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第一章
先生を守りたい3
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ゼイゼイ言いながら職員室にたどり着いた。廊下から中を窺ったけれど、紫藤先生の姿は発見できなかった。
仕方ない。
とりあえず俺も先生の車を止めている駐車場に行こう。
俺は、急ぎ足で駐車場へと向かった。
あいつらに見つからないようにと腰を低くして、慎重に先生の車が置いている場所へと近づいていく。すると、先生の車の傍に、さっきの三人組が居るのが見えた。
先生の、オレンジのアクアに寄りかかり、何やら笑いながら話をしている。
三人で寄ってたかって先生を押し倒す気でいるんだろうか……。
考えたくないのに嫌な光景が脳裏をかすめる。
嫌がる先生を押さえつけ無理やり服を脱がして、先生に……
くそっ!!
そんな事、誰がさせるかっ!
「なんだ、お前」
「!?」
頭の中で色々考えている内に怒りがマックスになってしまった俺は、思わず立ち上がり前に飛び出していた。
うわ、ヤベ。
なんて言い訳しよう。…てか、もしかしてそろそろ先生が来てしまう時間じゃないのか?
こいつらには、話を付けられそうに無いし、玉砕覚悟で追い払うか?
「おい?」
どうしたらこいつらを追い払えるかと考えていて黙ったままでいたら、一人が俺の傍までやって来て、邪魔だと言わんばかりに睨みつける。
少し怯みはしたものの、俺も負けじと睨み返した。
「お前らこそ、こんな所で何たむろしてるんだよ」
「……ああ? あー、何? お前も紫藤に用があるわけ?」
「…………」
突然の切り返しに、俺は言葉も出なかった。
「へええー? 小山以外にも紫藤にクラクラさせられてる奴が居たってわけかー」
「……なに言ってんだよ」
図星を突かれてしまって、思わず声を低くしてしまう。ニヤニヤ笑いながら近づいてくるこいつらに、緊張のあまり掌から汗が滲み出た。
「隠すな、隠すな。分かるよあいつ、妙に色っぽいとこあるもんなあ。無理やりでも押し倒したくなるだろ」
「馬鹿なこと言うな!」
小山とか言う奴が、俺に近づき肩に手を置く。俺は思わずその手を思いっきり叩き落とした。そして勢いのまま、そいつの頬をぶん殴った。
「何するんだ、てめえ!!」
「お前らこそ、なに考えてんだ! あんな良い先生に暴力振るおうだなんて……ぐぁっ!」
小山と怒鳴り合っていたら、後ろからドカッと尻を蹴られた。不意を突かれた俺は、前につんのめり小山にぶつかる。そしてそのまま、小山に胸倉を掴まれて思いっきり殴られた。
吹っ飛ばされた俺の上に小山が馬乗りになり、頬を何発も殴る。抵抗しようにも痛さのあまり、俺は為す術も無くされるがままだ。
「つ……っ!」
唇の端が切れたのか、口の中を血の味が広がった。
くそっ。このままじゃヤバい。先生がそろそろ来る時間なんじゃないか? このままやられちまったら、誰が先生を助けるんだよ!
俺は何とか態勢を整えようと、必死でじたばたともがいた。だけど、上から圧されているので思うように動けない。
「君たち、何をしているんだ!」
硬質の、涼し気な綺麗な声。俺の大好きな先生の声だ。
大好きな声だけど、今は聞きたくなかった。ヤバい、なんで来ちまったんだよ!
「せん……せ、逃げ……てっ」
出来る限りの大声を出して先生に訴えた。
その瞬間、ガスッと思いっきり顎を殴られて、目の前が暗くなる。
先生、お願いだから逃げてくれよ……
薄れ行く意識の中、先生の俺を呼ぶ声と、誰かが殴られ倒れるような音を聞く。
先生……、お願いだから……逃げ…て
仕方ない。
とりあえず俺も先生の車を止めている駐車場に行こう。
俺は、急ぎ足で駐車場へと向かった。
あいつらに見つからないようにと腰を低くして、慎重に先生の車が置いている場所へと近づいていく。すると、先生の車の傍に、さっきの三人組が居るのが見えた。
先生の、オレンジのアクアに寄りかかり、何やら笑いながら話をしている。
三人で寄ってたかって先生を押し倒す気でいるんだろうか……。
考えたくないのに嫌な光景が脳裏をかすめる。
嫌がる先生を押さえつけ無理やり服を脱がして、先生に……
くそっ!!
そんな事、誰がさせるかっ!
「なんだ、お前」
「!?」
頭の中で色々考えている内に怒りがマックスになってしまった俺は、思わず立ち上がり前に飛び出していた。
うわ、ヤベ。
なんて言い訳しよう。…てか、もしかしてそろそろ先生が来てしまう時間じゃないのか?
こいつらには、話を付けられそうに無いし、玉砕覚悟で追い払うか?
「おい?」
どうしたらこいつらを追い払えるかと考えていて黙ったままでいたら、一人が俺の傍までやって来て、邪魔だと言わんばかりに睨みつける。
少し怯みはしたものの、俺も負けじと睨み返した。
「お前らこそ、こんな所で何たむろしてるんだよ」
「……ああ? あー、何? お前も紫藤に用があるわけ?」
「…………」
突然の切り返しに、俺は言葉も出なかった。
「へええー? 小山以外にも紫藤にクラクラさせられてる奴が居たってわけかー」
「……なに言ってんだよ」
図星を突かれてしまって、思わず声を低くしてしまう。ニヤニヤ笑いながら近づいてくるこいつらに、緊張のあまり掌から汗が滲み出た。
「隠すな、隠すな。分かるよあいつ、妙に色っぽいとこあるもんなあ。無理やりでも押し倒したくなるだろ」
「馬鹿なこと言うな!」
小山とか言う奴が、俺に近づき肩に手を置く。俺は思わずその手を思いっきり叩き落とした。そして勢いのまま、そいつの頬をぶん殴った。
「何するんだ、てめえ!!」
「お前らこそ、なに考えてんだ! あんな良い先生に暴力振るおうだなんて……ぐぁっ!」
小山と怒鳴り合っていたら、後ろからドカッと尻を蹴られた。不意を突かれた俺は、前につんのめり小山にぶつかる。そしてそのまま、小山に胸倉を掴まれて思いっきり殴られた。
吹っ飛ばされた俺の上に小山が馬乗りになり、頬を何発も殴る。抵抗しようにも痛さのあまり、俺は為す術も無くされるがままだ。
「つ……っ!」
唇の端が切れたのか、口の中を血の味が広がった。
くそっ。このままじゃヤバい。先生がそろそろ来る時間なんじゃないか? このままやられちまったら、誰が先生を助けるんだよ!
俺は何とか態勢を整えようと、必死でじたばたともがいた。だけど、上から圧されているので思うように動けない。
「君たち、何をしているんだ!」
硬質の、涼し気な綺麗な声。俺の大好きな先生の声だ。
大好きな声だけど、今は聞きたくなかった。ヤバい、なんで来ちまったんだよ!
「せん……せ、逃げ……てっ」
出来る限りの大声を出して先生に訴えた。
その瞬間、ガスッと思いっきり顎を殴られて、目の前が暗くなる。
先生、お願いだから逃げてくれよ……
薄れ行く意識の中、先生の俺を呼ぶ声と、誰かが殴られ倒れるような音を聞く。
先生……、お願いだから……逃げ…て
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