32 / 62
第四章
あなたを癒したい
しおりを挟む
礼人さんも僕の背中に腕を回してくれて、お互いギュウッと抱きしめあっていた。
僕の気持ちはちゃんと伝わっている?
礼人さんの気持ちも、少しは浮上してくれてる?
いろんなことを思いながらずっと黙って礼人さんを抱きしめ続けていたけど、そっと力を抜いて体を離した。
顔を合わせた礼人さんの表情はさっきのソレとは違って、面はゆい表情をしている。
「気にさせて悪かったな」
さっきと違って照れくさそうな表情になってくれてるのはいいんだけど、それは違う!
僕はもう一度ギュウッと礼人さんを抱きしめた。
「違います。そうじゃないです。僕はもっと礼人さんのことを理解できるくらいになりたいんです。……僕まだガキで、頼りないどころか色々察することも出来なくて……」
コツン。
「え?」
「バーカ。誰もそんなの望んでないっての。歩は、そのポヨンとしたところがいいんだろ? 変に背伸びなんてするなよ」
「でも……」
「そーだよー。歩君には他のみんなに無いいいところがてんこ盛りなんだから、それ無くしちゃダメだからな!」
え?
あ!
わ、忘れてたけどここ部室だった……。
皆さんいらっしゃったんですよねぇ(;・∀・)
恐る恐る顔を上げると千佳先輩だけじゃなくて、白石先輩達までもがこちらを見ていた。
そしてみんな一様に、優しい笑顔だ。
ねえ、礼人さん。
僕はまだ礼人さんの心の中にグイグイと入って行く勇気は無いけれど、そのうち礼人さんの抱えている重荷になっている気持ちを聞いてもいいですか?
本当の意味で、礼人さんを癒せる存在になりたいから。
僕は心の中でそうこっそり呟いて、礼人さんの掌をキュッと握った。
僕の気持ちはちゃんと伝わっている?
礼人さんの気持ちも、少しは浮上してくれてる?
いろんなことを思いながらずっと黙って礼人さんを抱きしめ続けていたけど、そっと力を抜いて体を離した。
顔を合わせた礼人さんの表情はさっきのソレとは違って、面はゆい表情をしている。
「気にさせて悪かったな」
さっきと違って照れくさそうな表情になってくれてるのはいいんだけど、それは違う!
僕はもう一度ギュウッと礼人さんを抱きしめた。
「違います。そうじゃないです。僕はもっと礼人さんのことを理解できるくらいになりたいんです。……僕まだガキで、頼りないどころか色々察することも出来なくて……」
コツン。
「え?」
「バーカ。誰もそんなの望んでないっての。歩は、そのポヨンとしたところがいいんだろ? 変に背伸びなんてするなよ」
「でも……」
「そーだよー。歩君には他のみんなに無いいいところがてんこ盛りなんだから、それ無くしちゃダメだからな!」
え?
あ!
わ、忘れてたけどここ部室だった……。
皆さんいらっしゃったんですよねぇ(;・∀・)
恐る恐る顔を上げると千佳先輩だけじゃなくて、白石先輩達までもがこちらを見ていた。
そしてみんな一様に、優しい笑顔だ。
ねえ、礼人さん。
僕はまだ礼人さんの心の中にグイグイと入って行く勇気は無いけれど、そのうち礼人さんの抱えている重荷になっている気持ちを聞いてもいいですか?
本当の意味で、礼人さんを癒せる存在になりたいから。
僕は心の中でそうこっそり呟いて、礼人さんの掌をキュッと握った。
1
お気に入りに追加
236
あなたにおすすめの小説
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
俺をハーレムに組み込むな!!!!〜モテモテハーレムの勇者様が平凡ゴリラの俺に惚れているとか冗談だろ?〜
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
無自覚モテモテ勇者×平凡地味顔ゴリラ系男子の、コメディー要素強めなラブコメBLのつもり。
勇者ユウリと共に旅する仲間の一人である青年、アレクには悩みがあった。それは自分を除くパーティーメンバーが勇者にベタ惚れかつ、鈍感な勇者がさっぱりそれに気づいていないことだ。イケメン勇者が女の子にチヤホヤされているさまは、相手がイケメンすぎて嫉妬の対象でこそないものの、モテない男子にとっては目に毒なのである。
しかしある日、アレクはユウリに二人きりで呼び出され、告白されてしまい……!?
たまには健全な全年齢向けBLを書いてみたくてできた話です。一応、付き合い出す前の両片思いカップルコメディー仕立て……のつもり。他の仲間たちが勇者に言い寄る描写があります。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
高塚くんと森くん
うりぼう
BL
顔だけが取り柄の高塚くん。
ごくごく普通の高校生の森くん。
「好きなんだ、オレと付き合って」
「え、嫌だ」
そこから始まる二人のお話。
基本一話完結。
本編完結済み
随時小話更新予定です。
※BL
※受け大好き
※攻め半分変態
※R15というほどR15表現はありません
他サイト様にも投稿しています
総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる