高嶺のスミレはオケアノスのたなごころ

若島まつ

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40 クレテ家の四姉妹 - Quatre sœurs des Krete -

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 屋敷に押しかけた三人の貴婦人とやらを見てやろうと、イオネは冷ややかにアルヴィーゼに一瞥をくれてドミニクよりも先に門へ向かった。
 他に女がいるのなら、これ以上の深入りは無用だ。あのスカした顔にワインをぶちまけて二度と会わないと告げた上、ノンノ・ヴェッキオの屋敷へ戻ろうとさえ思った。
(これは嫉妬なんかじゃなくて、不誠実への憤りよ)
 開かれたエントランスに差し掛かった時、扉の前でマレーナに向かって金切り声を上げる小柄な女が目に入った。後ろにも、二人分の影がある。マレーナの持つ燭台の火が風に揺れて影を作っているせいで、女の顔がよく見えない。
 ところが次の瞬間、女はイオネの姿を認めるなり、勢いよく突進してきた。後ろから追いかけてきたアルヴィーゼがイオネの腕を引いて守ろうとしたが、それより先にイオネは前へ進み出て女を抱き止めた。
「イオネ、イオネ!ああ、よかった」
 涙ぐんでイオネを強く抱きしめた栗毛の女は、紛れもなく末妹のリディアだ。
「リディア!クロリスとニッサも」
 イオネが顔を上げると、後ろで二人の妹たちがリディアと同じように目を潤ませていた。
「ちょっと、どういうことなのよ!実家がそっくりなくなっちゃってるんだけど!なによこの宮殿みたいな屋敷は!」
 一番目の妹のクロリスが声を張り上げ、肩を怒らせた。きっとこの調子でドミニクを手こずらせたのだろう。妹たちの気性を知っている身としては、ドミニクに同情と少々の申し訳なさを感じてしまう。
 クロリスは人前に出るときは苦労して暗い色の巻き毛を隙なく整えているのに、今は帽子を手に持ち、髪もほつれたままにしている。馬車を下りてこの様相を見るなり走ってきたに違いなかった。
「話せば長いの。知らせなくてごめんなさい」
「まあとにかく、無事に会えて安心したわ」
 そう言って安堵したように笑いかけた二番目の妹のニッサも、まっすぐに伸びた雀色の髪を乱していた。
 実家が既に跡形もなくなってしまったと報せなかったことを、イオネはこのとき初めて後悔した。気丈な妹たちから冷静さをそっくり奪い去るほど動転させてしまったらしい。
「洗いざらい聞かせてもらうわよ」
 ひとつ年下のクロリスが姉のようにイオネを叱ってからリディアの隣でイオネを抱きしめ、ニッサもそれに倣った。
「おかえりなさい。って言うのもなんだか変だけど。ふふ、会えて嬉しいわ。どうして来たの?それも、三人だけで」
「どうしてって、イオネってば自分の誕生日、覚えてる?」
「あ」
 イオネは今日の日付を思い出して、間もなく二十二歳を迎えることに気が付いた。毎年家族の誰かが口にしなければ思い出さない程度には自分の誕生日に関心がない。今年は何かと目まぐるしく過ごしていたから、尚更だ。
「やっぱりね。だからびっくりさせたかったの。みんな実家を出て今年はイオネ一人きりだから、子供の時みたいに姉妹だけで祝おうって、夏の休暇の時にこっそり計画してたんだよ。三人でパタロアに集合して、姉さんたちの子供たちは乳母に預けて、馬車の中で驚かせ方まで練習したのに…!」
 リディアが口をへの字に曲げて頬を膨らませた。
「逆にこっちが驚かされて計画が台無しだよ!」
「悪かったわ。そんなことを考えてくれていたなんて」
