声で促す蓮先輩に、僕はとうとう折れた。
…で、今日浩太たちに言われたことを渋々話した……。
「…なるほど」
何だか嫌に冷静に返されて、心拍数が上がる。
僕は何も悪い事なんか言っていないぞ!
…ていうか、浩太たちが僕に変なことを吹き込んで来て、嫌がらせされただけなんだからな!
先輩はしばらく顎に手を置いていたが、顔を上げるや否やとんでもない提案を僕にしたのだ。
「いいよ。今回は、俺が下になろう」
「…………」
僕はポカーンと口を開け、蓮先輩を凝視した。
「ちょっと待ってろ」
そう言い残して先輩は、部屋を出て行った。
…何か、何だか変なことになっちゃってるけど。
もしかして、…もしかしなくても、これから僕が蓮先輩のこと…、だ…抱くってこと…?
え? え?
えええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
そっ、そりゃ僕だって男だもの。一生童貞なんて、かなり萎えるけど…。
だけど、だけど…。
えええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!?
想像すらしていなかったびっくりな展開に、僕はどうしていいのか分からず只々オロオロしていた。
「悪い、待たせたな。美代さんに、食事の支度をしたら帰っても良いって言ってきた」
「あ、は、はい…」
やっぱり…、やっぱり先輩の中ではそういう予定が組み込まれてしまったんだ。
僕にとっても喜ばしい事のはずなのに、なぜか戸惑いの方が大きい。
これってどういう事…? 緊張、してるんだろうか?
「シャワー、浴びるか?」
「あ、はい」
今日は汗も掻いているし、ソレが前提なら汗を流したいと思った。
「そうか。じゃあ先に入っていいぞ。俺の方は準備があるから」
「じゅんび…?」
首を傾げて僕が尋ねると、先輩は意味深な顔をした。
「そう、準備。俺がいつも伸之助にしているアレだ」
口角を上げて意味深に笑う先輩に、先輩の指使いを思い出して急に恥ずかしくなった。
…な、なんか後ろの方がもぞもぞしてきちゃうのは、なぜ…?
「いくらなんでも、コレは伸之助にはハードルが高いだろ?」
ううう…。
「はい…」
蚊の鳴くような小さな声で、僕は返事を返した。
ぼーっとしていたら、先輩に頬を突かれる。
「どうしたんだ、伸之助? 何だかさっきから、心ここにあらずだな」
「アッ、やっ。そんな事無いですっ」
必死で否定はしたけれど、動揺しまくりな態度で、先輩に何かあったと自白しているようなものだ。
案の定、目を眇めて深く意味深な瞳で僕を追い詰めてくれる。
…怖いんですけど……。
今、僕は先輩のお家だ。
お母さんが同窓会で遅くなるからという事で、そのまま学校から遊びに来ている。
もちろん泊まるつもりは無くて、夕飯をご馳走になったら帰る予定でいる。
ちなみに先輩のお母さんは、僕とすれ違いでお家を出て行った。
「伸之助?」
「な、なんですか…」
「まさか浮気なんてしてないよな」
う、浮気!? 僕が?
「し、してません。してませんよ、そんな事!」
「じゃあ何があったか言えるよな?」
ベッドのふちに腰かけて、脇に置いている僕の手を、先輩が上からギュッと握る。
「伸之助?」
目を細めて低い声で促す蓮先輩に、僕はとうとう折れた。
…で、今日浩太たちに言われたことを渋々話した……。
「…なるほど」
何だか嫌に冷静に返されて、心拍数が上がる。
僕は何も悪い事なんか言っていないぞ!
…ていうか、浩太たちが僕に変なことを吹き込んで来て、嫌がらせされただけなんだからな!
先輩はしばらく顎に手を置いていたが、顔を上げるや否やとんでもない提案を僕にしたのだ。
「いいよ。今回は、俺が下になろう」
「…………」
僕はポカーンと口を開け、蓮先輩を凝視した。
「ちょっと待ってろ」
そう言い残して先輩は、部屋を出て行った。
…何か、何だか変なことになっちゃってるけど。
もしかして、…もしかしなくても、これから僕が蓮先輩のこと…、だ…抱くってこと…?
え? え?
えええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
そっ、そりゃ僕だって男だもの。一生童貞なんて、かなり萎えるけど…。
だけど、だけど…。
えええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!?
想像すらしていなかったびっくりな展開に、僕はどうしていいのか分からず只々オロオロしていた。
「悪い、待たせたな。美代さんに、食事の支度をしたら帰っても良いって言ってきた」
「あ、は、はい…」
やっぱり…、やっぱり先輩の中ではそういう予定が組み込まれてしまったんだ。
僕にとっても喜ばしい事のはずなのに、なぜか戸惑いの方が大きい。
これってどういう事…? 緊張、してるんだろうか?
「シャワー、浴びるか?」
「あ、はい」
今日は汗も掻いているし、ソレが前提なら汗を流したいと思った。
「そうか。じゃあ先に入っていいぞ。俺の方は準備があるから」
「じゅんび…?」
首を傾げて僕が尋ねると、先輩は意味深な顔をした。
「そう、準備。俺がいつも伸之助にしているアレだ」
口角を上げて意味深に笑う先輩に、先輩の指使いを思い出して急に恥ずかしくなった。
…な、なんか後ろの方がもぞもぞしてきちゃうのは、なぜ…?
「いくらなんでも、コレは伸之助にはハードルが高いだろ?」
ううう…。
「はい…」
蚊の鳴くような小さな声で、僕は返事を返した。
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