26 / 30
キスの返礼
しおりを挟む
「…………」
……重ね合わせたは良いけれど、俺はすぐに我に返った。
う……、あわわわわっ!!
慌てて、バッと陽翔を離す。
離して見た陽翔の顔も、よほど驚いたんだろう。呆然としている。
あうううう……。我に帰ったら急激に恥ずかしくなってきた。
だって……、だって今の。もの凄くイタいキスだった……。
余程勢いが余っていたんだろう。まるで激突するような色気も素っ気も無い初心者丸出しのイタいキス。
顔から湯気が出るくらいの勢いで熱くなった俺の顔を、呆然と見ていた陽翔の顔が段々と苦笑いに変わって行く。
「……下手くそ」
言葉は罵っているくせに、その表情はそれに反して凄くうれしそうだ。
その表情にホッとして、俺の体から力が抜けていった。
「はる……」
「キスはこうやってするもんだ」
?
え?
いきなり陽翔の手が伸びてきて、俺の顎を捕らえる。
そして陽翔の顔が近づいて、俺の唇にしっとりと柔らかく唇を重ね合わせた。
は、は、は、陽翔っ!!
こここ、ここ教室!!
自分の事は棚に上げてと言われるかもしれないけど、さっきの俺は陽翔を止めたくて必死だったんだよ!
だから、だから、ちょっと待てーーーーーー!
心の中でどんなに喚いても焦っても陽翔は止まらない。俺の後頭部に手を差し入れて上向かせ、何度か柔らかく唇を押し当てた後、また舌を潜り込ませてくる。
「……っ、ふぁっ……」
ちょっと舌を絡められただけで、震えたうわずった声が漏れた。
もう……、もう、恥ずかし過ぎる!
たまらなくて何とかしたくて、陽翔を離そうと陽翔の肩を押すけれど陽翔はびくともしない。
それどころか止める気は無いと言いたげで、さらに後頭部に回した手に力が籠った。
容赦のない陽翔の甘い攻撃。
愛おしくてたまらないといったように、何度も何度も俺の舌をなぞるように舐められて絡みつく。頬を撫で歯列をなぞられて、体から力が抜けて腕が震え出した。
俺に今できることは、力の入らない俺の体が崩れ落ちないようにと、震える手で陽翔の背中にしがみ付くことくらいだ。
周りの喧騒さえ聴き取れなくなった俺に感じ取れるのは、陽翔の熱と体温と息遣いだけ……
――何度も何度も絡められる舌に甘く口中を犯されて、俺の頭は真っ白になっていた。
……重ね合わせたは良いけれど、俺はすぐに我に返った。
う……、あわわわわっ!!
慌てて、バッと陽翔を離す。
離して見た陽翔の顔も、よほど驚いたんだろう。呆然としている。
あうううう……。我に帰ったら急激に恥ずかしくなってきた。
だって……、だって今の。もの凄くイタいキスだった……。
余程勢いが余っていたんだろう。まるで激突するような色気も素っ気も無い初心者丸出しのイタいキス。
顔から湯気が出るくらいの勢いで熱くなった俺の顔を、呆然と見ていた陽翔の顔が段々と苦笑いに変わって行く。
「……下手くそ」
言葉は罵っているくせに、その表情はそれに反して凄くうれしそうだ。
その表情にホッとして、俺の体から力が抜けていった。
「はる……」
「キスはこうやってするもんだ」
?
え?
いきなり陽翔の手が伸びてきて、俺の顎を捕らえる。
そして陽翔の顔が近づいて、俺の唇にしっとりと柔らかく唇を重ね合わせた。
は、は、は、陽翔っ!!
こここ、ここ教室!!
自分の事は棚に上げてと言われるかもしれないけど、さっきの俺は陽翔を止めたくて必死だったんだよ!
だから、だから、ちょっと待てーーーーーー!
心の中でどんなに喚いても焦っても陽翔は止まらない。俺の後頭部に手を差し入れて上向かせ、何度か柔らかく唇を押し当てた後、また舌を潜り込ませてくる。
「……っ、ふぁっ……」
ちょっと舌を絡められただけで、震えたうわずった声が漏れた。
もう……、もう、恥ずかし過ぎる!
たまらなくて何とかしたくて、陽翔を離そうと陽翔の肩を押すけれど陽翔はびくともしない。
それどころか止める気は無いと言いたげで、さらに後頭部に回した手に力が籠った。
容赦のない陽翔の甘い攻撃。
愛おしくてたまらないといったように、何度も何度も俺の舌をなぞるように舐められて絡みつく。頬を撫で歯列をなぞられて、体から力が抜けて腕が震え出した。
俺に今できることは、力の入らない俺の体が崩れ落ちないようにと、震える手で陽翔の背中にしがみ付くことくらいだ。
周りの喧騒さえ聴き取れなくなった俺に感じ取れるのは、陽翔の熱と体温と息遣いだけ……
――何度も何度も絡められる舌に甘く口中を犯されて、俺の頭は真っ白になっていた。
128
お気に入りに追加
1,246
あなたにおすすめの小説

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果
はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

からかわれていると思ってたら本気だった?!
雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生
《あらすじ》
ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。
ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。
葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。
弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。
葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる