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無自覚美少年の男子校ライフ♪
木村、現る
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歓声やため息交じりの声を聞きながら、僕の手からは嫌な汗が出始める。
先ほど、一葉が戻ってきて今はB組の須藤が舞台上だ。
うう~っ。
ヤダよぉ。出たくない~。
心の中でじたじたと足掻いてみてもどうなるわけでもなく…。
「次、上がって」と、副会長の無常な声に僕は渋々立ち上がった。
壇上には王子様姿のままの蓮先輩が立っている。
僕らがステージの裾に立ったのを見て、一瞬先輩が眉をひそめた。
ううっ。やっぱりそうだよね…。
僕だって先輩がこんな格好させられてたら嫌だもの…。
がっくりと項垂れながら、小島に半ば押されるようにして舞台の中央に出ると、びっくりするくらいのどよめきが起こった。
「スゲッ! 誰だよ、あいつ」
「ホラ、蓮さまの…」
「ええーっ!」
「エロい、エロ過ぎる! さすが小島!」
食い入るように見つめる皆の目が怖いよ…。
なんだこれ…。
思わず後ずさろうとする僕を、無情にも小島の奴が背中を押して前へと連れて行く。
「いやー、皆さんお久しぶりです。デザイナーの小島です」
「よおーっ。エロ島ー、待ってたぞー」
「小島、天才!」
…ああ、やっぱり先輩の言ってた通りだ。
小島と同じクラスだったって事が僕にとっての悲劇だったんだな…。
「では、後ろをご覧ください」
「ええっ!?」
「ええっ?じゃないよ。ホラ、後ろ向いて」
「何言ってんだよ、う、後ろって、あの間抜けな姿を晒すのか?」
絶対に絶対に嫌だと小島にごねると、「じゃあ、後ろからトップス外すか」と言われ瞬時に固まった。
エプロン外したらTバックだけになっちゃうじゃないか!
あ、あんなぴちぴちのTバックだけなんて…。
しょうがないので、僕は言われるまま渋々後ろを向いたのだった。
…ああ、忘れられるなら忘れてしまいたい。いっそ記憶喪失になってもいい…。
あの後、後ろを向いた僕に、悲鳴のようなどよめきのような何とも言えない歓声が轟いて…。
そばに先輩が立っていたけれど、とても怖くて顔なんて見ることが出来なかった。
…先輩、なんて思っただろう。
はあっ。
大きくため息を吐いて、ステージ裏で項垂れる。
「……」
とりあえず、とっとと着替えよう。こんな忌まわしいものさっさと脱ぎ捨ててやる!
気を取り直して僕は荷物の集められているテーブルの所に歩いて行き、自分の着替えを探す。
「えーっと、君、中田君だよね」
突然声をかけられて振り向くと、見た事の無い人が立っていた。
…上級生?
「はい、そうですけど」
「水沢君が入りにくいから呼んでくれって、なんか急いでいるようで、焦っていたけど」
「浩太が?」
「うん。悪いけど、ちょっといい?」
「あ、はい」
何だろう? 急ぎって。
気にしないで入ってくればいいのに。浩太の奴、照れ屋だから女装の人たちの中に入ってくるのが嫌だったのかな?
しょうがないので、着替えを探すのを後にして、ドアから外に出た。
顔を上げた先にいたのは、木村先輩だった。
――え?
と思った瞬間、鳩尾を突かれ、前のめりに倒れたところを抱えあげられてしまった。
先ほど、一葉が戻ってきて今はB組の須藤が舞台上だ。
うう~っ。
ヤダよぉ。出たくない~。
心の中でじたじたと足掻いてみてもどうなるわけでもなく…。
「次、上がって」と、副会長の無常な声に僕は渋々立ち上がった。
壇上には王子様姿のままの蓮先輩が立っている。
僕らがステージの裾に立ったのを見て、一瞬先輩が眉をひそめた。
ううっ。やっぱりそうだよね…。
僕だって先輩がこんな格好させられてたら嫌だもの…。
がっくりと項垂れながら、小島に半ば押されるようにして舞台の中央に出ると、びっくりするくらいのどよめきが起こった。
「スゲッ! 誰だよ、あいつ」
「ホラ、蓮さまの…」
「ええーっ!」
「エロい、エロ過ぎる! さすが小島!」
食い入るように見つめる皆の目が怖いよ…。
なんだこれ…。
思わず後ずさろうとする僕を、無情にも小島の奴が背中を押して前へと連れて行く。
「いやー、皆さんお久しぶりです。デザイナーの小島です」
「よおーっ。エロ島ー、待ってたぞー」
「小島、天才!」
…ああ、やっぱり先輩の言ってた通りだ。
小島と同じクラスだったって事が僕にとっての悲劇だったんだな…。
「では、後ろをご覧ください」
「ええっ!?」
「ええっ?じゃないよ。ホラ、後ろ向いて」
「何言ってんだよ、う、後ろって、あの間抜けな姿を晒すのか?」
絶対に絶対に嫌だと小島にごねると、「じゃあ、後ろからトップス外すか」と言われ瞬時に固まった。
エプロン外したらTバックだけになっちゃうじゃないか!
あ、あんなぴちぴちのTバックだけなんて…。
しょうがないので、僕は言われるまま渋々後ろを向いたのだった。
…ああ、忘れられるなら忘れてしまいたい。いっそ記憶喪失になってもいい…。
あの後、後ろを向いた僕に、悲鳴のようなどよめきのような何とも言えない歓声が轟いて…。
そばに先輩が立っていたけれど、とても怖くて顔なんて見ることが出来なかった。
…先輩、なんて思っただろう。
はあっ。
大きくため息を吐いて、ステージ裏で項垂れる。
「……」
とりあえず、とっとと着替えよう。こんな忌まわしいものさっさと脱ぎ捨ててやる!
気を取り直して僕は荷物の集められているテーブルの所に歩いて行き、自分の着替えを探す。
「えーっと、君、中田君だよね」
突然声をかけられて振り向くと、見た事の無い人が立っていた。
…上級生?
「はい、そうですけど」
「水沢君が入りにくいから呼んでくれって、なんか急いでいるようで、焦っていたけど」
「浩太が?」
「うん。悪いけど、ちょっといい?」
「あ、はい」
何だろう? 急ぎって。
気にしないで入ってくればいいのに。浩太の奴、照れ屋だから女装の人たちの中に入ってくるのが嫌だったのかな?
しょうがないので、着替えを探すのを後にして、ドアから外に出た。
顔を上げた先にいたのは、木村先輩だった。
――え?
と思った瞬間、鳩尾を突かれ、前のめりに倒れたところを抱えあげられてしまった。
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