獅子王と海の神殿の姫

若島まつ

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九十四、愛のすがた - invisible -

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「くるしい…」
 アニエスの呻き声で、ガイウスは我に返ったようだった。
 身体を離し、アニエスの白い頬を両手で包むと、それが本物か確かめるようにじっと見つめた。
「…寝起きだからあんまり見ないで欲しいんだけど」
 アニエスが抗議して身体を引こうとしたが、ガイウスは離さなかった。
「お前は寝起きでも綺麗だ」
 そんなわけない。
 アニエスは顔が赤くなるのを堪えるように眉を寄せてガイウスの手を払い除け、顔を背けた。
「もう!やめて。平気だから」
「生きていると確かめたいだけだ」
 ガイウスは大真面目だ。アニエスは兄のこんな取り乱しようを見たことがない。
「生きてるでしょ。ひどい声だけど、ちゃんと話してるじゃない」
「そうだな」
 ガイウスはベッドのそばのソファに座り直し、大きく温かい手でアニエスの手を握った。表情は晴れない。凛々しい栗色の眉の下で、いつもは冷徹な光を帯びている瞳が、暗く澱んで見える。
「…謝ったら、もう口きかないから」
 ガイウスが自分を責めているのは分かっている。
「だが――」
「否定もなし」
「わたしに話をさせない気か」
 ガイウスが眉を寄せたので、アニエスはふん、と鼻で笑った。
「そうよ」
「気が強いな」
「知らなかった?」
 苦り切ったガイウスの顔をおもしろそうに眺めて、アニエスが勝気に言った。
「…知らなかった」
 アニエスの弱さも、強さも、今回の事件に関わらなければ知ることはなかっただろう。ましてやアニエスがこんなイタズラ娘のように笑うということも、今初めて知った。
「お前を失いたくない」
 思わずこぼれたガイウスの本音の意図が、アニエスには分からなかった。
「だから、生きてるでしょ。失ってないわ」
 アニエスが重ねられたガイウスの手を握り返すと、ガイウスがもっと強く握り返してきた。暗く青みがかった灰色の目が苦しみと深い愛情を映して、アニエスを見つめている。この視線が、アニエスをひどく落ち着かなくさせた。死にかけて改めてその顔を見ると、我が兄ながらガイウスは並ならぬ美貌の持ち主だ。
「…お前に、話しておくことがある」
 この苦悶するような声色に、アニエスの心臓がとつと脈打った。これまで深刻な話は散々してきたつもりだが、これはいつもと違う。
 アニエスがガイウスの目をまっすぐ見返した時、パチ、と頭の中で小さく火が爆ぜたような気がした。何か今、あり得ないことが起きた気がする。
 しかし、その正体がわからない。
「…聞くわ」
 アニエスが応じると、ガイウスが握ったアニエスの手を指で撫で、この男にしてはひどく珍しく、出ない言葉を絞り出すように唇をまごまごと歪めた。
 が、結局続きを聞くことはできなかった。
 主治医であるブノワ・ルグラン医師が診察に訪れたからだ。
 真っ白いシャツの上にグリーンのベストを着て、足元は貴族の令息らしい細身のズボンとピカピカのブーツではなく、労働者のような幅の広いズボンと革靴を履いている。権威ある見た目ではなく機動性を重視した結果だろう。
「やあ」
 と、ルグラン医師は眩しいものを見たように目を細めた。
「久しぶり、アニエス。――ああ、いや、起きてる君に会うのが、だけど。まったく、肝が冷えた」
 アニエスはおかしそうにくすくす笑った。
「ありがとう、あなたのおかげよ」
「君の分析が的確だったからさ。軍医から聞いたよ。意識を失う前に、盛られた薬をいくつか特定しただろう。あれでだいぶ手間が省けた。ああ、言っておくけど、いつもなら患者の言うことは鵜呑みにしないで先に検査するよ。でも君は例外だ。優秀な医師だって知ってるから」
 くすくす笑うアニエスに最もらしく言い聞かせながら、ルグラン医師はハシバミ色の目を柔らかく細め、ガイウスに目礼した。
「お兄さんも随分心配して、毎日長いこと付き添っていたよ。本当によかった」
「わたしからも礼を言う、ルグラン医師」
 ガイウスは微笑みながら立ち上がってルグラン医師に手を差し出し、握手をした。が、アニエスにはどこか嘘くさい笑顔に見えた。医師としては若いし独立して間もないから、もしかしたら信用していないのかも知れない。
