めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ

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誘拐

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あれから2か月が過ぎた。
エマはいま、体力作りに励んでいた。
グレン団長に誕生日にもらった木刀を使って護衛騎士団の3人に稽古をしてもらう予定だ。
その為には体力をつけてちゃんと動けるところをアピールしないと!

エマは6歳ではあり得ないステータスの持ち主なのをすっかり忘れてる。


現在の〈ステータス〉

エマ 6歳 人間
HP150/900
MP100/1050

結界E/A、気合玉E/A、影身C

《浮遊A》《音遮断A》
《希薄A》《圧力A》
《覇気A》
《空間魔法S》《探索S》《鑑定S》
《隠蔽S》《偽造S》

スキル
《転生者 幸運》

HPの上がり具合は変わらないけど、MPは1000を超えたら中々上がらなくなって来た。

って言っても、魔法を前より使ってないのが大きいかもしれない。
影身をCにあげただけで、今は魔法を休憩してる。

前までは常に体に結界を張って過ごしたり、とにかく目に映るものを鑑定したり、探索で見える範囲を毎日の様に広げてたけど、せっかく転生したのに魔法だけしててももったいないかなって思って、剣も習いらたいって思ったからだ。

ちなみに体力作りは主に筋トレだ。
理由は走るのよりもストレッチと筋トレの方が好きだから。
ミラが寝た後の部屋でやってる為、誰にもバレてない。さすがスキル幸運の持ち主。

さて、今日はお出掛けDAY!
学校行ってない組でピクニック。
ブルームは1年中あったかくて、真冬でも日本で言う10月ぐらい。

ちなみに今はこっちの世界で10月だけど、夏真っ盛りって感じの暑さ。
ってことで学校行ってない組6人とシスター1人、護衛騎士1人とピクニック広場に遊びに来た。

何回か学校行ってない組でピクニックしてきたけど、私以外は来年から入学だから、こうやって一緒に来れるのは今年が最後だ。

ブルームには何ヶ所か大きな公園があって、全部ピクニック広場って呼んでる。
今日は暑いからその中でも噴水とか水遊びがたくさん出来る所に来た。

2人1組で手を繋いで30分ぐらい歩いて到着~
途中で買い物とかしながらのんびり来た。
みんな水浴びは大好きだからご機嫌だ。
鼻歌を歌ってる子もいる♩

先ずはお昼ご飯。
今日はコックさんがサンドイッチとおかずをたくさん作ってくれたから、シートを引いてみんなで食べる。
外で食べるご飯おいしい~♩

それから水着に着替えて水浴び。
シートも水着も寄付品だ。
うん。恵まれてるなぁ。
ついてきてくれた護衛騎士はエリオットさん。
エリオットさんも水浴びに付き合ってくれてる。

しばらく遊ぶとエリオットさんに小太りのおじさんが声をかけてきた。
ほぼ同時に少し離れたところで違う子の面倒を見てたシスターに髭が生えたおじさんが話しかけてる。

子供達は遊びに夢中だ。
私も遊んでるけど中身はいちよう大人だから、なんとなく保護者感覚で、周りを見ながら遊んでた。
すると子供達に忍び寄る4人の人・・ていうか、獣人達が。

まずはシスター側の子供が消えた。

え?どこ行った?
シスターからも私からも子供達が見える位置にいたはずなのに、獣人で少しだけ影になった時にいなくなってた。
シスターもいきなり子供達が居なくなって焦っている。
髭が生えたおじさんも焦ってる・・・フリだなあれは。

近国の誘拐と関係があったらかなりやばくない?
犯人はまだ捕まってない。子供達も1人として帰って来てないみたい。

でも聞いてる手口と違う。こんなに堂々とやるもんなのか?
それともやり方を変えたのか、違う犯人なのか。
とにかくまずい。

急いで残りのメンバーを確認しようと振り向こうとしたら体が宙に浮いた。
というか誰かに担がれた。
抵抗しようとしたけど甘い香りを嗅がされて意識を失ってしまった。

どのぐらい意識を失ってだんだろうか。
気がついたら足に鎖を繋がれて何処かに閉じ込められてる。
最近魔法を使ってないことが仇となったか。せめて結界と影身をしとけば良かった。

体に違和感は足の鎖だけだから暴力振るわれたりはしてないらしい。
水着を着てたはずがボロボロの服に変わってるけど。

とりあえず他に誰かいないかな。

周りを見渡しても誰もいない。
こういうのってなんかみんな同じ場所の牢屋みたいなとこに閉じ込められるのが普通じゃないの?
もぉ~めんどくさい!!

他の子探して、ここから抜け出さなきゃでしょ。
はぁ~

誘拐されてるのにそこまで怖くないエマ。
だって異世界小説で誘拐ってあるあるだよね。
しばらくしたら誰か助けに来てくれるかな~
でもここは現実だし、もし誰も来てくれなくてこれから地獄の日々が続いたらどうしよう。

さて、さて、とりあえず足の鎖外れないかな。

ガチャガチャ

取れない。私の魔法じゃ鎖切れないよなぁ~
なら、とりあえず〈探索〉
うん。おっけ。
今いる所は地下3階。地上からは1階建ての平家に見える作りだ。

私以外に子供は80人ぐらいいるかな?
数的に近国の誘拐犯と同じ組織っぽいね。

この地下3階と、1番下の地下4階に子供達が閉じ込められてるみたい。
3人ぐらいでまとめて入れられてる子達もいる。

てかあんなに堂々と誘拐してて捕まえられないのはどうなの?話しかけて来てたおじさんもグルだよね。
でもなんとなくおじさんも顔色悪かったんだよね。

ん?声が聞こえる。誰か来るみたいね。
大人しく座って待ってよう。
しばらく魔法は使わないほうがいいかな。目をつけられたくないし。

「おっ!起きてるねぇ!おはよ~」

元気に獣人が声をかけて来た。
多分オオカミさんかな?
獣人って言っても、人間に耳と尻尾がついてるって感じ。
獣人によって多少の個体差はあるけど、どの獣人も生まれた時から身体能力はかなり高いらしい。

てかそんなテンションなの?

「おはようございます」
いちよう返事をしといた。

「わぁーちゃんと話せるんだね!偉い偉い!
みんな怖がって無言になっちゃうか、泣いてる子ばっかりだから君珍しいよ!
名前は?」

そりゃいきなりこんな所に連れてこられたら怖いよね。

「エマです」

「よし。エマ行こうか」

そう言ってオオカミさんは扉を開けて鎖をはずし、鉄の塊に付け替えて、私の手を繋いでどこかに歩き始めた。

どこに連れて行かれるんだろう。

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