めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ

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「エマ!エマ!」
体を揺らされる。
「んー?メイどうしたの~」
「なんか外が騒がしくって」

確かに外がうるさい。
グレン団長かな?
ユイはメイの側で泣きそうになってる。

ガチャ

最初に会ったオオカミさんだ。
「みんな起きてたんだねぇ。さぁ、こっちに来て」
「どこに行くの?」
「いい所だよ。ご主人様の栄光を見に行こうか。」
闇の帝王ってやつか。

「それって行かなきゃダメ?」
「君達に断る権利はないよ?」凄圧

あーこれ断ったらめんどくさそう。
痛いことされたくないし、付いてくか。

「そぅですよねぇ。外騒がしくないですか?大丈夫ですか?」
話を変えてみる。
時間稼ぎだ。グレン団長が来てるなら、ちょっとは時間稼ぎが役立つだろう。

「ちょっと悪い人が忍び込んだみたいだね。でも大丈夫だよ。」
オオカミさんは笑って言う。

悪い人が言う悪い人は、私達にとっていい人ってこと。

〈探索〉

うん。やっぱりグレン団長だね。
「メイ、ユイ、私の側に来て」

〈結界〉

私は結界を張る。これで誰も近づけない。
「オオカミのお兄さんごめんなさい。私達はここに残ります」

「許されるとでも?」

「ええ。」

オオカミさんが私達に近付いてきて触ろうとするけど

バチンッ

私達には届かない。

メイとユイはオロオロしてるけど、私が2人を抱きしめて離れないようにする。
「2人共。大丈夫だから落ち着いて。私が守るよ。」

「おい。なにをした。」

「さぁ」

私は〈音遮断〉を使って外の音を遮断、それからこちらの声が外に聞こえないようにする。

「2人共、大丈夫だよ。今騎士団のみんなが助けに来てくれるから。私の側にいれば外から攻撃されても防げるから安心して。」

オオカミさんがこっちに向かってくるけど、私の結界は壊せない。

念のために〈鑑定〉をしてみる。
うん。大丈夫そう。
確かに身体強化の魔法は使えるみたいだし、雷出せるみたいだけどレベルがCだから、私の結界は通過しないと思う。

このまま待ってよう。

しばらくすると他の誘拐犯が2人来たみたい。オオカミさんが何か話してる。

すると誘拐犯の1人が誰かに倒された。
思わずメイとユイから見えないように被さる。
こんな人達のせいでトラウマになったら可哀想だ。

それからオオカミさん、もう1人の誘拐犯さんも倒された。
でもまだ結界は解かない。
もしかしたら違う悪い人達かもしれない。

騎士団の服を着ているけど・・・
私達に向かってなんか話してるけどなに話してんだ?
あっ。音遮断してたんだっけ!
結界以外解除。

すると外の声が聞こえる。

「大丈夫?もう安心していいよ。」
そう言って手を伸ばしてくるけど

バチンッ

私の結界で防ぐ。
「誰ですか」

「僕達は騎士団だよ」

「第何騎士団ですか。」

「第一騎士団だよ。」

「じゃあ騎士団長の名前はなんですか。」

「ははっ信用ないんだな。ルイ団長だよ。」

「ルイ団長ですか?」

「ぁあ。ルイ団長だ。」

「ルイ ですか?」

「そうだよ。」

嘘だ。ルイではなく、ルカ団長だ。
この人達は悪い人だ。
ちなみに10人ぐらいいる。

「ねぇ、エマ。騎士団の所に行こう?」
話を聞いてたメイが喋る。
「だめだよ。あの人達は偽物だよ。」
「何で分かるの?」
「団長の名前はルイ団長じゃなくて、ルカ団長だから。」

