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Season 3

6話 悩める人魚★

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 台に寝かされ、アキ様は私の隣へ横になった。私は裸の状態だが、アキ様は膝下まで丈のある白い衣服を羽織っている。隣から手が伸びてくる。さわさわとお腹周りを優しく撫でられた。

「クララさん、さっきはどうやって抱かれたんですか?ここに何回出されたんですか?クララさんは何回イッたんですか?」
「え、ええと……。答える必要あります?」
「当然です!貴方を満足させるのも駄犬の役割なのです!……それとももう満足してしまったんですか?……僕はもう入りませんか?」

 少しだけ寂しそうな表情のアキ様が、何だかちょっとだけ、ほんのちょっとだけ可愛く思えてしまった。

(ダメ、ダメッ!流されちゃダメッ!私にはレニー様がいるんだから)

 身体は許しても心までは渡さないと決めている。可愛こぶっても騙されない。レニー様の方が可愛いんだから!

 お腹から手を離し、今度は私の胸元に顔を沈めてきた。

「……クララさんの身体は僕のものでしょう?身体まで取られたら僕はどうすれば良いんですか?」
「……知りません!……あんっ、やっ」

 乳首を吸ってきたため会話が中断された。しばらくアキ様の好きにさせておく事にした。


「んっ、い、痛いですっ、……アキ様、もう止めて、……んっ」

 ちゅうちゅうと吸い続けられ、段々乳首が痛くなってきた。先程から乳首しか吸ってこないアキ様に抵抗をしてもしつこく吸い続けてくる。

 痛みに身体を強張らせていると、やっと乳首を解放してくれた。

「痛いのはイヤっていつも言ってるじゃないですか。乳首腫れちゃいました……」
「悪い犬にはお仕置きが必要ですね?」
「え?えーと、まぁ……」
「……クララさん、僕を捨てないでください、僕の事も見てくださいっ、うぅ」

 とうとう泣き出してしまった。今日のアキ様は不安定なようだ。

 今日はふたりを泣かせてばかりだ。レニー様は嬉し泣きだから良いとして、アキ様はなぜこんなに泣いているのだろう。

「アキ様、そんなに泣かないでください……」

 頬を伝う涙を指で拭ってあげるが、零れ落ちる量が多く指は涙で濡れたくってしまった。

「クララさん、貴女の手を卑しい液で汚してしまいました……。早くお仕置きしてください」
「卑しい液って……。涙じゃないですか」

 身体を起こしたアキ様は身に付けていた衣服に手をかけ、その肌を見せつけた。

「痛くしてください。クララさん、いっぱい傷跡付けてください……」

 露出した脇腹や乳首、棒には私が付けてきた傷跡がある。

 アキ様の涙で濡れた指で、今まで付けてきた傷跡をなぞるようにゆっくりと触れていった。

「アキ様、今までごめんなさい。こんなにあなたの事傷付けちゃいました」
「謝らないで、クララさん。僕がお願いした事なんですから」 

 くたりとしているアキ様の棒に触れた。今まで散々いじめ抜いてきた棒。噛み跡が酷い。ところどころいびつに腫れている。

「クララさん、噛んでください。カミカミしてください」
「……もう嫌です。私、こういうの嫌です。私にはレニー様がいるのに……っ。全部アキ様のせいです!」

 堰を切ったように今まで耐えてきた思いをぶつけてしまう。

「私、嫌なのに……、こんな身体になっちゃいました。最低の人魚です。最低だって分かってるのに、……なのに、なのにっ、まだ足りないんですっ、……もっと抱いて欲しいんです」

 __しばしの沈黙の後、穏やかなアキ様の声が耳に届いた。

「そうですね、全部僕のせいです。僕がそんな身体にさせたんですから……」

「アキ様、責任取ってください。いっぱい気持ち良くしてください」



 __きっと足だけでイかされて、まだ身体が物足りないのかもしれない。身体だけ満たしてくれればこのもどかしい気持ちは消えて無くなるはずだ。


「クララさん、今日はクララさんの愛液を僕が搾り取りますよ」

 涙が止んだアキ様のお顔はどこか晴れ晴れとした表情だった。






 膣の中を指で抜き差しされながら、その上の敏感な突起に舌を這わされる。すでにグチュグチュにされた膣からは愛液が滴り落ちている。愛液と唾液で濡らした舌で突起を優しく扱かれる。

「んんっ!」

 腰が跳ね上がりイッてしまう。アキ様の舌遣いが堪らなく気持ち良い。

「クララさん、ビッショリですね。でも、もっと出るでしょう?」
「アキ様……、もう挿れてくださいっ」
「ダメですよ。もっとトロトロになるまで挿れません。クララさんもさっき彼に我慢させてたでしょう?」
「……っ、聞いてたんですか?」


 無言でまた敏感に尖った芯を舐められてしまう。ビクビクとしなる腰を押さえ付けられ、快感を逃す事が出来ない。立て続けにイかされ意識を失いそうになると、刺激を止めて乳房を揉みしだかれる。乳首を少し強めに扱かれると嫌でも意識が覚醒してしまう。

