88 / 94
*
しおりを挟む
「んッ……しの、もと……」
「は……なに?」
「もっと、かんで……首……ッ……」
「っ……ど淫乱だな」
「んやっ、あぁ……っ」
気持ちいい。志野のキス、甘噛み、体温が心地いい。
頭上で両手を押さえられて興奮するおれは変態だ。でも、志野だからぜんぶ嬉しい。
「しのぉ……痛くして、いいよ……はっ……叩いても、いい、だからもっと……おれをグシャグシャにして、っ」
「……わかった」
いっそ壊されたい。
おれの願望は、ますます黒いものになっていく。殴られて蹴られて首を絞められても、それが志野だったらおれは、きっと受け入れられる。
なのに。
志野はおれの肌けた胸を舐めはじめ、空いた片手で先端をいじりだした。
痛くない。かゆくなるほど優しい。
「は……ん、んんっ、しの、もっと強く……かんで、よ」
おれが強請っても志野の指や舌は優しくおれを攻める。
乱暴にしてほしいのに、なんで……
「あっん……しの……しのぉ、なんで、あ、いじめてくれな……っ」
気持ちいいのじゃ足りない。
もっとグシャグシャに壊してよ。
こういうときだけどうして、おれの言うことを聞いてくれないんだよ。
「はぁぁ……は、やだ、んあぁっ……きもちいの、やだぁ……」
「…………肇、お前が言ったんだぞ。俺にいじめてほしいって。前にも言った。俺はお前の望みどおりにしてやってるだけだ」
「っ……」
「肇がどれだけ苦しめてほしいって泣いて頼んでも、俺は絶対にやってやらねえ……」
「し、の……うぅぅっ……」
視界に映る志野の表情は見えなくなっていた。
歪んで歪んで、顔なのかもわからないほどグシャグシャで。大切にされている。
苦しいほど、目をそらしたくなるほど、志野に大切にされている。
「好きぃ……志野が好きっ……好きすぎて、こわいっ」
「……はは、それは幸せになれる前兆だよ」
「んんっ、おちんち、だめぇ……っ」
下着のなかで志野ににぎられた陰茎が硬く大きくなっていく。
じわりとあふれだした汁が潤滑剤のように濡らしたおかげで、より敏感に刺激を感じてしまう。
「あ、あんっ……や、もうっ……こすら、な、んぅっ」
「……はっ……やべえ、手加減できる気がしなくなってきた……」
「ンン、しのっ、はぁッ……い、も……我慢できなっ……あぁんっ」
亀頭をグリグリと指で転がされると、目の前が真っ白になりそうなほど強い快感におそわれる。
力を入れた下腹部を志野に押さえつけられ、耐えてきた透明な液体を一気に吐きだした。
「__ッ!! はぁーっ……はっ、ぐ、るしい……しの、」
「肇……このまま挿れるぞ……」
「ふ、ぇ……? ……まっ、ンっ、ゴムもってな……」
「ある」
「な、んで……っ」
「お前……っ、俺がいままでどんだけ耐えてんのか知らないとは言わせないぞ……散々煽るようなことしやがって」
「うぇっ、ぁ……」
露出された志野の性器はすでに硬く勃ち上がり血管が浮いていた。
ゾクゾクと背筋に期待が走り、恥ずかしさに両腕で顔を隠す。
「や、だ……っ」
「お前さ、俺と付き合う前までめちゃくちゃ淫乱なふりして誘ってきたよな……あれ、結局なんだったの」
「やめて……」
「チャラい兄ちゃんの真似すんのも飽きたか? 似合わねえ口調で俺を煽ろうと必死だったよな……結構かわいかったのに」
「もぅぅ……いじわる、言わないでよ……っ」
「照れすぎだっつの……顔見せろよ」
「やだぁ……」
「肇」
「ん、っ、その声きらい……なんで、しののくせに優しい声だすんだよぉ……っ」
「ははっ……ツンデレかよ。クソかわいいんだわ、そういうのが」
「や、ま、ぁあっ……!」
油断した隙に後孔へ志野の指が挿れられた。
すでにとろけているそこは異物を歓迎し、簡単に奥まで入ってくる。
「あ、ぁっ、はぁ……しの、んっ、ヘン……」
「……なぁ肇、お前ここはもう大丈夫なのか」
「んやぁっ、ど、こっ」
「ここだよ。あの男にされたとこ、炎症起こしてただろ」
「っ」
そう、だった。
志野はおれの体をずっと気づかってくれていた。
町田に誘拐された日から、セックスの回数も減っていて。
「はッ、は……気にして……くれてた、んだ……」
「は? 当たり前だろ。お前が痛がってることを無理やりやる趣味ねえわ」
「……しのは、ン……神さまみたい、だ」
「いや、大げさだ。どっちかっつーとお前の出会い運が最悪すぎるんだよ。……痛かったら絶対言え」
「……うん、っ」
張りつめた志野のものがおれの中に挿入された瞬間、おれは意識を飛ばしていた。
「は……なに?」
「もっと、かんで……首……ッ……」
「っ……ど淫乱だな」
「んやっ、あぁ……っ」
気持ちいい。志野のキス、甘噛み、体温が心地いい。
頭上で両手を押さえられて興奮するおれは変態だ。でも、志野だからぜんぶ嬉しい。
「しのぉ……痛くして、いいよ……はっ……叩いても、いい、だからもっと……おれをグシャグシャにして、っ」
「……わかった」
いっそ壊されたい。
おれの願望は、ますます黒いものになっていく。殴られて蹴られて首を絞められても、それが志野だったらおれは、きっと受け入れられる。
なのに。
志野はおれの肌けた胸を舐めはじめ、空いた片手で先端をいじりだした。
痛くない。かゆくなるほど優しい。
「は……ん、んんっ、しの、もっと強く……かんで、よ」
