めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ

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雲ひとつない青空

5月5日

今日はエマの10歳の誕生日


「おはようございまーーーーす!!!」
珍しく朝から元気いっぱいのエマ
前世からだけど私は低血圧なのです。
ここは転生しても変わらなかった。

何故元気いっぱいなのかというと、今日は学校が終わったらシスターと一緒に冒険者登録しに行くからだ!

今年からAクラスになって初めはドキドキしてたけど
今では新しい友達もできてそれなりに楽しい。
学年の順位もトップをキープしている。

Bクラスの時よりもテスト前に緊張感のある雰囲気になったり、
順位が出る時期になるとみんな少しソワソワしてるけど
思ったよりも楽しく過ごせている。
Bクラスだったからと言ってどうのこうのといったこともない。

タオとデイジー、オリバーくんは相変わらずBクラスだけど、3人と今も交流はある。

タオと2人で週の半分の勉強会をしていたのはなくなったけど
週1で勉強会兼、報告会をしている。
今まではタオに勉強を教えてもらっていたけど今は逆になってる。

デイジーとは孤児院でも話すし、休みの時は一緒に軽めの筋トレやストレッチをしている。

オリバー君は相変わらず私を師匠って呼んでくる。
今まで通り週の半分、放課後一緒にいる。
今までは魔法の練習のみだったけど、最近は剣の勉強もしている。
騎士団に入るなら多少剣も鍛えとかないといけないからね。

私が教えられることは少ないけど、折角仲良くなれたから、みんなには出来る事をしようと思う。

フレイヤさんの件もあり、以前よりも自分にできる事は精一杯やることができてる気がする。

またみんなと一緒のクラスになれたら良いな。

そして放課後。

「シスター!ただいま帰りましたー!!」

「「エマおかえりなさい」」

「早く行こっ♩早く行こっ♩」

「少し落ち着いて。そんなに急がなくても冒険者ギルドはなくならないから。」
私はシスターの周りを走りながら言う。

「分かってるけど、すっごく楽しみなんだもん!!!」

「エマ。冒険者になるなら冷静に行動できる事も問われます。
冒険者になりたいならまずは着替えてきなさい。制服のままでは連れていきませんよ。」

「あっ!」

楽しみすぎて忘れてた。
制服は正装だからね。
冒険者として活動する時は汚れても良い服にするよう言われてたんだ!

最近、前よりも行動が幼くなってるように思える。
幼いというか現在の年相応というか。

以前は日本の家族の事や、おばあちゃん的な思考も浮かんできていたけど
今では考えることが少ない。というかほとんどない。

転生者ってことも、今が第二の人生だってことも忘れないのに。

前世の記憶がだんだん薄くなっていく。

このまま前世の記憶は忘れてしまうのだろうか…

「エマ?どうかしましたか?」

「…なんでもないです!
ごめんなさい。すぐに着替えてきます!」

今を楽しむしかないよね。

【死んだ人より生きてる人を大切に】
みたいな事を前世で何回か聞いたことがある。
私もその意見には賛成だ。

今の私は【過去より今を大切に】だね。

悩んで解決することでもないし、今が充実してればいい。
悲しいけど仕方がない。
もし全て忘れてしまったとしても、その時はその時だ。
それに忘れてたらきっと何も思わないだろう。


とにかく今日は冒険者登録がメイン。
依頼はまだ受けない。
まだ指導者との顔合わせもしていないからね。次の休みに顔合わせをする。

私は孤児院の寄付服の中から
シンプルなTシャツと動きやすそうなストレッチの効いた長ズボンを選んだ。
鞄は最初にロイさんにもらった肩がけの小さな鞄にした。
しばらくはこの鞄で活動しようと思う。
無限収納になってるしね。

早く自分好みの戦闘服を揃えたい~

着替えてシスターのところに行く。
「シスター。着替えてきました。これでいいですか?」

「問題ないです。今日は登録をして説明を聞いて帰るだけなのでそのような軽装で大丈夫でしょう。
では行きましょうか。」

「はい!」

シスターと一緒に歩いて行く。

冒険者ギルドは孤児院からそこまで離れていない為、エマの足でも疲れることなくたどり着いた。

初めてのギルド内は・・・想像通りだ!!!

建物内の内壁や床は木造となっており、温かみを感じる造りだ。
外装も木がメインではあるが、ヨーロッパ風の街並みに合わせて
レンガなどが組み合わさっていてお洒落な感じだった。

この世界で2番目に大きな町だけあって、ギルドもかなりの人数が入れるようになっているみたいだ。
他の冒険者ギルドを見たことはないけど大きいと思う。

中に入ると、外から見たよりもたくさんの人が入れそうだから多分、空間魔法で誰か広げてる…?

てことは無属性持ちがいるって事だよね。用心しないと。
良い人だったら新しい魔法とか転移について聞いてみよう。
近いところなら転移ができるけど、まだ長距離の転移はできない。
レベルもDだ。

そんな事を思いながらシスターについて行く。どうやら1番右の受付に並ぶみたいだ。

時間帯や曜日にもよるかもしれないけど、ギルド内には酔っ払っている人や柄の悪そうな人達は居なかった。
ちょっと残念だけど、残念さはすぐに安心に変わる。

小説とかで酔っ払いに絡まれたり
ガラの悪い人に「ガキがなんの用だ~?先輩がここがどんな所か教えてやる~」ボキッボキッ
みたいなのも定番だったから何かしらあるかな?って思ってたけど何もなさそうだ。

定番が出来ない残念さもあるけど、絡まれたらめんどくさい。

こういう風に思うところをみると、まだ前世の記憶が生きてるなって感じる

私がシスターと来たことや見た目から、未成年なのは分かっていると思う。
何人かこちらを見ているし、何か話している人達もいたけど特に嫌な気持ちにはならなかった。
若い子が来たなってぐらいだと思う。

受付の列に並ぶ。
何人か後、遂に私達の順番が来た。







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