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第四章

別荘のガサ入れ

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著名な陶芸家の別荘なので、どんなに凄い調度品が並んでいるのかと思っていたが想像していた程ではなかった。もちろん家具等は、どう見ても高級品に違いはなかったが。

「もっとすごい壺とか置いてるかと思ったんだけどな」
「……でも、そこに飾られている大皿、うん十万とすると思うよ」
「え?」
「前にカイリがこれに似た物持っていて、高いんだぞって自慢してた」

……ああ、なるほどね。

「この部屋にはなさそうだな」
「まあ、そうだろうね。こんな目に付く処よりは……。建輔さん、俺2階見て来るからここ頼むね」
「ああ、わかった」

1階にはリビングに台所、ふろ場にトイレ、その他にたいして広くない部屋が3部屋あった。
家族にも見られたくない代物を隠すのだから、きっと想像もつかない所に押し込んでいるに違いない。

ひろ美は一応主婦なんだよな。そう考えたら、キッチンの戸棚とかもありか……?

台所に入り、上の戸棚を全部開けて確認し、下の戸棚も確認した。だが、そうたいして物は入っていなくて漁るまでもなかった。
一応隙間に押し込められていないかとも思い、冷蔵庫の後ろや棚の隙間とかも覗いてみた。

「無さそうだな……」

リビングをもう一度隅々まで確認した後、畳の部屋とフローリングの部屋にも入り、開けられる所はすべて開けて探した。

「無いな……」

あるとは思えないが、風呂場とトイレにも入り確認した。

2階はどうなんだろう?

「一弥ー」
「はあーい」

名前を呼びながら階段を上がり、一弥の声が聞こえて来た部屋に入った。

「見付かりそうか?」
「んー、難しいなあ」
「まだ探してない部屋は?」
「ここが最後だよ」
「そうか。じゃあおれも手伝う」

二人で本当に、それこそ隅から隅まで探したが天女像は一向に見付からなかった。

「ここには無いのかな?」
「どうなんだろう。そうは言っても別荘はここだけだし、他には考えられないんだよなー。そうじゃなければ、自宅の庭に埋めてるとか?」

「死体じゃないんだから……」
「彼女にとっては、同じようなもんだろ」
「お前な……」

一弥はスッと立ち上がって、歩き出そうとし動きを止めた。

「ねえ、建輔さん。も一回だけ探そう。今度は建輔さんが上で、俺が下探す。もしかしたらお互い、見落としてるところがあるかもしれないし」

「おう、分かった」

俺が頷くと、一弥はすごい勢いで階段を駆け降りて行った。

……気合い入ってんなあ。
まあ、気持ちが分からないわけでもないけど。

脳裏に浮かぶ、蹲ったまま動けなくなっていた峯野さんの姿。そして、諦めたいのに諦めたくない佐孝さんの悲しい思い。

「さてと、隅から隅まで探しますかね」
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