「本当?言い間違えちゃっただけかもよ?」

「でも聞き直したのに、ルイって言ったよ。それに私ルカ団長に会ったことあるの。」

するとメイが「これからどうするの?」
と聞いてくる。

「もう少ししたら本物の騎士団が来るから、2人共もう少しここで待てる?」

〈探索〉

騎士団がくるまで多分あと少し。
誘拐犯だけじゃなくて、ここにいる闇の世界の人達を全員捕まえる気だ。

「どのぐらい?」

「んー多分10分ぐらいかな。」

メイがユイを説得させてくれてる。

なんか外で喚いてる自称騎士団がいるから、音遮断して放置だ。

とりあえず足の重りを取りたい。
何とかならないかなぁ。
ガチャガチャ。
てか自称騎士団は誰なんだ?怒鳴ってるっぽいけど。
攻撃もしてきてるし、鬱陶しい。

「本当に助けに来てくれるんだよね。」

「うん!大丈夫だよぉ~」
呑気に返す。

2人は不安そうだけど、他に言うこともないんだよなぁ~
そうだっ!
「ねぇ!ゲームしよっか!」

「ゲーム?」

「うん!こうやって・・・」
私は2人にジャンケンをまず教えて、その後にあっち向いてホイを教えた。
それから、にらめっこも。

外の音もないし、2人は夢中になって遊んでくれた。
やっぱ子供だなぁ可愛い。

この世界は手遊びが少ない。
鬼ごっことか、隠れんぼ。あとは水遊び、ボール遊びぐらいだ。
室内では基本お絵かきだね。

しばらく遊んでると自称騎士団が倒されてく。
殺してはないみたい。魔法で拘束されるか、峰打ちで気絶させられてる。
やっと来た。

メイとユイはゲームに夢中で気づいてない。

自称騎士団が全員拘束されて、騎士団の服着た人が近寄ってくる。
音遮断解除。

さっきと同じ質問を投げかける。
「止まってください。皆さんは誰ですか?」
念のためにまずは止まってもらう。

「ブルームの騎士団だよ。」

「第何騎士団ですか?」

「僕は第四騎士団に所属してるけど、ここには第二騎士団もいるよ。」

「団長の名前は何ですか。」

「僕達の団長はゴウ団長で、第二騎士団の団長はグレン団長っていうよ。」

「今2人はどこに?」

「どうかな。ゴウ団長はすぐにくると思うけど、グレン団長は他の子達を救出しに行ってるから。」

〈探索〉

確かにグレン団長は誘拐された子供達がいる方に向かってるみたい。

「ではゴウ団長が来るまでここにいます。」

騎士団の人達は困ってるみたい。
でも知らない人について行ったらダメなんだよ。
話し方とか、騎士団服とか本物だけど、確信はないからね。
メイとユイがいるから念には念を入れて用心する。

「エマ。この人たちも偽物?」

「多分本物だけど、団長が来るならその方が安心でしょ。それに知らない人に付いて行ったらダメだから。」

「よかった。騎士団の人って言われても信用出来なかったから。エマの知り合いが来るなら、それまで行かないでね?」

メイとユイは私を信用してくれてる。
その代わり騎士団のことは信用出来ないみたい。

その時、騎士団の1人がこちらに手を伸ばしたけど結界で弾かれる。

痺れを切らして、連れて行こうとしたなっ!許さん。
誘拐された子供にさらなる恐怖を与えるなんて!
拒絶してるのに連れてくなんてダメな騎士団員だな。
こういう人がいるから、団長を待つのだ。
実際、メイとユイは私にしがみ付いてきたよ。

「なんだこれは!?」
手を伸ばしてきた騎士団員が話してくるけど無視する。
この人めんどくさそう。

メイもユイもさっきの偽騎士団員のせぇで騎士団不審なのに、この騎士団員のせいで更に信じれなくなったみたい。
追い討ちかけてくれたな。

なんか言ってるけど音遮断する。うるさい。

しばらくするとゴウ団長が来た。

メイとユイに知り合いが来たことを報告する。

ゴウ団長は状況を近くの団員に聞いてる。

音遮断解除。

「ゴウ団長。お久しぶりです。」

「エマか?」

「はい。」

「出てきてくれるか?」

一応、メイとユイに確認をとってから出る事にする。

結界解除

「ご足労おかけしました。皆さんも助けていただき、ありがとうございました。」

「安全な場所で話を聞いても?」

「もちろんです。あっ。その人以外でお願いします。」

さっき手を出してきた団員を除いてもらう事に。

「分かった。お前は他の隊に合流しろ」

「はっ!」
なんか睨まれたけど知らな~い。

こうして私とメイ、ユイはゴウ団長と騎士団員に保護された。

メイとユイとは外に出た所でお別れだ。
とりあえず足の重りを外してもらう。
3人でハグして、またいつか会おうねって約束してそれぞれに分かれた。

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