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無自覚美少年の男子校ライフ♪
初デートが初お泊り!?
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まずは着替えを済まそうと、僕のマンションへ。
下で待ってもらうのも何なので、今日は先輩にも上がってもらった。
「ただ今ー」
「お帰りなさい」
玄関の音で僕が 帰って来たのに気が付いた母さんが、エプロンで手を拭きながらやってきた。そして僕の後ろにいる先輩に気が付いて、ぽかんとする。
…うん。分かるよ。
先輩に初めて会ったら誰だってぽかんとするよね。僕もそうだった。
きっと多分今の先輩は、僕の母さんに気に入ってもらおうと思って、いつもより愛想が良くなっているんじゃないだろうか。
だって、初めて僕と会った時よりも、にこやかでキラキラしている…。
「初めまして。伸之助君と同じ学校の上級生で、香月蓮と言います。今日は突然お邪魔してすみません」
…ああ、なんだか本当に王子様だ。
いつもキラキラしてるけど、今はそれの比じゃない。
母さんも母さんで、先輩に挨拶されてようやく我に返った。
「あら、まあまあ、とんでもない。こちらこそ伸之助がお世話になっているんじゃないの?」
薄っすら頬を染めて、嬉しそうに僕を振り返る。
…綺麗でカッコイイ人にはみんな弱いよね。
「…今日先輩とご飯食べに行くって話したろ? 着替えに来たんだ。先輩、ちょっとだけ待っててください。すぐ戻りますから」
「ああ、分かった」
僕は急いで着替えるべく部屋へと走った。
○○○○○○○○
「明るくて良いお母さんだね」
今度は先輩の家に向かって歩いている。ちょっとドキドキ。
だって初めて先輩の家に行くんだもの。緊張するなっていうのが無理だ。
「そうですか?」
そう言ってもらうとちょっと嬉しい。自分の好きな人が、家族を褒めてくれるってなんだかこそばゆい物なんだなーと実感した。
「外泊の許可も得たよ」
……。
「え?」
ビックリして振り返る僕に、先輩はにっこりとほほ笑んだ。
「俺ん家、今日から両親いないんだ。県外にいる俺の再従姉の結婚式が明日あるんで、…もう出かけてるんじゃないかな」
え、え、えぇ!?
外泊って外泊って、先輩の家にお泊りって事!?
う、うわぁぁぁ…!
は、初デートだって言うのにいきなりハードルが高いよ!
「伸之助」
いつもより低く、艶やかな先輩の声。
ピクリと反応して顔を上げると、恐ろしいほど色気のある先輩の瞳に出会った。
体の奥がきゅんとなる。
「せ、せんぱ…」
「可愛い」
色っぽく眇められた瞳で僕を射ぬき、先輩は僕のうなじに手を伸ばした。
下で待ってもらうのも何なので、今日は先輩にも上がってもらった。
「ただ今ー」
「お帰りなさい」
玄関の音で僕が 帰って来たのに気が付いた母さんが、エプロンで手を拭きながらやってきた。そして僕の後ろにいる先輩に気が付いて、ぽかんとする。
…うん。分かるよ。
先輩に初めて会ったら誰だってぽかんとするよね。僕もそうだった。
きっと多分今の先輩は、僕の母さんに気に入ってもらおうと思って、いつもより愛想が良くなっているんじゃないだろうか。
だって、初めて僕と会った時よりも、にこやかでキラキラしている…。
「初めまして。伸之助君と同じ学校の上級生で、香月蓮と言います。今日は突然お邪魔してすみません」
…ああ、なんだか本当に王子様だ。
いつもキラキラしてるけど、今はそれの比じゃない。
母さんも母さんで、先輩に挨拶されてようやく我に返った。
「あら、まあまあ、とんでもない。こちらこそ伸之助がお世話になっているんじゃないの?」
薄っすら頬を染めて、嬉しそうに僕を振り返る。
…綺麗でカッコイイ人にはみんな弱いよね。
「…今日先輩とご飯食べに行くって話したろ? 着替えに来たんだ。先輩、ちょっとだけ待っててください。すぐ戻りますから」
「ああ、分かった」
僕は急いで着替えるべく部屋へと走った。
○○○○○○○○
「明るくて良いお母さんだね」
今度は先輩の家に向かって歩いている。ちょっとドキドキ。
だって初めて先輩の家に行くんだもの。緊張するなっていうのが無理だ。
「そうですか?」
そう言ってもらうとちょっと嬉しい。自分の好きな人が、家族を褒めてくれるってなんだかこそばゆい物なんだなーと実感した。
「外泊の許可も得たよ」
……。
「え?」
ビックリして振り返る僕に、先輩はにっこりとほほ笑んだ。
「俺ん家、今日から両親いないんだ。県外にいる俺の再従姉の結婚式が明日あるんで、…もう出かけてるんじゃないかな」
え、え、えぇ!?
外泊って外泊って、先輩の家にお泊りって事!?
う、うわぁぁぁ…!
は、初デートだって言うのにいきなりハードルが高いよ!
「伸之助」
いつもより低く、艶やかな先輩の声。
ピクリと反応して顔を上げると、恐ろしいほど色気のある先輩の瞳に出会った。
体の奥がきゅんとなる。
「せ、せんぱ…」
「可愛い」
色っぽく眇められた瞳で僕を射ぬき、先輩は僕のうなじに手を伸ばした。
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