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無自覚美少年の男子校ライフ♪
ファーストキス
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「やっぱりそうなったか」
放課後、先輩が僕の教室を訪ねて来た。で、L HRでの出来事を話したらさも予想通りだといわんばかりで、だけどそれと同時にため息を吐いていた。
「さっき、衣装を合わせるからってサイズまで計られちゃいましたよ」
僕も選ばれたことに不服だったのでむすっとしてつい愚痴をこぼすと、蓮先輩の暖かく大きな掌が僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「まあ、決まってしまったものはしょうがないな。もし優勝したらホテルのディナー券がもらえるから、その時は2人でデートしよう」
「え!?」
デ、デート?
や、お、男同士でデートって…。
ちらりと先輩を窺い見ると、前にも見た、蓮先輩の甘い瞳。
「伸之助」
先輩が僕に手を差し出す。そして僕に、僕自身でその手を取れと促すように、僕の目の前に差し出したままだ。
…ドキリとした。
先輩は僕の事を好きだと言っていた。その返事を僕はしていないけど、この手を取るか取らないかで、ある意味それが自分の気持ちを表すことに繋がる事になってしまうと思ったから。
いつまでも躊躇して手を出せない僕に、先輩は少し寂しげな顔をして、手を下しかけた。
その時とっさに、ホントに反射的に、僕は先輩の手を掴んでしまった。
ハッとして顔を上げると、先ほどとは違い嬉しそうな顔をした先輩と目が合った。
そして先輩は、僕の手をギュッと、力を込めて握りしめる。その反応で、僕はしっかりと我に返ってしまった。
うああっ、何やってるんだ僕!
でも…でもなんだか、先輩の寂しそうな顔なんて見たくないって…思っちゃったんだよ。
そんな僕のワタワタしている姿をしばらく微笑みながら見ていた蓮先輩だったけど、緩く、だけど力強く僕の腕を引っ張った。
「伸之助、こっち」
先輩は手を繋いだまま僕を外に連れ出して、人のいない校舎の裏へと進んで行く。
どれだけ広い敷地なのか、この先は緑が深く木々で埋もれ、ちょっとした林となっていた。
「なあ、伸之助」
「…はい」
「俺が本気で好きだってことは、伝わってるよな」
「あ…」
真剣なまなざしで僕を見つめる蓮先輩。涼しげな目元に端正な顔立ち。こんな風に真剣な表情をされると、王子様度がより増してしまうから嫌になる。
だって何故か最近は、ドキドキしてくるんだよ。
熱くなった顔を隠そうと、先輩から目を逸らし視線を彷徨わせていると、顎を掬われた。
え!?
ゆっくりと顔を近づけてくる王子様に、びっくりして凝視していると、「目、閉じて」と、とんでもなく甘い声で囁かれた。
「あ…せ、先輩…」
ぶわっと汗が流れ、ドキドキと心臓が煩くなる。
これって、これってヤバいんじゃ…?
「伸之助…」
吐息が触れるくらい近くで囁かれ、僕は堪らなくなって目を閉じる。
ふわりと、暖かくて柔らかい先輩の唇が、僕のそれに優しく重ねられた。
放課後、先輩が僕の教室を訪ねて来た。で、L HRでの出来事を話したらさも予想通りだといわんばかりで、だけどそれと同時にため息を吐いていた。
「さっき、衣装を合わせるからってサイズまで計られちゃいましたよ」
僕も選ばれたことに不服だったのでむすっとしてつい愚痴をこぼすと、蓮先輩の暖かく大きな掌が僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「まあ、決まってしまったものはしょうがないな。もし優勝したらホテルのディナー券がもらえるから、その時は2人でデートしよう」
「え!?」
デ、デート?
や、お、男同士でデートって…。
ちらりと先輩を窺い見ると、前にも見た、蓮先輩の甘い瞳。
「伸之助」
先輩が僕に手を差し出す。そして僕に、僕自身でその手を取れと促すように、僕の目の前に差し出したままだ。
…ドキリとした。
先輩は僕の事を好きだと言っていた。その返事を僕はしていないけど、この手を取るか取らないかで、ある意味それが自分の気持ちを表すことに繋がる事になってしまうと思ったから。
いつまでも躊躇して手を出せない僕に、先輩は少し寂しげな顔をして、手を下しかけた。
その時とっさに、ホントに反射的に、僕は先輩の手を掴んでしまった。
ハッとして顔を上げると、先ほどとは違い嬉しそうな顔をした先輩と目が合った。
そして先輩は、僕の手をギュッと、力を込めて握りしめる。その反応で、僕はしっかりと我に返ってしまった。
うああっ、何やってるんだ僕!
でも…でもなんだか、先輩の寂しそうな顔なんて見たくないって…思っちゃったんだよ。
そんな僕のワタワタしている姿をしばらく微笑みながら見ていた蓮先輩だったけど、緩く、だけど力強く僕の腕を引っ張った。
「伸之助、こっち」
先輩は手を繋いだまま僕を外に連れ出して、人のいない校舎の裏へと進んで行く。
どれだけ広い敷地なのか、この先は緑が深く木々で埋もれ、ちょっとした林となっていた。
「なあ、伸之助」
「…はい」
「俺が本気で好きだってことは、伝わってるよな」
「あ…」
真剣なまなざしで僕を見つめる蓮先輩。涼しげな目元に端正な顔立ち。こんな風に真剣な表情をされると、王子様度がより増してしまうから嫌になる。
だって何故か最近は、ドキドキしてくるんだよ。
熱くなった顔を隠そうと、先輩から目を逸らし視線を彷徨わせていると、顎を掬われた。
え!?
ゆっくりと顔を近づけてくる王子様に、びっくりして凝視していると、「目、閉じて」と、とんでもなく甘い声で囁かれた。
「あ…せ、先輩…」
ぶわっと汗が流れ、ドキドキと心臓が煩くなる。
これって、これってヤバいんじゃ…?
「伸之助…」
吐息が触れるくらい近くで囁かれ、僕は堪らなくなって目を閉じる。
ふわりと、暖かくて柔らかい先輩の唇が、僕のそれに優しく重ねられた。
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