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第一章
噂の読書同好会 2
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小心者で、たいして目立たない平凡すぎることは自覚しているので、可愛い女子らに交じって紫藤さんを追いかける真似なんてとてもじゃないけど出来ない。だから僕は、時々遠くに歩いている紫藤さんを見るだけで満足していた。
読書同好会は気になるし入りたいとは思ったけど、加山さんの情報を聞いた今ではその勇気もとうになくなっていた。
「あ、アレだな」
加賀くんが廊下の窓から指さした。
つられてそこに目をやると、紫藤さんの歩く周りを数人の女子が取り囲みながら移動している。
ツキンと胸が痛む。
こんな僕なんかじゃ、あの輪の中に入ることすら出来ないもんな……。
ため息つきながら見ていると、紫藤さんが誰かに気が付いて手を上げた。そしてまとわりついている女子らに何かを告げて走っていく。
それがなんだか気になって紫藤さんが駆けて行った先に目を向けると、そこにはあの時紫藤さんと一緒にいた内の1人、優しい感じの人が立っていた。
「あの人も読書同好会のメンバーだってさ」
「そうなの?」
「うん、加山が教えてくれた。イケメンぞろいっていうのはどうやら本当のようだな」
「……うん」
「だけどまあ、俺には関係ないか。……でも、歩は文化系に入りたいんだよな?」
「え? あ、そうだけど。でも加山さんの友達が断られたんだよ? 僕なんて絶対だめだよ」
思わずため息を吐いてしまう。そんな僕に、加賀くんがそんなことないだろと言ってくれた。
「もしかしたら純粋に読書が好きな人員を求めてるんじゃないのか? どう見てもイケメン目当ての女子だったから断ったのかもしれないぞ」
「え? あ、そうか」
そういうことなら納得いく。
入部するのに審査だなんて想像つかないけど、きっと前にそう言ういざこざがあったんだろう。
特に紫藤さん、めちゃくちゃかっこいいもんな……。
「行ってみれば?」
「……でも」
言い淀む僕に、加賀くんが笑って肩を叩く。
「ま、無理強いすることでも無いけどさ。他にもいろいろあるだろうからゆっくり考えたらいいさ」
「……うん」
そう返事をしたものの、やっぱり僕の心の中には『入りたい』という欲求が強まってきていた。
読書同好会は気になるし入りたいとは思ったけど、加山さんの情報を聞いた今ではその勇気もとうになくなっていた。
「あ、アレだな」
加賀くんが廊下の窓から指さした。
つられてそこに目をやると、紫藤さんの歩く周りを数人の女子が取り囲みながら移動している。
ツキンと胸が痛む。
こんな僕なんかじゃ、あの輪の中に入ることすら出来ないもんな……。
ため息つきながら見ていると、紫藤さんが誰かに気が付いて手を上げた。そしてまとわりついている女子らに何かを告げて走っていく。
それがなんだか気になって紫藤さんが駆けて行った先に目を向けると、そこにはあの時紫藤さんと一緒にいた内の1人、優しい感じの人が立っていた。
「あの人も読書同好会のメンバーだってさ」
「そうなの?」
「うん、加山が教えてくれた。イケメンぞろいっていうのはどうやら本当のようだな」
「……うん」
「だけどまあ、俺には関係ないか。……でも、歩は文化系に入りたいんだよな?」
「え? あ、そうだけど。でも加山さんの友達が断られたんだよ? 僕なんて絶対だめだよ」
思わずため息を吐いてしまう。そんな僕に、加賀くんがそんなことないだろと言ってくれた。
「もしかしたら純粋に読書が好きな人員を求めてるんじゃないのか? どう見てもイケメン目当ての女子だったから断ったのかもしれないぞ」
「え? あ、そうか」
そういうことなら納得いく。
入部するのに審査だなんて想像つかないけど、きっと前にそう言ういざこざがあったんだろう。
特に紫藤さん、めちゃくちゃかっこいいもんな……。
「行ってみれば?」
「……でも」
言い淀む僕に、加賀くんが笑って肩を叩く。
「ま、無理強いすることでも無いけどさ。他にもいろいろあるだろうからゆっくり考えたらいいさ」
「……うん」
そう返事をしたものの、やっぱり僕の心の中には『入りたい』という欲求が強まってきていた。
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