 思い返せば家族が全員揃っていた頃は、誕生日の主役のために好物の菓子を作り、夕食もいっそう豪華な料理が並んでいたものだった。クロリスはイチジクのパイ、ニッサはレモンケーキ、リディアはアニスとリンゴのタルトで、イオネは梨とニワトコのシロップのケーキを作ってもらうのが通例だった。
「誕生日」
 と、そのことに興味を示したのは、彼女たちの様子を大人しく眺めていたアルヴィーゼだ。
「忘れていたけど、実は明日なの」
 イオネが妹たちを抱きしめたまま後ろを振り返ると、アルヴィーゼはイオネにだけわかる笑みを目元に浮かべた。
「ねえ、イオネ。このものすごい男前は誰?」
「ちょっと、リディア」
 クロリスがリディアの膝をバシッと叩いた。
 姉妹たちの中からニッサがアルヴィーゼの前に進み出て、恭しく膝を曲げてお辞儀をした。エマンシュナ人の考古学者と結婚したニッサは、この黒髪の高貴な男が誰か、すぐに目星を付けたらしい。
「ひとまず、客間と夕食を三人分用意しよう」
 アルヴィーゼのこの一言で、後ろに控えていたドミニクが慌ただしく屋敷の奥へ入って行った。
 少々バツの悪そうなイオネに向かってアルヴィーゼが意地悪く笑いかけたのは、彼女が見せた悋気を大いに愉しんだからだ。
 イオネは鼻の頭に皺を寄せ、アルヴィーゼにだけわかるように歯をイーとして見せた。
 なんだか癪だ。この予測不能の出来事さえ、アルヴィーゼに味方した。妹たちだけをこの屋敷に残していくわけにもいかないから、イオネは結局のところ、この屋敷を去ることはできない。

 その後、中断された晩餐は食堂で仕切り直された。この屋敷の主がエマンシュナ王国のルドヴァン公爵アルヴィーゼ・コルネールだと知ると、パタロア地方を治めるチェステ家の嫁であるクロリスは次期領主夫人らしく態度を改め、ニッサも公爵閣下に対するに相応しい礼を尽くした。しかし、二人とも必要以上にへりくだることはなく、アルヴィーゼを見る目はどこか品定めするようだった。
 人の恋愛話が大好きなリディアはアルヴィーゼの地位よりもイオネとの関係に興味津々で、早くも二人の間にある妙な空気に気付いていた。
 イオネが屋敷を失った顛末を聞かせている間も、リディアの口は際どい質問をしたくて唇が裂けそうなほどにうずうずしていた。
 そうして核心を突けず不満が溜まっていたリディアの口は、夜半、イオネの寝室で爆発することになった。
「それで結局なに?恋人なの?なにあの甘い空気!どこまでいったの?もうした!?」
「おやめなさい。みっともないわね」
 クロリスはワインを片手にリディアの脇を肘で小突いた後、部屋の隅の執務机に向かって本を読むイオネに神妙な顔を向けた。
「で?どうなのよ」
「クロリスまで」
 クロリスとリディアの向かいのソファで、ニッサが苦々しげに眉を寄せた。
「だって、あのルドヴァン公爵よ」
 と、クロリスは目を大きく見開いた。もともと虹彩が大きくくっきりとしているから、それをめいっぱい見開いたときの顔の迫力は、ちょっと凄まじいものがある。
「地位も名誉も男にも、これっぽっちも興味のないイオネが!性欲がぜんぶ知識欲に置き換わっちゃってるこのイオネ・アリアーヌ・クレテが!よりによって、エマンシュナ王国一の美男で、王国一の金持ちで、王家の次に権力を持ってるアルヴィーゼ・コルネールと!…どうなのよ」
 姉妹で一番小柄なのに、クロリスは一番エネルギーに満ち溢れている。普段は外面よく淑女らしく振る舞っているが、こと姉妹の色恋沙汰となるとリディアよりもうるさいのだ。
「大袈裟ね」
 イオネはクロリスの熱の入りように苦々しく眉を寄せた。
「どう表現したらいいのか、適切な言葉が見つからないの。今は…」
 何度か関係を持ったとは言え、今のところイオネの中では恋人とは言えない。家主と一時的な同居人ではなくなった以上、この関係には適切な名前がない。
