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7巻
7-1
しおりを挟む1 元凶の浄化
異世界に飛ばされてきた普通のおっさん、タクマ。日本にいた頃に付き合っていた恋人・夕夏と異世界で再会を果たした彼は、彼女と新たな生活を送る事を考えていた。
その一方で、彼には解決しておかねばならない大きな問題があった。
邪神の欠片である。
王都を瘴気で汚染していたそのアイテムは、タクマが消滅させたものの、まだ教会の総本山に存在しているという。
タクマは残りの邪神の欠片を消滅させるべく、彼の頼もしい守護獣たちと共にその地へ乗り込んでいくのだった。
◇ ◇ ◇
タクマは、狼の守護獣であるヴァイスと鷹の守護獣のアフダルを引き連れ、教会の総本山に向かっていた。
総本山に近づくにつれて、見かける集落の規模が徐々に大きくなってくる。だが、生存者はすでに救出した四人以外に見つかる事はなかった。
そして総本山へ向かう道中で、最後の集落に着く。
タクマが今まで通りに結界を張って浄化して気配察知すると、多くの生存者がいるのが分かった。タクマは大きな声で生存者に語りかける。
「俺は冒険者だ! 正気なら返事をしてくれ!」
呼びかけに応じて、隠れていた人々が地下から出てくる。その人数は二十人を超えた。
「あ、あんた、どうやってここに? それに家がなくなってる」
住人たちは、タクマが瘴気が漂う中どうやって来たのか分からなかった。訝しげな表情をする彼らにタクマは言う。
「瘴気を浄化しながら来た。家がなくなってしまったのは、家自体が瘴気に深く侵されていたから、浄化した時に一緒に消えてしまったんだ。俺はあんたたちに害を与えるつもりはない」
続けてタクマは、不安そうな住人たちにこれから救助する旨を伝え、クリアとヒールの魔法を施した。移動する際に、その方法を知られないようにするため眠ってもらうという条件は呑んでもらえた。
タクマが人々に魔法を掛けて眠らせようとした時、突然、ヴァイスが声を上げる。
「アウン!(父ちゃん! 瘴気が!)」
タクマがヴァイスの示す方を見ると、瘴気が迫ってきていた。
タクマは落ち着いたまま、魔法の範囲を全員が入るように指定すると、結界の魔法を三重に張った。
すぐさま瘴気は結界にまとわりつき、生きている者を探すように蠢く。
タクマはこのままでは危険だと判断し、即座に全員を魔法で眠らせた。そして結界をその場に残し、鉱山都市トーラン領主、コラル・イスルの邸宅へ人々ごと跳んだ。
タクマたちが急に現れたにもかかわらず、コラルの使用人たちは即座に事情を察してくれた。彼らは人々を屋敷へ運び込んでくれる。
駆けつけてきたコラルに、タクマは伝える。
「総本山近くで、逃げだす事もできずに孤立していた人たちを連れてきました。集落の浄化は済ませたのですが、総本山に近すぎるため瘴気に襲われました。なので、強制的に眠ってもらって跳んできたんです」
「総本山はそこまで汚されていたのか……」
コラルは顔を真っ青にしていた。
「ええ。これから戻って総本山自体の浄化をしてみますが、上手くいくかは分かりませんね。ですが、切り札はあります。とにかくやってみますよ」
そう言ってタクマが天叢雲剣に触れると、コラルは心配そうに言う。
「そうか。だが、無理はするなよ。君には家族がいるのだからな。最悪、逃げたとしても誰も責めん」
「そう言っていただき、ありがとうございます。もし手に負えないようだったら逃げてしまうかもしれませんが、できるだけの事はやってきます」
「分かった。避難してきた者たちは任せてくれ」
コラルと短い会話を交わしたタクマは、ヴァイスたちが待つ結界へ戻った。
結界の外はすでに真っ黒な瘴気に包まれていた。タクマが今まで見た事がないくらいに濃い瘴気である。
ヴァイスが心配そうに話しかけてくる。