「とんでもない。これが僕の仕事ですから。それに、アニエスは今も大切な友人です。当然のことだ。…ああ、それで、申し訳ないがお兄さん、アニエスの診察をしたいので、少し出ていてくださると助かります」
「わかった」
 ガイウスはアニエスの頬にキスをして、扉へ足を向けた。途中、後ろを一度振り返った。アニエスの張り詰めたような表情は消え、気を許した様子でルグラン医師と談笑している。
 この時、ガイウスは柄にもなく激しく動揺して、二人のどちらかと目が合う前に病室を出た。
 この唐突な感情の正体が何なのか、ガイウスにはよく分からない。ただ、あれはアニエスの初めての男だと認識した途端に、足元が揺らぐような気がした。
 アニエスは生きている。だが、失うかもしれない。
 馬鹿げた考えだ。
 消えるかと思われたアニエスの命は再び灯り、甘やかなチョコレート色の瞳には光が戻り、憎まれ口も冗談も言えるほどの力を取り戻している。
 それ以上何を求めようというのか。
 アニエスは何にも代えがたい功績を残し、使命を果たした。これからの彼女の人生は自由であるべきだ。ルグラン医師とよりを戻そうが、医師としての道を歩もうが、それを全力で応援するのが兄としての義務であり、彼女への贖罪だ。アニエスの望むことなら何でもしてやりたい。
 しかし、同じくらい、どこへもやりたくないと思っている。
 予感がするのだ。ガイウスとは血のつながりがない赤の他人だと知ってしまったアニエスが、二度とコルネールに戻ってこないのではないかと。何かが変わってしまう。
 何とも皮肉なことだ。アニエスが実の妹ではないと知った瞬間から、ガイウスはアニエスをコルネールに縛り付ける方法を必死に考えている。
 しばらくして、診察を終えたルグラン医師が病室から出てきた。壁に背を預けて待つガイウスの姿を認めると、男女問わず誰もが好きになりそうな人懐っこい笑顔を見せた。
「お兄さん」
 辺境伯であり西エマンシュナの有力者でもある自分をアニエスの兄としか認識していないあたり、なんだかキセと通じるものがある。
「彼女はもう大丈夫ですよ。しばらくは消化に良いものを食べて、お酒を控えて静養すれば、すぐに元通りの生活に戻れます」
「感謝する。君がアニエスの旧友でよかった」
 この時、「旧友」という言葉にルグラン医師が複雑そうな顔をしたのを、ガイウスは見逃さなかった。
 ルグラン医師が辞去したのとちょうど同じ頃に、キセとシダリーズがクリームと果物のたくさんのったジェラートをそれぞれの侍女たちの両手が塞がるほど持たせて帰ってきた。
「それはダメだ。もっと消化に良いものがいい。キセ、わたしの馬車で買い直しに行こう」
 と、ガイウスは流れるような動作でキセの肩を掴んで後ろを向かせ、呆気にとられた貴婦人たちを尻目にスタスタと歩き出した。
「えっ!ではわたしも…」
 セレンはキセを追いかけようとしたが、両手にこんもりとクリームの乗ったジェラートを持っているために走ることができない。揺らしたらそこらじゅうがクリームまみれになってしまう。怪我人も来る病院で、それはまずい。ガイウスはキセの肩を押しながら躊躇するセレンを振り返り、早口で言った。
「君はそれを病室に置いてから追って来るといい。シダリーズ殿下、申し訳ないがアニエスを頼みます」
 呆れたように肩を竦めるシダリーズに向かって全然申し訳なくなさそうに言い放ちながら、ガイウスは足早にキセを外へと連れていった。大人しく馬車に乗せられたキセは御者が扉を閉めた後、身体をガイウスの方へ向け、微笑みかけた。「お話を聞きますよ」と、言外に示しているのだ。
「あなたにそんな顔をさせるのは、アニエスだけですね」
 キセはくすくす笑った。
 この姫の感覚は鋭い。ガイウスは苦笑する他なかった。もしかしたら、自分よりも自分の感情を理解しているかもしれない。多分、アニエスのことも。アニエスは最初からキセには自分の本来の姿を見せていたように思える。
 だからこそ、キセと話したかった。
 が、何を言うべきか、最初の言葉が見つからない。こんなことは初めてだ。
「アニエスのことは、アニエスがお決めになると思います」
 ガイウスはどきりとした。
 見透かされたと思った。一瞬声が出せなくなったのは、キセへの畏怖からだ。
「…アニエスは、今後のことを何かあなたに話したか」
