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「戌井?」
「うん、狙ってる男が多いって話」
スポーツにしか目がない健ですら惹かれている彼女の魅力は相当だろう。
「あ~たしかにみかは美人だしなぁ。オレは付き合い長いからよ、恋愛対象じゃないっつーかお互い興味ねえや」
「へー、サガと戌井さんが付き合ってるって言ってるやついたけどやっぱ勘違いなんだな」
「ないない! つーかなに、サワも興味あんの? みかに」
「ぜーんぜん」
俺が興味あるのは隼人さんだけだ。
「ふーん、サワはまじでイケメンだからな~。お前とみかが付き合うんじゃないかって焦ってるやつはいたよ」
「ないって。戌井さんも世話焼きたいだけだろ」
周りはみんなノンケだ。
俺だけが、男相手に体以上の関係を期待している。隼人さんはそれを望んでいないのに、会うたびにほしくなってしまう。
隼人さんのことをもっと知りたい。
教えてほしい。
俺はどこまで近づいていい存在なんだろう。
「ここでいいか?」
「おう、さんきゅ」
サガの車を降りて、差し出されたこぶしに自分のを当てる。
「明日は大学だろ? がんばれよ」
「サガこそがんばれよ~、俺の教育係なんだからさ」
「おうよ! 朝イチでこい、他のやつらには教えてないコツを教えてやる」
「楽しみにしとく。んじゃ、おやすみ」
別れを告げて背を向けたときだった。
スマホが鳴りだし画面を確認してみれば、隼人さんの名前。
「はーい、要です」
『お前いまどこにいる……?』
「どこって家ですけど、なんか酔ってます?」
『店長に飲まされた……最悪だ』
「あらまー。それは災難ですね」
普段より声が枯れている。
それもいいなと思うと同時に、自分の感情を無にして隼人さんの愚痴を聞いた。
「というか、俺じゃなくて彼女に話せばいいじゃないですか。聞いてくれないんですか?」
『いまは女としゃべりたい気分じゃねえ』
「まーわかりますけど、そういうの」
『要はなにしてんの?』
「バイト終わって帰ってきたとこです。電話以外なにもしてないっすよ」
『なら自分でしろよ。いま』
「は?」
なにを、とは聞かなくてもわかる。
隼人さんが俺にする要求は、すべて性欲処理につながっているからだ。
「……電話しながらは、ちょっと恥ずかしいっていうか」
『俺がいまからそっちに行ってもいい』
「そ、それはいいです! わかりました、やりますから!」
とはいったものの、電話越しの自慰なんてしたことがない。
どうすれば隼人さんは満足してくれるのか。
「し、下着って脱ぐんですか……こういうの」
『自分で抜いたことねえの?』
「いや、ありますけど。なんか……はずい」
ズラしたパンツと下着から幹が顔をだす。潤滑剤であるローションに手を伸ばしてふたを開けるだけで、ひどく悪いことをしている錯覚に陥った。
「……ふ……」
指先が根元にふれて吐息をもらした。
隼人さんのセックスがうまいせいだ。
俺の敏感な体は少しふれたたけでも、鈴口から汁をあふれさせる。
「は……ん、っ……」
『……もっと下』
「っ、んん」
隼人さんの低音が脳を刺激する。
声だけでイきそうだ。
『要……後ろも触れよ。俺がいつもしてるみたいに』
「ぁ、は……うし、ろ……」
後孔に当てた指をゆっくりと上下させる。
あふれだしてくる我慢汁のおかげですべりがいい。
「はっ、はぁ……あ、ん」
『やらしいやつだな……いつもそんな声だして自分でいじってんの』
「ちがっ……ぁあ」
隼人さんの声がダメなんだ。
俺をおかしくさせる。
そんな声で囁かれたら、もっとほしいと求めてしまう。
陰茎をこする手が徐々にはやくなっていき、『イけよ』と命令された瞬間、俺は情けなくも達していた。