「アウン?(父ちゃんどうするの? 結界は保ってるけど、瘴気をどうにかしないと総本山に行けないんじゃない?)」
「いや、俺たちが総本山に入るだけなら問題はない。結界を自分たちに掛ければ、なんとかなるからな。だけど、瘴気をどうにかしないといけないのは確かだ。この濃さだと前を見るのも大変そうだし」
タクマはそう答えつつ、ふと思いつく。彼はナビゲーションシステムのナビを呼び出した。
「ナビ。無理やりだが、ここから総本山全体を範囲指定して浄化しても大丈夫か?」
「そうですね。空に上がって瘴気の範囲よりも広く魔法を掛ければ問題ないと思います」
大胆な考えだったが、ナビによると大丈夫なようだ。
「……いけるか。天叢雲剣で結界の周囲を吹き飛ばしたら、空に上がって一帯を浄化してみよう。だが、瘴気の大本をどうにかしないと根本的な解決にはならない。だから、俺が浄化し終えたら瘴気の出所を探すのを頼めるか?」
タクマは浄化するだけで終わると思っていない。その大本を叩かなければ瘴気は復活し続けると考えていた。
さっそくタクマは自分とヴァイスたちを浄化し、結界を付与した。
続いて、天叢雲剣が耐えられるギリギリまで魔力を流す。剣に十分に魔力が行き渡ったのを確認すると、タクマは居合の姿勢で鞘から剣を振り抜き、光刃を水平に放つ。
光の刃が結界をすり抜け、瘴気を切り裂いていく。
辺りに瘴気がなくなったのを確認したタクマは、アフダルに指示して瘴気の届かない高度まで上がらせた。アフダルに上空の安全を確保させると、続いてタクマとヴァイスも空へ上がる。瘴気はタクマたちを追いかけてくる事はなかった。
タクマは上空から広がる瘴気を見ながら告げる。
「さあ、やってみるか。それにしても範囲が広いな。ナビ」
「はい。範囲指定のフォローをします」
タクマはナビの補助を受けつつ、結界の範囲を少しずつ広げていく。しばらくして、ナビがタクマに声を掛ける。
「まだです……そう、そのまま広げて……はい! そこで発動を!」
ナビの合図に合わせて、タクマは強力な結界を放った。
その結界は、これまでにタクマが発動したものの中で最大規模となった。巨大な結界により、見事に瘴気を抑え込む。
「成功です。瘴気はこれ以上広がる事はありません。マスターが結界内を浄化した後に、瘴気の出所を検索します」
「了解だ。じゃあ、これまでで最大の魔力を使って浄化するぞ」
タクマは意識を集中し、結界内が清廉な空気で満たされるように想像し、さらに動物や植物が生き生きと育つようなイメージをそこに加えてみた。
かなり複雑な事を想像したため、魔力が膨大に消費されていく。タクマの体からは金色のオーラが迸っていた。
結界の中心に金色に輝く球体が現れ、どんどん大きくなっていく。
タクマは手を前に出し、手のひらを上にして広げる。そして、金色の球体が大きくなるのを止めた瞬間――一気に手を握った。
すると球体は破裂し、光が結界全体に広がる。
それによって瘴気は消し去られ、汚された木々や建物は浄化されて消失していった。結界内すべてに光が行き渡るには、二十分ほど掛かった。
タクマが一息ついていると、アフダルが異変を察知して報告してくる。
「ピュイ!(あれを!)」
アフダルの示す方に目を向けると、総本山の中心から瘴気が噴き出しているのが分かった。どうやらあれが瘴気の出所らしい。
タクマはすぐに瘴気を範囲指定して結界を張って抑え込む。そうして結界が作用している事を確認すると、紙を二枚取り出して文字を書き、それに紐を括り付けた。
タクマは守護獣たちに声を掛ける。
「アフダル、ナビ、ヴァイス。俺は瘴気が噴き出している所へ行く。その間にこれを首に掛けて、生存者を探しておいてくれ」
タクマはそう言って、アフダルとヴァイスの首に紙で作った札を掛けた。
そこにはこう書いてある。
この動物たちは従魔です。後についていって避難をお願いします。
