7 / 62
第一章
読書同好会に入ろう 2
しおりを挟む
「うぉーい、新入生を連れて来たぞー」
「新入生!? マジ、マジ? 誰、誰?」
「こら千佳! お前はまずは隠れてろ!」
「嘘っ! 礼人が連れてくるって、誰!?」
紫藤さんが扉を開けながら呼びかけた言葉に、奥の方からやけに騒がしい声と共にどたどたと足音が近づいてきた。
強面の人を筆頭に、女の子と勘違いしそうないやに可愛い人。その後から、クリスマスの日に出合った優しそうな人が続いて顔を出した。
「んん? やけにちっこい奴だな。見慣れない奴だが、中学時代の礼人の後輩か?」
「違いますよ、そうじゃなくて……」
「あっ! もしかしてクリスマスの時の受験生?」
「おう、さすがシロ。覚えてたか」
「覚えてるも何も……」
笑いながら話す綺麗で優しい感じの人の後ろから、また誰かが奥の方から出てきた。
「紫藤が珍しく人見知りを発動してなかったからな。それだけで充分記憶に残るだろ」
あっ!
あの人もそうだ。あの優しそうな人の隣にいた人だ。
「俺は結構人を見る目があるんだよ。……ていうか、自分と気の合うやつを見分けるセンサーかな?」
……え?
トクン。
もしかして、それって僕のこと?
紫藤さんはみんなに向けていた顔をこちらに向けて、僕にニッコリと笑いかけた。
……ああ~、まずいよ。
そんな笑顔向けられたら……。
じわじわと熱を持ち始めた顔を隠そうと下を向いたんだけど、たぶんみんなに知られてしまってる。
女の子みたいに可愛い人には、「かわいい」と言われ、優しそうな人には「初々しいな」と言われた。
だけどなぜだか強面の人には、「まあ、そういうことなら構わないか」と了承?され、もう一人の人には「まったくわけわかんねー奴だ」と言われた。
どういう意味!?
様々な反応に困惑する僕に、紫藤さんが笑って僕の肩を叩いた。
「さ、入ろうぜ。みんなも了承してくれたし、今日から歩は読書同好会のメンバーだ」
「新入生!? マジ、マジ? 誰、誰?」
「こら千佳! お前はまずは隠れてろ!」
「嘘っ! 礼人が連れてくるって、誰!?」
紫藤さんが扉を開けながら呼びかけた言葉に、奥の方からやけに騒がしい声と共にどたどたと足音が近づいてきた。
強面の人を筆頭に、女の子と勘違いしそうないやに可愛い人。その後から、クリスマスの日に出合った優しそうな人が続いて顔を出した。
「んん? やけにちっこい奴だな。見慣れない奴だが、中学時代の礼人の後輩か?」
「違いますよ、そうじゃなくて……」
「あっ! もしかしてクリスマスの時の受験生?」
「おう、さすがシロ。覚えてたか」
「覚えてるも何も……」
笑いながら話す綺麗で優しい感じの人の後ろから、また誰かが奥の方から出てきた。
「紫藤が珍しく人見知りを発動してなかったからな。それだけで充分記憶に残るだろ」
あっ!
あの人もそうだ。あの優しそうな人の隣にいた人だ。
「俺は結構人を見る目があるんだよ。……ていうか、自分と気の合うやつを見分けるセンサーかな?」
……え?
トクン。
もしかして、それって僕のこと?
紫藤さんはみんなに向けていた顔をこちらに向けて、僕にニッコリと笑いかけた。
……ああ~、まずいよ。
そんな笑顔向けられたら……。
じわじわと熱を持ち始めた顔を隠そうと下を向いたんだけど、たぶんみんなに知られてしまってる。
女の子みたいに可愛い人には、「かわいい」と言われ、優しそうな人には「初々しいな」と言われた。
だけどなぜだか強面の人には、「まあ、そういうことなら構わないか」と了承?され、もう一人の人には「まったくわけわかんねー奴だ」と言われた。
どういう意味!?
様々な反応に困惑する僕に、紫藤さんが笑って僕の肩を叩いた。
「さ、入ろうぜ。みんなも了承してくれたし、今日から歩は読書同好会のメンバーだ」
1
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
なんでも諦めてきた俺だけどヤンデレな彼が貴族の男娼になるなんて黙っていられない
迷路を跳ぶ狐
BL
自己中な無表情と言われて、恋人と別れたクレッジは冒険者としてぼんやりした毎日を送っていた。
恋愛なんて辛いこと、もうしたくなかった。大体のことはなんでも諦めてのんびりした毎日を送っていたのに、また好きな人ができてしまう。
しかし、告白しようと思っていた大事な日に、知り合いの貴族から、その人が男娼になることを聞いたクレッジは、そんなの黙って見ていられないと止めに急ぐが、好きな人はなんだか様子がおかしくて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる