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第五章
礼人さんとの帰り道
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パチパチパチパチー♪
「よく頑張ったな―。いいんじゃないか? これだけ振り切ってりゃ、みんな楽しんでくれるぞ」
「はい! ありがとうございました」
「ありがとうございます!」
最初礼人さんに気圧されていた高橋君だったけど、今ではまるで礼人さんをダンスの師匠だとでも思っているかのような表情だ。
礼人さんのことを勘違いしている人たちが多い中で、こうやって本当の礼人さんを知ってくれる人が現れてくれるのは素直にうれしい。
3人そろって教室を出た後、高橋君とは校門でそのまま別れた。
「さて、と。4時前かー。どうする歩? 時間はまだ大丈夫だろ?」
「はい! 大丈夫ですっ」
「……んー、じゃあ今度は俺んち来るか? 帰りは送るぞ」
「はいっ。……て、え? い、いいんですか?」
「おう。寄ってけ」
「は、はいっ」
うわー、うわー!
礼人さんのお家って!
義理のお母さんだって言ってたよな。しっかり挨拶とかして、礼人さんの印象を下げないようにしなきゃ!
何か手土産持ってった方がいいのかな?
あ、でも友達の家に行くときにわざわざ持ってったりしないか。
それに気を遣い過ぎて……とか言ってたから、逆にあまり気にしない方がいいのかな?
「こーら、なにグルグル考えてるんだ―?」
「え? あ、何でもないですっ! 緊張するけど楽しみにしてます!」
僕がそう言うと、礼人さんは一瞬目を丸くしてそしてプハッと笑った。
「大丈夫だよ。あの人……義母さんは、俺が友達とか連れてくるとすごくうれしいみたいなんだ。いい人なんだよ、本当に」
「礼人さん……」
そうか。そうなんだ。
僕にはハッキリとは分からないけど、きっと新しく他人を家族として迎え入れるのはやっぱりいろんな思いがあるんだろうな。
しかも礼人さん、自分のことを人見知りだって言ってたし。……繊細なところがあるもんな。
「じゃあ、僕元気よく挨拶します!」
「クスッ。そうしてくれ」
という事で、今度は礼人さんがいつも普通に通う通学路から帰ることになった。
しばらく雑談をしながら歩いていると、道の向こうからサッカーボールを小脇に抱えた黒田先輩と白石先輩がこちらに向かって歩いてきていた。
「あれ?」
向こうもこちらに気づいて、驚いた顔をしている。
「よー! どこ行くんだ?」
「小浜公園だ! ちょっと体動かそうかってことになって。お前らも来るか?」
「おう!……と、いいか? 歩」
「はい。もちろんです」
礼人さんのお家に行くのはまた今度でもいいよね。
「よし、じゃあ行こう」
礼人さんはそう言って、スッと僕の手を取って黒田先輩達の元へと走り出した。
「よく頑張ったな―。いいんじゃないか? これだけ振り切ってりゃ、みんな楽しんでくれるぞ」
「はい! ありがとうございました」
「ありがとうございます!」
最初礼人さんに気圧されていた高橋君だったけど、今ではまるで礼人さんをダンスの師匠だとでも思っているかのような表情だ。
礼人さんのことを勘違いしている人たちが多い中で、こうやって本当の礼人さんを知ってくれる人が現れてくれるのは素直にうれしい。
3人そろって教室を出た後、高橋君とは校門でそのまま別れた。
「さて、と。4時前かー。どうする歩? 時間はまだ大丈夫だろ?」
「はい! 大丈夫ですっ」
「……んー、じゃあ今度は俺んち来るか? 帰りは送るぞ」
「はいっ。……て、え? い、いいんですか?」
「おう。寄ってけ」
「は、はいっ」
うわー、うわー!
礼人さんのお家って!
義理のお母さんだって言ってたよな。しっかり挨拶とかして、礼人さんの印象を下げないようにしなきゃ!
何か手土産持ってった方がいいのかな?
あ、でも友達の家に行くときにわざわざ持ってったりしないか。
それに気を遣い過ぎて……とか言ってたから、逆にあまり気にしない方がいいのかな?
「こーら、なにグルグル考えてるんだ―?」
「え? あ、何でもないですっ! 緊張するけど楽しみにしてます!」
僕がそう言うと、礼人さんは一瞬目を丸くしてそしてプハッと笑った。
「大丈夫だよ。あの人……義母さんは、俺が友達とか連れてくるとすごくうれしいみたいなんだ。いい人なんだよ、本当に」
「礼人さん……」
そうか。そうなんだ。
僕にはハッキリとは分からないけど、きっと新しく他人を家族として迎え入れるのはやっぱりいろんな思いがあるんだろうな。
しかも礼人さん、自分のことを人見知りだって言ってたし。……繊細なところがあるもんな。
「じゃあ、僕元気よく挨拶します!」
「クスッ。そうしてくれ」
という事で、今度は礼人さんがいつも普通に通う通学路から帰ることになった。
しばらく雑談をしながら歩いていると、道の向こうからサッカーボールを小脇に抱えた黒田先輩と白石先輩がこちらに向かって歩いてきていた。
「あれ?」
向こうもこちらに気づいて、驚いた顔をしている。
「よー! どこ行くんだ?」
「小浜公園だ! ちょっと体動かそうかってことになって。お前らも来るか?」
「おう!……と、いいか? 歩」
「はい。もちろんです」
礼人さんのお家に行くのはまた今度でもいいよね。
「よし、じゃあ行こう」
礼人さんはそう言って、スッと僕の手を取って黒田先輩達の元へと走り出した。
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