ナビには、ヴァイスの背に乗ってフォローするように頼んだ。ヴァイスとアフダルがすぐに仕事に移ってくれる。
それからタクマは結界の外にもう一枚結界を張った。中を見えないようにするため、不可視の魔法を付与したのだ。
「さて、何が出るか……」
そうして重ねられた結界の中に入っていったタクマは、まっすぐ瘴気の大本へ近づいていく。
噴き出す瘴気の中心部にいたのは、人間……であった物だった。
辛うじて人間の形は留めているものの、もはや別の何かだ。豪華な聖職者の服を着ているので、おそらく教皇だろう。
タクマは駄目元で声を掛けてみる。
「聞こえるか?」
「グルルル……」
だが、もう人としての自我は失われてしまっているようだった。男はタクマを見て、涎を垂らしながら唸っている。鑑定しても名前すら出なかった。
彼はアイテムを装着している。それは邪神の欠片だった。
以前会った欠片の装着者は意識を邪神に乗っ取られていたが、今回はそうではない。男は、単なる瘴気を生み出す道具と化していた。
タクマは話すのを諦め、天叢雲剣を構える。
「こうなっては会話すらできんな。せめて一瞬で浄化してやるとするか……天叢雲剣。すぐに終わらせてやろう」
天叢雲剣がタクマの言葉に応える。
『分かった。魔力の流し方は前と一緒で構わないが、イメージを変えてくれ。もっと小さく研ぎ澄ますんだ』
タクマは、天叢雲剣に言われた通りにイメージを構築する。
(前に邪神の欠片を浄化した時みたいに炎で燃やす感じでいくか。刀身に炎をまとわせ、触れた瘴気が一瞬で浄化されるイメージ……)
タクマは鯉口を切り、刀身に魔力を流す。すると、鞘と柄の間から真っ白い炎が噴き出した。
「シィ!!」
気合の声と共に、タクマは結界ごと男を斬る。
男は浄化の炎に包まれたかと思うと、自我を取り戻したように言葉を発した。
「ああ……女神よ。闇に堕ちた私を赦したまえ」
男は視線を彷徨わせてタクマを見つけると、彼を見据えて続ける。
「君が浄化をしてくれたのだな……感謝する。最期に人間として死ぬ事ができる……」
男は、白い炎の中で晴れ晴れとした表情をしていた。しばらくすると男はゆっくりと塵と化していった。それと同時に、彼が身に着けていた邪神の欠片も消え去っていく。
タクマは周囲を見渡し、これ以上瘴気が生まれない事を確認した。
「さて、ヴァイスたちはどんな感じかな? 怪我するような事はないと思うんだけど……」
タクマがヴァイスたちの気配を探ってみると、彼らがかなりの人数を救出した事が分かった。すでにヴァイスたちは、タクマが今いる総本山の中心部から離れるように移動をしていた。
タクマはすぐに彼らのもとに跳んでいく。
「アウン!(あっ! 父ちゃん!)」
ヴァイスはタクマに走り寄り、アフダルはタクマの肩に舞い降りる。
「ヴァイスとアフダルも大丈夫みたいだな。保護した人々は素直について来ているみたいだし」
タクマがヴァイスとアフダルから紙の札を外して撫でると、一人の老人がタクマに近づいてきた。
「あなたは、この聖獣様たちの主なのじゃろうか?」
「ええ、こいつらに生きている人間を保護して避難させるようにと指示をしたのは俺ですが……あなたは?」
「儂は教会の元教皇、ニコ・ナーデルじゃ。儂らを助けてくれて感謝する。それで、君の仲間はどこにいるのじゃ?」
ニコと名乗ったこの老人は、なんと元教皇だった。ニコは、タクマが一人で総本山の瘴気を除去したとは思っておらず、周囲を見回していた。
「仲間ならヴァイスたちがいるでしょう? 俺は基本的にヴァイスたち以外とは行動しないので。あ、そういえば名乗っていませんでしたね。俺はタクマ・サトウ。Sランクの冒険者です」
タクマが冒険者カードを提示すると、ニコは目をカッと見開いた。
「おお、Sランクの冒険者はここまでの力を持つのか……たった一人でこの地を浄化しえただけでなく、聖獣をも使役するとは」