「言葉では説明できなくても、ねぇ」
 クロリスがニヤリとした。その視線は、イオネの首に向かっている。
「もうやることやってるでしょ。見えるところに痕付けられちゃって」
「えっ!?」
 イオネは思わず本を落とした。
「ここと、ここ。あとここ」
 ニッサが無表情のまま自分の首の左右後方と左肩のやや後ろ側を指差した。
「信じられない。あの人、シルヴァンともノンノ・ヴェッキオとも顔を合わせるのを知っていて、こんな…」
 これには腹が立った。フラヴァリ邸ではソニアのようにあれこれと世話を焼く侍女がいないから、指摘されることもなく、当然隠すこともなく過ごしていた。
 離れた席で食事を共にしただけのヴィクトル老公はともかく、シルヴァンは気付いていただろう。縁談を破棄していない状況にあっては、あまりに不誠実だった。
「どうしてノンノとシルヴァンが出てくるのよ」
 というクロリスの問いに、再会から縁談のことまで手短に答えた後、イオネはアルヴィーゼを詰りに行こうとした。が、立ち上がろうとした瞬間に妹たちが色めき立ってイオネを引き止めた。
「ちょっとちょっとちょっと!そんな面白いことになってるのにどうして最初に教えてくれなかったの!?それでどっちにするの!?」
「待ってリディア。まずはわたしたちで考えましょう」
 ニッサが紅茶を手にして優雅に微笑んだので、イオネはこの後の一切を諦めた。姉妹の中で最も理性的なニッサが悪乗りを始めたら、もはや止める者はいない。
 イオネ同様に幼い頃からシルヴァンを知っている妹たちは、シルヴァンの柔和で献身的な人間性と実業家としての将来性、更にはイオネへの幼い頃からの恋心を挙げて、「イオネの結婚相手として適切」と結論づけた。
 一方でアルヴィーゼに対しては、イオネを通じて知ったこれまでの言動から推し量るしかない。が、イオネとのやり取りを見聞きした限り、結論は出ている。
「あの人すっごくイオネに惚れてるよね」
「異常なくらいね。まず目が怖いもの。獲物を殺す寸前の獣の目よ、あれは」
「面倒な人を恋人にしちゃったわね、イオネ。あれは絶対に逃がしてもらえないわ」
 と口々に言い始めた。顔から火が出るかと思った。数年前まで姉妹の誰かに恋人ができる度にこんなふうに評議会を開いていたが、まさか自分のことが議題になるなんて想像したこともない。
「恋人じゃないったら。あの人もどこまで本気かわからないもの」
「やだ、正気?あんなの、大マジに決まってるじゃない!」
 クロリスはイオネがちょっと鼻白むほどに鼻息を荒くした。
「まどろっこしい契約を逐一持ち出して来たのも、金にものを言わせて空き家を買い占めたのも、トーレにわざわざ連れて行ったのも、全部イオネと一緒にいたいからじゃない。屋敷の周りに不審者が出たくらいで海軍の精鋭部隊を使ったのだって、普通じゃ絶対に有り得ないわ。それも、さっさと安全を確保してイオネを連れ戻したかったからでしょうよ」
「そ」
 顔が熱くてめまいがする。助けを求めるように周りを見渡すと、ニッサとリディアもウンウンと首を縦に振っていた。
「…そうなのかな」
「この、頭でっかち!イオネってば頭が良いくせに人間のことは破滅的に理解できないんだから」
「破滅的とまではいかないわよ」
 ニッサがコロコロと笑った。
「まあ、イオネにはこれくらい強引じゃないと少しも伝わらなそうだもんね。あの人なりにイオネに合わせてるってことじゃない?人に合わせるのすっごく嫌いそうなのにさ」
 リディアはなかなか鋭いところを突いてくる。振り回されてばかりで、そういう可能性については考えたことがなかった。
(ああ、違う)
