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最終章
食後のカフェオレ
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お昼ご飯を食べ終わって、先生と2人で片付けた。先生と並んで立って洗い物をしているって、なんだか新婚さんみたいだ♪
「カフェオレ淹れてやるから、座って待ってろ」
洗い物を片付け終えてタオルで手を拭きながら、先生がリビングを指さして俺にゆっくりしてるよう促した。
先生のカフェオレが絶品な事は既に証明済みだ。もちろんそうじゃなくても、先生が淹れてくれるなら、どんな物でも嬉しいけど。
「お待たせ。どうぞ」
「ありがとう」
大きめのマグカップに淹れられた美味しそうなカフェオレ。火傷しないようにとフーフー息を吹きかけながら、アレ?と思った。
「先生、このマグ。前からあったっけ?」
「……いや。ちょっと前にお前専用にと買って来た」
「……え?」
濃い青に金色のイルカが描かれているマグカップ。どう考えても、先生の趣味ではなさそうなのに。
「イメージがな、何となく南っぽいなと思ったから……。気がついたらレジに向かってた」
「…………」
「……気に入らなかったか?」
「……んなわけない。そんなわけないよ……」
俺のいないところで先生が俺を思い出してくれて、しかも俺専用にって買ってきてくれただなんて、嬉しくて……嬉しすぎて、なんて言っていいのか分からないだけだ。
「俺、頑張るからね。ずっと先生に好きでいてもらえるように頑張るから……」
「――別に頑張ること無いけど」
「……え?」
「今のままのお前がいいから。変わらないでいてくれれば、それでいい」
「……先生」
「ほら、せっかく淹れたのに冷めちまう。ぬるくなる前に飲んじまえ」
「うん。ふふっ……」
ちょっぴり照れ臭くなったのか、ぶっきらぼうに言う先生がかわいく思える。それがやっぱり嬉しくて、俺の口角が上がった。
ちょうど飲み頃になったカフェオレ。
渚さん推奨の先生のコーヒーを、いつかは先生たちみたいにカフェオレではなくちゃんとコーヒーとして飲めると良いなってそう思いながら、俺は美味しくカフェオレを飲み干した。
「あ、そう言えば」
先生に一応勉強を付き合ってもらいながら、ずっと気になっていたことを思い出した。
最近は電話で話すことも多いからその時に聞いてもよかったんだけど、やっぱり直に聞いた方が安心するかと思ったんだ。
俺の発した言葉に先生がなんだ?と顔を上げる。
「和田さんとのこと解決したって言ってたけど、結局のところどうなったの?」
「ああ、そうだったな。まだちゃんと説明してなかった」
先生はそう言って、胡坐を崩して足を伸ばした。
「カフェオレ淹れてやるから、座って待ってろ」
洗い物を片付け終えてタオルで手を拭きながら、先生がリビングを指さして俺にゆっくりしてるよう促した。
先生のカフェオレが絶品な事は既に証明済みだ。もちろんそうじゃなくても、先生が淹れてくれるなら、どんな物でも嬉しいけど。
「お待たせ。どうぞ」
「ありがとう」
大きめのマグカップに淹れられた美味しそうなカフェオレ。火傷しないようにとフーフー息を吹きかけながら、アレ?と思った。
「先生、このマグ。前からあったっけ?」
「……いや。ちょっと前にお前専用にと買って来た」
「……え?」
濃い青に金色のイルカが描かれているマグカップ。どう考えても、先生の趣味ではなさそうなのに。
「イメージがな、何となく南っぽいなと思ったから……。気がついたらレジに向かってた」
「…………」
「……気に入らなかったか?」
「……んなわけない。そんなわけないよ……」
俺のいないところで先生が俺を思い出してくれて、しかも俺専用にって買ってきてくれただなんて、嬉しくて……嬉しすぎて、なんて言っていいのか分からないだけだ。
「俺、頑張るからね。ずっと先生に好きでいてもらえるように頑張るから……」
「――別に頑張ること無いけど」
「……え?」
「今のままのお前がいいから。変わらないでいてくれれば、それでいい」
「……先生」
「ほら、せっかく淹れたのに冷めちまう。ぬるくなる前に飲んじまえ」
「うん。ふふっ……」
ちょっぴり照れ臭くなったのか、ぶっきらぼうに言う先生がかわいく思える。それがやっぱり嬉しくて、俺の口角が上がった。
ちょうど飲み頃になったカフェオレ。
渚さん推奨の先生のコーヒーを、いつかは先生たちみたいにカフェオレではなくちゃんとコーヒーとして飲めると良いなってそう思いながら、俺は美味しくカフェオレを飲み干した。
「あ、そう言えば」
先生に一応勉強を付き合ってもらいながら、ずっと気になっていたことを思い出した。
最近は電話で話すことも多いからその時に聞いてもよかったんだけど、やっぱり直に聞いた方が安心するかと思ったんだ。
俺の発した言葉に先生がなんだ?と顔を上げる。
「和田さんとのこと解決したって言ってたけど、結局のところどうなったの?」
「ああ、そうだったな。まだちゃんと説明してなかった」
先生はそう言って、胡坐を崩して足を伸ばした。
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