めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ

文字の大きさ
上 下
8 / 66

6歳になりました

しおりを挟む
全ての準備が整った。後は静かに眠っている役者達を起こすだけだ。
俺は二人を強引に揺する。
「......お兄ちゃん、どうしたの」
 寝ぼけた『八人目』が、俺の正体に気がついたのかと、一瞬ドキリとしたが、どうやらそうではないようだ。
「......え? なに? 私縛られてる? お兄ちゃん助けて!!」
 完全に目が覚めた『八人目』は、目の前の俺を無視し、俺を探している。その叫び声で、『七人目』も目が覚めたようだ。
『......お前は誰だ。泥棒か?』
 いつものように、冷静な『七人目』は質問してくる。
「僕は泥棒ではありません。ただ、あなたたちにショーに出演して欲しいだけです」
 ボイスチェンジャーで変えた声は、まるで他人の話を聞いている気分になる。
「......それで、何をすればいいんだ」
 俺をじっと睨み付けながら、『八人目』は聞いてきた。
「ちょっと待ってください。今ショーの内容を説明します。まず僕は、脚本家兼観客です。家族愛の美しさを題材にした、感動の物語。ああ! 素晴らしい!」
 俺は両手を広げ、拍手が起きるのを待った。しかし、『八人目』の啜り泣くような泣き声以外なにも聞こえない。残念だ。
 俺はため息をつき、説明を始める。
「とりあえず、あなた達二人以外の方には、人質として拘束させてもらってます。もし反抗するようなら、人質は殺します」
 俺はそう言うと、ボイスレコーダーのスイッチをオンにする。
『......俺と母さんは、誘拐されたらしい。見張りの男も数人いるみたいだ――』
 そこまで再生すると、俺はスイッチをオフにした。自前に俺の声を録音しておいた。もしかしたら俺も、役者としての才能があるのかもしれない。
「お兄ちゃんとお母さんは無事なんですか!」
 突然、泣いていた『八人目』が叫ぶように聞いてきた。
「大丈夫です。脚本通りに動きさえすれば、無事に解放します」
 俺がそう言うと、安心したようにため息をついた。
「それで、何をさせるつもりだ」
『七人目』が、冷静に尋ねてくる。
 いつもこうだ。俺の父はどんな時でも冷静だ。慌てず、落ち着いている。
「それでは、第一幕の始まりです」
 俺がそう言うと、二人の顔を順に見つめた。恐怖と驚きの表情が張り付いている。
「昔々あるところに、家族を人質に取られた父と妹がいました。そして家族を誘拐した犯人は言いました。人質を解放して欲しければ、家族の愛を示せと。父は、少し考え言いました。分かった。何よりも深い愛情表現をお見せしよう」
 俺は言葉を切り、無言で拳銃と包丁を取り出した。『七人目』と『八人目』が恐怖の表情のまま、固まる。
 俺は二人に近づいていき、手足を固定していたタイラップを切った。
『七人目』、いや、父は、恐怖を堪えるように唇を噛み締めていた。
『八人目』である妹のあおいはしゃくりあげながら、ぶるぶると震えている。
 二人の拘束を解き、目の前に戻ってきた俺は拳銃を構えながら命令する。
「今すぐに最高の愛情表現、つまりお前達二人で性交しろ。神ですら近親相姦しているんだ。何の問題も無い。拒否すれば人質は殺す。やれ」
 俺はそう言うと、銃口を向けた。

「............」
「............」
 二人とも、口を塞がれている訳でもないのに、一言も話さない。
 俺は、銃口を葵に向ける。縮こまっていた体がびくりと震え、心の底から恐怖が滲み出ているような表情を見せた。
「まず君が服を脱いで」
 俺は、葵が怯えないよう、できるだけ優しい声で命令した。
 しかし、葵はブルブル震えながら、胸を隠すように腕を体の前でクロスさせた。そうすることで、自分の身体からだを守っているつもりなのだろう。
 俺は、ショーを円滑に進めるため、ある提案をする。
「わかりました。服を脱がないならしょうがないですね。貴方の母と兄を殺します」
 俺は、ゆっくりと携帯電話をポケットから出すと、耳に当てた。もちろん誰かに電話をかけている訳ではない。
 葵が、自分が父から犯される屈辱と、大好きな母と兄の命を、天秤にかける時間を与えているだけだ。
「......分かりました......すぐに脱ぎますから、兄と母は殺さないでください......」
 小さな声でそう言うと、よろよろと立ち上がり、震える手でパジャマのボタンを外し始めた。しかし、震える手では上手く外すことはできない。時間をかけて、ゆっくりと五つ全てのボタンを外し終え、静かに床に脱ぎ捨てた。
 キャミソール一枚になった上半身には、成長途中のつぼみが、布越しに二つ透けて見えた。
 俺はまさか、実の妹のストリップショーを見ることになろうとは夢にも思わなかった。この背徳感は癖になりそうだ。もっとも、二回目は存在しないが。
 葵は、やはり抵抗があるのだろう。つぼみを隠しているキャミソールを脱がずに、ズボンから脱ぎ始めた。左右の足をするりと抜き取り、やはり床に脱ぎ捨てる。
 小麦色の日焼けの跡が、パンティーのすぐ下まで侵食している。健康的な足は程好い肉付きで、パンティーの下に隠されている骨盤は、まだ開ききってはいなかった。
葵の動きがここで止まる。理性では脱がなければ、母と兄が殺されてしまう事は分かっているはずだ。
 しかし、本能がこれ以上肌を他人に晒すことを、拒否しているようだった。
「あと十秒でキャミソールを脱げ。脱がなければお前の兄は死ぬ」
 俺は、助け船を出してやった。これで葵は脱ぐしかない。
 決心したようにキャミソールのすそを掴み、一気に脱ぎ捨てた。中から、つぼみがこぼれ、初めて人目に触れたかのような、ピンク色の乳首が『ピン』と立っていた。
 すると葵は突然泣き出し、しゃがみこんでしまった。
「次はパンティーを脱いでください。また十秒以内ですよ」
 俺はカウントダウンを始めた。十、九、八、七、六、五、ここまでカウントした所で、しゃがみこんだまま、器用にパンティーを脱ぎ始めた。
「よく見えません。起立してください」
 俺がそう言うと、のろのろと時間をかけ、立ち上がった。しかし、恥丘ちきゅうと乳房は頑なに見せようとせず、左右の手で必死に隠している。
「手は後ろに組んで」
 俺がそう言うと、小刻みに震え、目から大粒の涙を流し、ついに手を後ろ手に組んだ。胸のつぼみも、恥丘ちきゅうも、身体の全てをさらけ出した瞬間だった。
 そして、今だ何者も触れた事の無い恥丘ちきゅうには、一本の毛も生えていなかった。その下にあるクレバスからは、今まさに蛇を迎え入れようと涙を流していた。
 そして、涙は股を伝って落ちていく――。
 俺はその様子を観察しながら、『七人目』に命令した。
「立って」
 その簡単な命令を、父は聞き入れようとしない。その間にも、葵は涙を流し続けていた。
「立て。これが最後のチャンスだ」
 俺がそう言うと、観念したように立ち上がった。
 ――その股間には、必死に外へ出てこようとしている蛇が住んでいた。パンパンに膨れ上がり、巣穴を見つけ、今にも潜り込まんとする蛇がのたうち回っていた――。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...