 考えなかったのではなくて、考えないようにしていたのだ。外面がいいくせに自分にだけは底意地の悪さを隠そうとしないのも、驚いてあげた叫び声なんかに血相を変えて駆け寄ってきたことも、あの目の奥に焼け付くような熱が映っていることも、理由はすべて、一つの仮説に辿り着く。
「どうするのぉ?イオネ。わたしならどっちも行くけど」
 クロリスがにやにやと揶揄うような顔をしてワイングラスを空にした。
「わたしはシルヴァンに一票。イオネの言うこと何でも聞きそうだから」
 ニッサが大真面目な顔で手を挙げると、今度はリディアが両腕を勢いよく挙げた。
「わたしは公爵に二票!顔がいいから」
「ちょっと何それ。あんたに二票も権利ないでしょ」
「ありますぅ。イオネの分もわたしが持ってるんですぅ」
 クロリスは涼しい顔でリディアの頬の両側を片手で掴み、タコ顔を作って黙らせた。
「あんた、お姉さまを差し置いて」
「だってイオネも公爵が好きでしょ」
 リディアが姉に頬を掴まれたままもごもご言った。クロリスとニッサの視線は次に、真っ赤になったイオネの顔を貫いた。
「なっ…!なん…なんでそんなこと」
「好きじゃなきゃイオネが男にあんな彼氏ヅラさせるわけないじゃん。今までイオネを口説こうとした男たちの悲惨な末路を、姉さんたちも覚えてるでしょ」
 クロリスとニッサが黙して顔を見合わせ、ゆっくり顎を引いた。
「確かに…」
「地獄みたいな空気だったわよね」
「ほらね。イオネがこんなことまで許せる相手ってもう現れないと思わない?」
「ぐっ…」
 返す言葉もない。確かに、あの男には何もかも許しすぎた。その理由は、自分の中ではもう分かっている。ただ、目を向けたくないだけだ。
「あとイオネも、ちょっと顔に出てるよ。‘好き’って」
「そんなはずないわ。好きになる理由がわからないもの」
「理屈で考えるからだよ。わたしは深く考えるのは苦手だから、理屈をこねくり回すよりも魂から聞こえる声に従うの。理屈から生まれるものは推論でしょ。推論って、ぼんやりしてるじゃない。でも自分の心は、ちゃんと向き合ってさえいればいつだってはっきりしてる。だからわたしはぼんやりしてるものよりも、確かなものを優先して選ぶよ」
「あなたの理論って、単純明快ね。でも危険な時もあるわ」
 ニッサはそう言うと、クロリスと顔を見合わせてくすくす笑った。
「危険だからって間違ってるとは限らないもん」
 イオネは黙した。
 不思議だ。天真爛漫でまっすぐなリディアの理論は、朝陽を浴びた新雪のように鮮烈だった。
「…そうね」
 しかし、そのことを論じるべき相手は、愛しく聡き妹たちではない。
「少し夜風に当たってくるわ」
 イオネは今度こそ立ち上がって、寝衣の上に織物のガウンを着た。
「お遊びはもうおしまい。みんな長旅で疲れているでしょう。部屋に戻ってもう寝なさい」
「えーもう?もうすぐ誕生日になるのに」
「だからよ。朝一番に祝ってくれるんでしょう?楽しみにしているわ」
 イオネが微笑んで部屋を出ていくと、リディアはクッションを抱き締めて閉まったばかりの扉をうっとりと見つめた。
「ああ…イオ姉さま、大好き。あんな顔で言われたら張り切っちゃうよ」
「あの‘氷の花’の異名を取ったイオネがすっかり女の子みたいになっちゃって。感慨深いわ」
 クロリスがウンウンと満足げに頷いた。
「わたしはまだ公爵を認めていないわよ」
「ニッサの許可なんていらないでしょ。ただの学者の妻と公爵閣下じゃ、格の違いがありすぎて相手にならないよ」
 リディアが笑った。
「わたしは学者の妻である前にイオネを最も敬愛する妹よ」
「ああ、出た。崇拝者その一」
 結局この夜、話の尽きない妹たちは、イオネの寝台を占領して眠ってしまった。
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