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第一章
先生を守りたい2
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嫌な汗が噴き出る。
俺の頭の中で先生が凌辱されている姿がちらついて、ドクドクと心臓が騒がしくなった。
あいつらの声には聞き覚えが無い。だから、姿を確認しなければと思った。
だって紫藤先生は、自分が人にどう見られているかを気付いていないんじゃないのかと思ってしまうほど、鈍感極まりないんだ。
あんな無防備なくせして、自分をしっかりしていると勘違いしているような人だから。
俺は慎重に奴らに見られないように注意しながらゆっくりと階段を下りる。息を殺しながら下の方に意識を集中していると、とんでもない会話が聞こえて来た。
「なあ、お前らも手伝えよ」
「はあ? 冗談だろ。俺、男になんて興味ないし」
「え~、なんだよ。面白くねーな。弱み握ったら小遣いくれるかもしれねーじゃん」
何言ってんだ、こいつ! 絶対ヤバい奴だ。
マジで先生、襲われたら、弱み握られて何度も何度も良いように弄ばれそうじゃないか!
「うわっ、マジサイテー。恐喝までするのかよ」
「俺はしねーよ。だけど手伝ってくれたら、そう言う事も出来るだろって話」
「……そうだなぁ。手伝っても良いぜ。暇だし、何か面白そーだし」
「武は? どうすんだよ」
「わーったよ。紫藤には恨みは無いけど、押さえつけるくらいはしてやるよ」
「よし。じゃあ、いこーぜ」
「ああ? 今からか?」
「今だから良いんだろ? 紫藤、車通勤なんだよ。しかも運の良いことに、紫藤の駐車しているとこって奥側の方だから、人目に触れにくいとこなんだよな」
「いつ来るかもしれないのに今から待つのか?」
「じゃあ、腹減ったから学食で何か食ってくか」
「そうしようぜ」
「腹が減っては戦が出来ないってな」
ゲラゲラ笑いながら、声が少しずつ小さくなる。
俺は怒りに震えながら、その姿を見ようと階段をそっと降りた。
俺の視界には、馬鹿笑いをしながら歩く三人の後姿が見える。その姿には見覚えがあった。俺と同じ2年生だ。
ただ、同じクラスになった事は無いので名前までは分からなかったけど。
今聞いた話だと、先生を駐車場で待ち伏せする気でいるらしい。
俺は先生が何時ごろに帰るのかとか、そう言う事までは分からないので、とにかくこのことを先生に教えることが先だと、また階段を上がって先生の居た準備室へと走った。
「先生? 紫藤先生?」
準備室に着いて、先生を呼ぶけど返事が来ない。勝手にドアを開けようとしたが鍵がかかっている。どうやら中には誰も居ないようだ。
どうしよう。
どこに行ったんだろう。
俺は紫藤先生に会えなかった事に焦りながら、とにかく先生を探さなきゃと校内を走り回った。
闇雲に走り回って先生を探す。
居ない、居ない。ここにも居ない。
どうしよう。もしかしてもう帰ったんだろうか……。
時間を確認してみるとまだ五時前だ。用事でもない限り、こんな早い時間に帰るって言うのも考えにくい。
ちくしょう、どこ行ったんだよ先生!
酸欠の頭で必死に考えて、未だ職員室を見に行っていない事にようやく気が付いた。
俺は怠い足を引きずって、職員室へと必死で走った。
俺の頭の中で先生が凌辱されている姿がちらついて、ドクドクと心臓が騒がしくなった。
あいつらの声には聞き覚えが無い。だから、姿を確認しなければと思った。
だって紫藤先生は、自分が人にどう見られているかを気付いていないんじゃないのかと思ってしまうほど、鈍感極まりないんだ。
あんな無防備なくせして、自分をしっかりしていると勘違いしているような人だから。
俺は慎重に奴らに見られないように注意しながらゆっくりと階段を下りる。息を殺しながら下の方に意識を集中していると、とんでもない会話が聞こえて来た。
「なあ、お前らも手伝えよ」
「はあ? 冗談だろ。俺、男になんて興味ないし」
「え~、なんだよ。面白くねーな。弱み握ったら小遣いくれるかもしれねーじゃん」
何言ってんだ、こいつ! 絶対ヤバい奴だ。
マジで先生、襲われたら、弱み握られて何度も何度も良いように弄ばれそうじゃないか!
「うわっ、マジサイテー。恐喝までするのかよ」
「俺はしねーよ。だけど手伝ってくれたら、そう言う事も出来るだろって話」
「……そうだなぁ。手伝っても良いぜ。暇だし、何か面白そーだし」
「武は? どうすんだよ」
「わーったよ。紫藤には恨みは無いけど、押さえつけるくらいはしてやるよ」
「よし。じゃあ、いこーぜ」
「ああ? 今からか?」
「今だから良いんだろ? 紫藤、車通勤なんだよ。しかも運の良いことに、紫藤の駐車しているとこって奥側の方だから、人目に触れにくいとこなんだよな」
「いつ来るかもしれないのに今から待つのか?」
「じゃあ、腹減ったから学食で何か食ってくか」
「そうしようぜ」
「腹が減っては戦が出来ないってな」
ゲラゲラ笑いながら、声が少しずつ小さくなる。
俺は怒りに震えながら、その姿を見ようと階段をそっと降りた。
俺の視界には、馬鹿笑いをしながら歩く三人の後姿が見える。その姿には見覚えがあった。俺と同じ2年生だ。
ただ、同じクラスになった事は無いので名前までは分からなかったけど。
今聞いた話だと、先生を駐車場で待ち伏せする気でいるらしい。
俺は先生が何時ごろに帰るのかとか、そう言う事までは分からないので、とにかくこのことを先生に教えることが先だと、また階段を上がって先生の居た準備室へと走った。
「先生? 紫藤先生?」
準備室に着いて、先生を呼ぶけど返事が来ない。勝手にドアを開けようとしたが鍵がかかっている。どうやら中には誰も居ないようだ。
どうしよう。
どこに行ったんだろう。
俺は紫藤先生に会えなかった事に焦りながら、とにかく先生を探さなきゃと校内を走り回った。
闇雲に走り回って先生を探す。
居ない、居ない。ここにも居ない。
どうしよう。もしかしてもう帰ったんだろうか……。
時間を確認してみるとまだ五時前だ。用事でもない限り、こんな早い時間に帰るって言うのも考えにくい。
ちくしょう、どこ行ったんだよ先生!
酸欠の頭で必死に考えて、未だ職員室を見に行っていない事にようやく気が付いた。
俺は怠い足を引きずって、職員室へと必死で走った。
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