「アキ様……、もうダメ……、気持ち良いのイヤ……」

 息も絶え絶えに訴えると、アキ様は屈んだ身体を起こし髪に唇を落としてきた。
 汗ばんで肌に張り付いた前髪をかき分けられ、今度は額へと柔らかな感触が落とされる。順に、頬、耳へとちゅっと音を響かせながら軽く触れられていく。

 アキ様と何度も身体を合わせてきたが、唇ではお胸から下しか触れられた事がない。顔に触れてくるのは初めてだ。

 人魚には唇で他者の顔や身体に触れる文化はないが、人間では当たり前の行為だとどこかで耳にした事がある。今までなぜ触れてこなかったのだろう。そして私の唇には触れてこないのはなぜだろう。

 呼吸が整ってきた頃、再び下腹部に快感が走った。また芯を舐め出したのだ。止まらない愛液をピチャピチャと啜るアキ様。本当に愛液を搾り取られてしまうのかもしれない。

「……あっ、気持ち良いですっ」

 甘く鳴きながら悶えていると、また意識が曖昧になってきた。

(気持ち良い……。イくの疲れちゃった……)

 イき疲れてウトウトしてきた。遠のく意識の中、腰を打ち付けられる感覚がした。ずっと欲しかった感覚だ。気持ちが良い。お腹の奥がジワッと温かくなる。



 息苦しさに目が覚めると、口の中に何かを咥えられていた。……棒が入っている。動きが激しくなり、ズチュズチュと激しく出し入れされると喉の奥にジュワッとしょっぱい味が広がった。反射的にゴクリと飲んでしまった。

 美味しい。喉の乾きが潤う。もっと飲みたい。

 棒が抜かれそうになったため、歯で甘噛して動きを止めた。ちゅぱちゅぱ先端に吸い付いていると、棒がブルッと震えて大量のお汁が出てきた。口の端からタラリと溢れてしまったため舌で舐め取ろうと唇を少し開くと、ちゅぽっと棒が抜かれた。

「んっ……」
「……はぁっ、はぁっ」
「……アキ様、美味しい。でも、寝てたのにヒドいです。……んんっ」

 口の端から垂れた汁を指で拭って私の口の中に入れるアキ様。舌で指をペロペロと舐め取っていると、ちょっと困った顔をしたアキ様が答える。

「クララさん、途中でウトウトしてましたけど、挿入してたら喉が渇いたから汁を飲みたい、棒を吸いたいってお強請りしてきたんじゃないですか。覚えてないんですか?」

 覚えていない。本当だろうか?都合の良い作り話をしているだけなのでは?
 疑いの眼差しを送っていると、私の口の中から指を引き抜き、苦笑いしたアキ様が残念そうな顔をした。

「もう、時間ですね。あと一回だけして終わりましょう」
「えっ、もうですか?私、まだアキ様のお汁全部搾り取ってないんじゃ……」
「今日はいいんです。クララさんの愛液をいっぱいいただきましたから」

 トクンと高鳴る気持ちを抑え付ける。おかしい。やっぱり今日は何だか変だ。もどかしくて苦しいのが治まらない。

 レニー様との行為もしたし、いつもより疲れているのだろう。そうに決まっている。だってそうじゃないと__。



 寝転がる私の顔の真上で、棒を扱くアキ様。お汁をたくさん出すために棒を限界まで大きくしたいから見ていて欲しいとお願いされた。 

 ひとりで懸命に棒を刺激している。片手で太く長い部分を上下に扱き、もう片方の手は掌で先端を包み込むように捻りを加えながら触れている。

 玉がきゅうっとせり上がってきた。射精の合図だ。アキ様の身体を引き寄せて手を棒から離させた。

「私の中にいっぱい出してください……っ」

 寝ている間に膣の中に注がれていたアキ様の白濁が、棒が突き刺さる度に掻き出されてしまう。掻き出された汁は私の愛液と共にお尻の方まで垂れてくる。

 深く何度も身体の奥を貫かれながら、アキ様の瞳を真っ直ぐに見つめ、私は絶頂を迎えた。

 膣の奥に射精し終えたアキ様にぎゅっと抱き着くと、髪に唇を落とされた。

「……なぜお口とお口は合わせないのですか?」
「あぁ、唇を付ける行為はキスというんですよ。唇と唇を合わせるのは特別な行為なんです」
「……私にはしてくれないんですか?」
「して欲しいんですか?」


 __意識がぼんやりとしてきた私の耳元へ顔を近付け、囁くアキ様。

「返事はまた3ヶ月後に」


 __小さい頃、こんなお話を聞いた事がある。大昔、人魚のお姫様が人間の男性に恋した逸話だ。

 彼女は何らかの代償と引き換えに人間となり、男性に近付く事が出来た。しかし、その恋が実る事はなく、最期は海の泡となり消えてしまったという。 


 私が恋した相手は人魚だ。私だけの人魚の王子様。でも、もし、人間に恋してしまったら私はどうなるのだろう?

 やはり泡のように消えてしまうのだろうか。







ギャグエロからの急なシリアスムーブですみません。
次話、最終回。


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