薄明かりの下で君は笑う

ひいらぎ

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「あぁっ、待ってしの……」

「待たない」


肇の脚を強引に開かせ、股間の突起物を下着越しになでる。
ビクッと大きく震える肇は涙をにじませていて俺の理性の糸を引きちぎろうとしてくる。


「んっ、はぁ……やだ、やさしの……やっ」

「は……肇、その声やめろ。我慢できなくなる」

「んん、んぅ」


肇は素直な男だ。
いや、素直すぎる。

俺が言ったことを真に受けて口を閉じると、腕を口許に当てて必死に声を我慢する。
それがよけいに男の欲を煽るとは知らないのか。
すでに滲んでいる下着に甘く噛みつけば、吐息をもらして腰を浮かせた。


「ふんんっ……んぅっ、ふー……!」


汗がこぼれる。
膨らんだ肇の性器がヒクヒクと震えているのがわかる。
食いたい、肇を。


「ン、ぐ……」

「手をどけろ。それじゃあ苦しいだろ」

「んんぅっ」

「肇」

「ぷはっ、はぁ……はっ、しの……」

「っ……えろい顔しやがって」

「あ、やぁっ」


綺麗なこの体を汚したい。
男たちに抱かれ慣れているせいか、我慢汁で濡れるのも早い。
腹が立つ。
いままでどんなふうに抱かれていたのか、考えるだけで吐き気がする。


「はッ、あんっ、なめちゃ……あぁ、っ」


卑猥な音を立てて肇の陰茎を吸いながら、陰嚢を揉んだ。
どろどろになったそれは艶やかに光り、乱暴に舐めて貪った。


「はぁん、っん、や、ぁあっ、も……イく、ッ__」


次の瞬間、腰をけいれんさせた肇の尿道口から精液が溢れだし、俺の口内を容赦なく汚した。


「はーっ……はぁぁ、しの、っ……」


口のなかを満たす苦い液を飲み込むと、肇の頬をそっとなでる。
泣いている。
いつも笑ってばかりの肇が、行為のときはよく涙を流すようになった。


「肇……好きだ」

「うぅぅ……ずるい、俺だって」

「お前は笑顔も泣き顔もかわいいよ」

「っ……しのの、ほし」

「なにが」

「志野のっ……」

「俺のなに」

「~っ、わかってよ……っ」

「イヤだ」


ふ、と笑って言えば肇は頬を真っ赤に染めて顔を隠した。
あれだけセックスセックスと恥ずかしげもなく連呼していたくせに、正式に付き合った瞬間これだ。

本当におもしろい。


「しのの……ちんちん、挿れて」

「ぶふっ」

「なんで笑うんだよぉ!」

「悪い悪い、お前らしいなと思って」

「もうやだ……志野きらい」

「へえ?  嫌いでもいいぞ、その代わりコレは……お預けな?」

「ッ」


硬くなった自身の性器を肇の股に押し当てる。
それだけで耐えられなくなったのか、肇は呼吸を荒くして俺をにらんだ。
威嚇しようとかわいいだけだ。
俺には微塵も攻撃にならない。


「お前はどうしたい?」

「……っ、は…………ほし……ちょう、だい、志野。好き、だから」

「…………わかった」


俺は幸せだ。
誰よりも。
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