「うん、狙ってる男が多いって話」
スポーツにしか目がない健ですら惹かれている彼女の魅力は相当だろう。
「あ~たしかにみかは美人だしなぁ。オレは付き合い長いからよ、恋愛対象じゃないっつーかお互い興味ねえや」
「へー、サガと戌井さんが付き合ってるって言ってるやついたけどやっぱ勘違いなんだな」
「ないない! つーかなに、サワも興味あんの? みかに」
「ぜーんぜん」
俺が興味あるのは隼人さんだけだ。
「ふーん、サワはまじでイケメンだからな~。お前とみかが付き合うんじゃないかって焦ってるやつはいたよ」
「ないって。戌井さんも世話焼きたいだけだろ」
周りはみんなノンケだ。
俺だけが、男相手に体以上の関係を期待している。隼人さんはそれを望んでいないのに、会うたびにほしくなってしまう。
隼人さんのことをもっと知りたい。
教えてほしい。
俺はどこまで近づいていい存在なんだろう。
「ここでいいか?」
「おう、さんきゅ」
サガの車を降りて、差し出されたこぶしに自分のを当てる。
「明日は大学だろ? がんばれよ」
「サガこそがんばれよ~、俺の教育係なんだからさ」
「おうよ! 朝イチでこい、他のやつらには教えてないコツを教えてやる」
「楽しみにしとく。んじゃ、おやすみ」
別れを告げて背を向けたときだった。
スマホが鳴りだし画面を確認してみれば、隼人さんの名前。
「はーい、要です」
『お前いまどこにいる……?』
「どこって家ですけど、なんか酔ってます?」
『店長に飲まされた……最悪だ』
「あらまー。それは災難ですね」
普段より声が枯れている。
それもいいなと思うと同時に、自分の感情を無にして隼人さんの愚痴を聞いた。
「というか、俺じゃなくて彼女に話せばいいじゃないですか。聞いてくれないんですか?」
『いまは女としゃべりたい気分じゃねえ』
「まーわかりますけど、そういうの」
『要はなにしてんの?』
「バイト終わって帰ってきたとこです。電話以外なにもしてないっすよ」
『なら自分でしろよ。いま』
「は?」
なにを、とは聞かなくてもわかる。
隼人さんが俺にする要求は、すべて性欲処理につながっているからだ。
「……電話しながらは、ちょっと恥ずかしいっていうか」
『俺がいまからそっちに行ってもいい』
「そ、それはいいです! わかりました、やりますから!」
とはいったものの、電話越しの自慰なんてしたことがない。
どうすれば隼人さんは満足してくれるのか。
「し、下着って脱ぐんですか……こういうの」
『自分で抜いたことねえの?』
「いや、ありますけど。なんか……はずい」
ズラしたパンツと下着から幹が顔をだす。潤滑剤であるローションに手を伸ばしてふたを開けるだけで、ひどく悪いことをしている錯覚に陥った。
「……ふ……」
指先が根元にふれて吐息をもらした。
隼人さんのセックスがうまいせいだ。
俺の敏感な体は少しふれたたけでも、鈴口から汁をあふれさせる。
「は……ん、っ……」
『……もっと下』
「っ、んん」
隼人さんの低音が脳を刺激する。
声だけでイきそうだ。
『要……後ろも触れよ。俺がいつもしてるみたいに』
「ぁ、は……うし、ろ……」
後孔に当てた指をゆっくりと上下させる。
あふれだしてくる我慢汁のおかげですべりがいい。
「はっ、はぁ……あ、ん」
『やらしいやつだな……いつもそんな声だして自分でいじってんの』
「ちがっ……ぁあ」
隼人さんの声がダメなんだ。
俺をおかしくさせる。
そんな声で囁かれたら、もっとほしいと求めてしまう。
陰茎をこする手が徐々にはやくなっていき、『イけよ』と命令された瞬間、俺は情けなくも達していた。
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