俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ

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キスの返礼

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「…………」

……重ね合わせたは良いけれど、俺はすぐに我に返った。


う……、あわわわわっ!!

慌てて、バッと陽翔を離す。
離して見た陽翔の顔も、よほど驚いたんだろう。呆然としている。


あうううう……。我に帰ったら急激に恥ずかしくなってきた。
だって……、だって今の。もの凄くイタいキスだった……。
余程勢いが余っていたんだろう。まるで激突するような色気も素っ気も無い初心者丸出しのイタいキス。


顔から湯気が出るくらいの勢いで熱くなった俺の顔を、呆然と見ていた陽翔の顔が段々と苦笑いに変わって行く。


「……下手くそ」

言葉は罵っているくせに、その表情はそれに反して凄くうれしそうだ。
その表情にホッとして、俺の体から力が抜けていった。

「はる……」
「キスはこうやってするもんだ」


え?


いきなり陽翔の手が伸びてきて、俺の顎を捕らえる。
そして陽翔の顔が近づいて、俺の唇にしっとりと柔らかく唇を重ね合わせた。


は、は、は、陽翔っ!!
こここ、ここ教室!!

自分の事は棚に上げてと言われるかもしれないけど、さっきの俺は陽翔を止めたくて必死だったんだよ!



だから、だから、ちょっと待てーーーーーー!



心の中でどんなに喚いても焦っても陽翔は止まらない。俺の後頭部に手を差し入れて上向かせ、何度か柔らかく唇を押し当てた後、また舌を潜り込ませてくる。

「……っ、ふぁっ……」

ちょっと舌を絡められただけで、震えたうわずった声が漏れた。

もう……、もう、恥ずかし過ぎる!
たまらなくて何とかしたくて、陽翔を離そうと陽翔の肩を押すけれど陽翔はびくともしない。
それどころか止める気は無いと言いたげで、さらに後頭部に回した手に力が籠った。


容赦のない陽翔の甘い攻撃。

愛おしくてたまらないといったように、何度も何度も俺の舌をなぞるように舐められて絡みつく。頬を撫で歯列をなぞられて、体から力が抜けて腕が震え出した。


俺に今できることは、力の入らない俺の体が崩れ落ちないようにと、震える手で陽翔の背中にしがみ付くことくらいだ。


周りの喧騒さえ聴き取れなくなった俺に感じ取れるのは、陽翔の熱と体温と息遣いだけ……



――何度も何度も絡められる舌に甘く口中クチナカを犯されて、俺の頭は真っ白になっていた。
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