おれが強請っても志野の指や舌は優しくおれを攻める。
乱暴にしてほしいのに、なんで……
「あっん……しの……しのぉ、なんで、あ、いじめてくれな……っ」
気持ちいいのじゃ足りない。
もっとグシャグシャに壊してよ。
こういうときだけどうして、おれの言うことを聞いてくれないんだよ。
「はぁぁ……は、やだ、んあぁっ……きもちいの、やだぁ……」
「…………肇、お前が言ったんだぞ。俺にいじめてほしいって。前にも言った。俺はお前の望みどおりにしてやってるだけだ」
「っ……」
「肇がどれだけ苦しめてほしいって泣いて頼んでも、俺は絶対にやってやらねえ……」
「し、の……うぅぅっ……」
視界に映る志野の表情は見えなくなっていた。
歪んで歪んで、顔なのかもわからないほどグシャグシャで。大切にされている。
苦しいほど、目をそらしたくなるほど、志野に大切にされている。
「好きぃ……志野が好きっ……好きすぎて、こわいっ」
「……はは、それは幸せになれる前兆だよ」
「んんっ、おちんち、だめぇ……っ」
下着のなかで志野ににぎられた陰茎が硬く大きくなっていく。
じわりとあふれだした汁が潤滑剤のように濡らしたおかげで、より敏感に刺激を感じてしまう。
「あ、あんっ……や、もうっ……こすら、な、んぅっ」
「……はっ……やべえ、手加減できる気がしなくなってきた……」
「ンン、しのっ、はぁッ……い、も……我慢できなっ……あぁんっ」
亀頭をグリグリと指で転がされると、目の前が真っ白になりそうなほど強い快感におそわれる。
力を入れた下腹部を志野に押さえつけられ、耐えてきた透明な液体を一気に吐きだした。
「__ッ!! はぁーっ……はっ、ぐ、るしい……しの、」
「肇……このまま挿れるぞ……」
「ふ、ぇ……? ……まっ、ンっ、ゴムもってな……」
「ある」
「な、んで……っ」
「お前……っ、俺がいままでどんだけ耐えてんのか知らないとは言わせないぞ……散々煽るようなことしやがって」
「うぇっ、ぁ……」
露出された志野の性器はすでに硬く勃ち上がり血管が浮いていた。
ゾクゾクと背筋に期待が走り、恥ずかしさに両腕で顔を隠す。
「や、だ……っ」
「お前さ、俺と付き合う前までめちゃくちゃ淫乱なふりして誘ってきたよな……あれ、結局なんだったの」
「やめて……」
「チャラい兄ちゃんの真似すんのも飽きたか? 似合わねえ口調で俺を煽ろうと必死だったよな……結構かわいかったのに」
「もぅぅ……いじわる、言わないでよ……っ」
「照れすぎだっつの……顔見せろよ」
「やだぁ……」
「肇」
「ん、っ、その声きらい……なんで、しののくせに優しい声だすんだよぉ……っ」
「ははっ……ツンデレかよ。クソかわいいんだわ、そういうのが」
「や、ま、ぁあっ……!」
油断した隙に後孔へ志野の指が挿れられた。
すでにとろけているそこは異物を歓迎し、簡単に奥まで入ってくる。
「あ、ぁっ、はぁ……しの、んっ、ヘン……」
「……なぁ肇、お前ここはもう大丈夫なのか」
「んやぁっ、ど、こっ」
「ここだよ。あの男にされたとこ、炎症起こしてただろ」
「っ」
そう、だった。
志野はおれの体をずっと気づかってくれていた。
町田に誘拐された日から、セックスの回数も減っていて。
「はッ、は……気にして……くれてた、んだ……」
「は? 当たり前だろ。お前が痛がってることを無理やりやる趣味ねえわ」
「……しのは、ン……神さまみたい、だ」
「いや、大げさだ。どっちかっつーとお前の出会い運が最悪すぎるんだよ。……痛かったら絶対言え」
「……うん、っ」
張りつめた志野のものがおれの中に挿入された瞬間、おれは意識を飛ばしていた。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件
水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて──
※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。
※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。
※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。
選択的ぼっちの俺たちは丁度いい距離を模索中!
きよひ
BL
ぼっち無愛想エリート×ぼっちファッションヤンキー
蓮は会話が苦手すぎて、不良のような格好で周りを牽制している高校生だ。
下校中におじいさんを助けたことをきっかけに、その孫でエリート高校生の大和と出会う。
蓮に負けず劣らず無表情で無愛想な大和とはもう関わることはないと思っていたが、一度認識してしまうと下校中に妙に目に入ってくるようになってしまう。
少しずつ接する内に、大和も蓮と同じく意図的に他人と距離をとっているんだと気づいていく。
ひょんなことから大和の服を着る羽目になったり、一緒にバイトすることになったり、大和の部屋で寝ることになったり。
一進一退を繰り返して、二人が少しずつ落ち着く距離を模索していく。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる