拾ったのは、妖艶で獰猛な猫だった

くるむ

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第五章

石川さんの為に出来ること 2(一弥視点)

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建輔さんを見送ってからパソコンを起動した。使わないでいいのならその方がいいと思っていた、アングラサイトでの募集を確認するためだ。

『大学生の男をレイプ出来る人募集。車を出せる人が条件。報酬は仮想通貨で』
そんな文言で募集していた闇バイトの申し出に、数名が応募していた。その全員に今夜実行予定。出来るのなら再度連絡を求むとメッセージを送った。

すると直ぐに三人から返事があったので、店と関わる奴と遭遇しないためにも竹本の帰宅時にその家の近所で拉致をすることと、その近くに駐車スペースもある襲うのにうってつけな大きな公園があることなど詳細なやり取りをした。それから竹本ともう一人の新井という男の写真を送っておいた。

はあっ。

建輔さんに内緒で俺がこんな事をしてるって分かったら、警察に突き出されちゃうかな?
だけど、石川さんの悲痛な気持とかを考えたら、相手にも同じような制裁を加えるのも悪くはないだろう?

『被害を訴えたいっていう気持ちもありますけど、そうしたら私がされた事を警察に説明しないといけないんですよね?』

『それはそうだけど ……やっぱりハードルは高い?』

『だって……これ以上私だけ傷ついて、どれくらいの刑になるんですか? だけどでも、あの人達のしたことはちゃんと罰して欲しい』

『目には目を、歯には歯をというやり方でなら罰することは出来るよ。……どうする?』
『目には目って……』

『建輔さんは知らない。俺と君との間だけで成立する約束事だ。だからもちろん、追加料金も無しだよ。そして他言無用だ。……そうは言ってもすぐは決められないだろうから一時間だけ待つよ。依頼したくなったら連絡して』

来ないかもしれないなと思っていた。だけど石川さんからは連絡が来たんだ。よろしくお願いしますと――

彼らへの報酬を支払う条件は、やってる現場の動画をメールで送ること。それを確認してから報酬を送ること。そして一番重要な事は、撮った動画は俺に送った後はすぐに削除して誰にも見せてはいけないという事だ。

3人ともすぐに了承の返事をよこしたが、それをうのみにするほど俺は易しくはない。とどめの脅しをするために、俺は夜になったらその公園に行き三人の写真を撮りに行かなければならないが。まあ、それだけの話しだ。

報酬に使う仮想通貨だって、目を開けた獅子からくすねさせてもらう。それも勿論当前のことだ。
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