タクマは、気になった事を聞いてみる。
「ところで、なぜヴァイスたちが聖獣であると知っているのですか?」
今まで初見でヴァイスたちが聖獣だと気付いた者はいなかった。ニコはタクマの警戒を解くように笑みを浮かべて答える。
「大丈夫じゃよ。言いふらす気はない。彼らが聖獣だと分かったのは、儂が『鑑定(大)』のスキルを持っているからじゃ。儂の鑑定で見られないのは神に連なりし者だけじゃからな」
続けてニコは、自分が教皇になれたのはそのスキルがあったからこそだと説明を加える。タクマは納得しつつ、ニコに釘を刺しておく。
「なるほど。とりあえず、ヴァイスたちの事は内密にしておいてください。バレると面倒そうなので」
「あい分かった。ところで、儂らをどうやって救助するつもりなのじゃ? 乗り物もないようじゃし。自力でここから人里まで移動するのは、人数も多いし厳しかろう?」
「まあ、その辺は後で話します。とりあえず皆さんを休ませましょう」
人々は今まで重圧の中で生き抜いてきた事で、かなり消耗しているように見えた。タクマはひとまず、休息の準備を整えてあげる事にしたのだった。
「じゃあ、これとこれ、それとそっちに出してある物も、みんなで分けて食べてくれ」
彼はアイテムボックスから次々と食べ物を出していった。
今まで多めに買っておいた物が役立つ時が来た。サンドイッチ、串焼き、屋台料理などを出していく。この前作ったスープも出してあげた。
そんな中、タクマをジッと見ている者がいた。ニコである。彼はタクマから視線を外す事なくずっと注視している。
(マスター。ニコがマスターを鑑定しているようです)
ナビが報告してくれたが、タクマも気付いていた。タクマは食べ物を出し終えると、ニコの眼前に跳ぶ。
「ニコさん。勝手に鑑定するのはいけませんね」
ニコは気付かれないと思っていたらしくひどく驚いていたが、タクマは毅然として続ける。
「俺も鑑定のスキルを持っているので、やられたら気付きますよ。まあ、あなたの鑑定の能力では、俺のスキルは見られないでしょうけど」
「す、すまんの。だが……あなたは、神の代行者なのじゃろうか?」
ニコは自分の鑑定能力に絶対の自信を持っていたが、タクマのスキルはおろか、名前、種族、年齢すら見られなかった。ニコの鑑定で見られないのは、神に連なりし者のみ。それゆえ彼は、タクマの事を神の代行者だと考えたのだ。
タクマはため息をつきながら告げる。
「良いですか? 私は神の関係者ではありません。たまたま総本山に用があった冒険者です。言っている意味は分かりますね」
タクマは本意ではないが、ニコを少しだけ威圧する事にした。はっきりと言葉にこそしなかったが、自由な身でいたいから放っておいてほしいとアピールしたのだ。
「わ、分かったのじゃ……もう詮索しない」
タクマの威圧は凄まじいものだったが、それでもニコにはその底が見えなかった。
タクマはニコが約束をしてくれたところで、威圧するのをやめた。その途端、ニコの体中から汗が噴き出す。
タクマは気を取り直すように、優しい表情に戻って告げる。
「分かってくれて何よりです。では、食事にしましょう。みんな待っていますから」
食べ物はすでに配り終えられ、すぐにでも食べられる状態になっていた。
タクマはニコにも座るように促して、全員にクリアと回復魔法を掛ける。人々は自分たちの体がきれいになり体力が戻るのを感じた。
ニコは、待っていた人たちに声を掛ける。
「皆、待たせてすまんの。食事を提供してくれたタクマさんに感謝するのじゃ。そして、我らを瘴気から守ってくださったヴェルド神様に祈りを捧げるのじゃぞ」
彼ら皆、ヴェルドの敬虔な信者である。人々は胸の前で手を合わせ、真剣に祈りを捧げた。
「それでは、いただこうかの」
「「「「「いただきます」」」」」