 キセは穏やかな表情のまま首を振った。
「わたしには、アニエスがどこかへ行ってしまうような気がしてならない」
「どうしてそう思うのですか?」
「近頃のアニエスは、今までわたしが知っていたアニエスとは別人のようだ。いや、今までわたしが本来のアニエスを知ろうとしなかっただけだが…それでも、少なくともこんな予感は持ったことがなかった。教えてくれ、どうするのが正しいのか。わたしはどうしたらいい」
 キセは内心で驚いた。ガイウスがこんなふうに救いを求めてくるとは、予想もしていなかった。
「…ガイウスさまは、アニエスにそばにいて欲しいのですね」
「当たり前だ。家族だぞ」
「家族もいつかは離れて行きます。誰しも生まれる場所を選べないからこそ、自分の生きる場所を見つけるために、それぞれの道を選びます。わたしもそうです。アニエスにもその時が訪れたのかも知れませんよ。アニエスが旅を始めるというなら、お兄さまが愛情たっぷりに旅立ちを祝ってあげれば、アニエスもきっと安心して――」
「兄じゃない…」
 ガイウスは頭を垂れた。
「わたしはアニエスの兄ではなかった。わたしの父親はデヴェスキではない」
 この告白は衝動的だったかも知れない。本来なら最初にアニエスに告げるべきことだ。が、言えない。しかし、自分だけではとても抱えきれなかった。ガイウス・コルネールともあろう者が、情けないことだ。
 僅かな間ののち、静かにキセの声が落ちてきた。
「…血が繋がらなかったら、何が変わるのですか?」
 キセは知っている。家族には血の繋がり以上の絆が存在するということを。ユヤ・マリアも、シノ・カティアもキセとは血の繋がりはない。生物学的には赤の他人だ。だが、二人のことを本当に母親だと思っているし、彼女たちがキセを本当の娘として愛してくれていることを知っている。そして自分でも、彼女たちの精神や性質の一部を自分が受け継いでいることがわかる。それは血の繋がり以上に強固な、家族としての絆がそうさせているのだ。ミノイもそうだ。彼の真実を知った今も、本当の兄だと愛おしむ思う気持ちは変わらない。
「きっとアニエスは、例えばガイウスさまが言うようにどこかへ行ったとしても、変わらずガイウスさまのことを大好きでいると思います。そういう意味では、お二人の絆は変わらないと思います。ですが、ガイウスさまが不安を感じるのは、ご自分の中でそれが変化すると思っているからですよね」
 図星だ。
 アニエスが今までとは別の人間のように見えるのも、どこか遠くへ行ってしまいそうに思えるのも、彼女が変わったからではない。自分の中で何かが変わったからだ。
 アニエスを愛していることは変わらない。だが、そのすがたが何か別のものに変質したのではないか。

 キセがすっかり考え込んでしまったガイウスを中に残して馬車の扉を開けると、馬車の前でセレンが腕を組んで待っていた。
「内緒話は済みました?」
 セレンは馬車を降りるキセに手を差し出しながら訊ねた。キセはセレンの手を取って馬車を降り、苦笑した。
「ばれていましたか」
「そりゃ、御者が暇そうにしてる馬車の中で二人がこそこそしていれば分かりますよ。いいんですか?テオドリック殿下が嫉妬なさいますよ」
 セレンがちょっと揶揄うような口調でキセに言った。
「それはもう、大丈夫だと思います。それにガイウスさまは他のことで頭がいっぱいですから」
 キセは苦笑した。
 正直、驚いた。二人は容姿は全く似ていないものの同じ雰囲気を持っているから、腹違いの兄妹だということは寧ろ合点がいくと思っていたが、父親さえ違っていたとは、考えつきもしなかった。本当なら、アニエスの恋が叶う可能性が少しでも見えてきたことを喜ぶべきなのだろうが、そう単純でもない。彼らが兄妹として過ごした時間は、あまりに長い。
「…何か、アニエスに消化の良いものを用意しましょう。果物のソルベなら、ジェラートよりお腹に良いでしょうか」
「いいんじゃないですかね。姫さまがたはクリームをのせすぎなんですよ。正直、見てるだけで胃がもたれそうでした。医局の方々はお裾分けを喜んでくれましたけど」
「ふふ。じゃあ、行きましょう。アニエスの口に合うソルベを探しに」
 キセはセレンの腕に自分の腕を絡め、ニッコリと笑った。
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