かなり空腹だったらしく、彼らは出された食事を夢中で食べた。タクマはそんな様子を見ながら、ニコの隣に座って話しかける。
「食べながら聞いてください。ニコさんたちはこの地を離れるという事で良いのでしょうか? でしたら、俺が懇意にしているトーランの領主様に受け入れを要請してみますが」
タクマがこう尋ねたのは、ニコたちの意思を確認したかったためだ。
ニコたちには一時的に静養するとしても、この土地を復興していくという選択肢もある。その一方で、タクマが提案したように、トーランに移住する事もできるのだ。
ニコは考え込み、ゆっくりと口を開く。
「……んぐ。そうじゃのう。儂らはいずれ総本山の復興をせねばならん。だが、ここは一度汚された土地。この地で教会を再興するのはあまり良くないじゃろう」
「へぇ、なぜですか? 確かに瘴気で汚されたのは事実ですが、しっかりと浄化しました。瘴気の大本も排除しましたし」
しかしニコによると、一度でも汚されてしまった土地は、浄化されたとしても神の声が聞きづらくなってしまうという。
「なので、タクマさんのお誘いを受けて移住しようと思うのじゃ。トーランであれば霊山が近くにある。教会の本拠地として復興もやりやすいじゃろうて」
ニコは、そこまで考えていたようだ。
だがそこで、タクマは心配になった。本部がトーランにできてしまうとなると、トーランの教会と孤児院に何らかの影響が出てしまう気がしたのだ。
その懸念を伝えると、ニコは理解してくれたようだった。
「ふむ……トーランの教会はタクマさんが関わっていると……分かったのじゃ。トーランの教会には迷惑を掛けないようにしよう」
ニコはあっさりとタクマの希望を呑んでくれ、さらに続ける。
「なあに、タクマさんの庇護があれば、トーランの教会は安全じゃろうて」
「ありがとうございます。トーランの教会は俺にとって色々と思い入れがあって、あのままであってほしかったんです。その代わりといってはなんですが、パミル王と早く話せるように紹介させていただきますね」
タクマはそう言ってニコに笑いかけた。
その後、食事を終えたニコたちに、タクマは彼らの移送の仕方について話した。すでに簡単には話してあったのだが、改めてしっかり説明していく。
「ふむ。要はその方法を知ってしまうと、儂らの身にも危険が及ぶという事かの?」
「そうです。他国に知られれば、どんな手を使ってでも手に入れたいと思うような方法とも言えるんです。あなたたちに危険が及ぶのを避けるためですが、それと同時にあなたたちが知った事で、私の家族にまで危険が広がってしまうのを避けるというのもあります」
人々は移動時に眠らされる事を了承してくれ、さらにニコたちの方から、秘密を厳守するために契約を交わしたいと言ってきた。
「秘密にするのならそこまでした方が良いじゃろ? 人は弱い。何かのきっかけで話してしまう事はあるじゃろう。だからこそ、契約で縛って緊張感を持たせねばな」
ニコはそう言って、全員に契約を交わす事を約束させた。
「皆、問題なく契約を交わすとの事じゃ。これで、秘密を守ろうと心に刻むじゃろう」
「ありがとうございます。それなら安心して移送ができます」
タクマは元々、移送を終わらせてから契約の話を持ちかけるつもりだった。ニコが説得をしてくれた事で手間が省けた。
タクマは皆に告げる。
「では、夜にならないうちに移動しましょう。全員一か所に集まってください」
タクマは人々を集めると、すぐに睡眠の魔法を行使した。そして、全員を範囲指定し、あっという間にトーランへ跳んだ。
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本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
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