獅子王と海の神殿の姫

若島まつ

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十九、海鷲の家 - la famiglia del Re -

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 身繕いを終えた二人がミシナに通されたのは、公式な会見で使われる謁見の間ではなく、王の家族が普段から使用する食堂だった。晩餐会用の大食堂と違って広さも装飾もそれほどなく、古い地図や漁に使う網、銛などが壁に飾られ、小さな額に入れられた図鑑のように緻密な魚の絵と、大きな額に入れられた荒波と漁船の描かれた油彩の絵が家長の座る席の真後ろに掛けられている。その無骨な雰囲気に華やかさを添えているのが、いくつも備えられた大きな窓と、よく日の光を通す淡い色のカーテンだ。どれも等間隔に並んだ鷲の文様が刺繍されていて、お茶目なことに、よく見るとその中に花を咥えた鷲が何羽か混じっている。
 細長いテーブルの上には十人分の食器が既に用意されているが、テオドリックとキセの他は誰も来ていないようだった。
 キセはチラリと隣を見た。テオドリックはキセに求婚した時と同じく、向かい合う二頭の獅子が描かれた絹織物の上衣を纏っている。夜の海ではよく見えなかったが、この光沢のある絹織物の生地は深い茜色をしていた。この鮮やかな色がテオドリックの恐ろしいほど整った顔立ちによく映えている。昨日から伸びていた髭をきれいに剃り、輝くアッシュブロンドの髪を後ろに撫でつけて整えた姿は、一分の隙もない王太子の姿だ。やはりテオドリックは、誰もが視線を向けずにいられないほどに美しい。
 テオドリックはキセの視線に気付くと、ふ、と優しく微笑んだ。キセはその形の良い唇が昨日自分の身体に何をしたか思い出し、顔が燃えるように熱くなった。
「なんだ、キセ・ルルー」
 テオドリックは揶揄うように家族と同じ呼び方でキセを呼んだ。家族からの子供っぽい呼ばれ方など別段気にしたことはなかったのに、テオドリックに呼ばれるとひどく恥ずかしい。
「その色もあんたの肌によく合う。きれいだ」
 この官能的な囁き声が、つい三十分ほど前に珊瑚色のドレスからこの勿忘草色のドレスに着替えた時に見つけた下着の汚れを思い出させた。もしかしたら心の内がすべて読まれてしまっているのではないだろうか。ますます顔が熱くなる。ちょっと恨み言を言うような視線を向けると、テオドリックが微笑を浮かべたままキセの頬を親指で撫でた。その温かい感触が昨夜の感覚を呼び起こし、キセの心臓が飛び跳ねた。テオドリックはちょっと満足げに笑って、別のことを訊いた。
「昨日も思ったが、可愛いあだ名だな。誰が付けたんだ?」
「僕だ」
 答えたのは剣呑な目つきのイユリだった。爽やかな明るい緑の正装に着替え、艶々した黒髪を前で分けた姿で、いつの間にか後ろに立っている。
「妹に気安く触るな、エマンシュナ人。行こう、キセ」
 イユリは険悪に言い放ってキセの手を引こうとしたが、キセはそっと兄の手をすり抜け、テオドリックに寄り添った。テオドリックは目を細めてキセの腰を抱き、波打つ黒髪にキスをした。イユリはますます険しい顔をした。しかし、矜持がある。愛する妹に恨み言を吐くような真似はしない。
「ごめんなさい、イユリお兄さま。わたしはテオドリックの隣に座ります。…その、つ、妻ですから」
 キセはじわじわと顔を赤くした。テオドリックに触れられて恥ずかしいからという理由もあるが、本当のところはまだ妻ではないのに嘘をついているからだ。
 イユリは不愉快そうにテオドリックを一瞥し、鼻を鳴らしてさっさと中へ入って行った。その仕草が、先程のオーレンとそっくりだった。
 すぐに家令のミシナがやってきてテオドリックを王の席の左隣の席に案内しようとしたが、テオドリックは「自分の席は自分で決める」とにべなく言って右側の席に座った。その斜め向かいにイユリが着座し、鼻に皺を寄せている。
「そこは王太子の席だ」
「そうか。では丁度いい」
 眉を開いて白々と言い放ったテオドリックを、イユリは獰猛な豹のような目つきで睨めつけた。今にも掴みかかりそうだ。
俺たちの・・・・、王太子の席だ。エマンシュナ人」
 イユリが身を乗り出した時、ふふ、とキセが笑った。この険悪な雰囲気に全くもって似つかわしくない、春の野風のような笑い声だ。二人がキセの方を向くと、キセは頬を赤くして気まずそうに苦笑した。
「あ、あの…すみません。つい…。イユリお兄さまはそうやってミノイお兄さまともよく喧嘩していたので、帰ってきたなあって思ってしまったのですけど、…今はそんな場合じゃないですね」
 テオドリックはおかしくなって笑い出した。イユリが毒気を抜かれてふてくされているのが、なおいっそうおかしかった。
「まあ、楽しそうですね」
 とのんびり言ってその場に現れたのは、黒髪をゆったりとシニョンにして、同じく黒髪の男児の手を引いた小柄な夫人だった。ライラック色のドレスを上品に纏ったこの女性がキセの実母だと、テオドリックにはひと目でわかった。穏やかでやや少女っぽい顔立ちがよく似ている。十七歳の子供がいるとは思えないほど若々しい容貌だ。
 貴婦人を迎えるためにテオドリックとイユリは席を立った。キセはテオドリックとオミ・アリアが互いに名乗り合うのを待ってから久々に会う末の弟と実の母親に満面の笑みで駆け寄り、しゃがんで弟の手を取った。
「カイ、前に会った時よりずいぶん大きくなりましたね。たくさん食べていますか?」
「はい、キセおねえさま!」
 カイが嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねてキセの手を掴むと、キセは胸がいっぱいになって弟をぎゅうっと抱き締めた。その後ろに続いてやって来た十二歳のウキ・キリクス第四王子がもじもじしながら姉姫とその‘夫’に挨拶をし、姉を抱擁した。顔立ちも髪の毛もキセに似ている。海鷲の王の息子というにはひ弱な印象だが、可愛らしい顔立ちの美少年だ。
 その後、暗い栗毛の長い髪を太い三つ編みにした背の高い第二妃シノ・カティアが王太子スクネの腕に手を添えて現れ、いつもはスクネが座っている場所に陣取ったテオドリックを一重まぶたの穏やかな眼差しで礼儀正しく膝を折って自己紹介をし、キセに向かって小さく手を振りながらにっこり微笑んだ。シノ・カティアがカイを挟んでオミ・アリアの隣に座った後、スクネはイユリの隣に腰を下ろした。イユリは何か言いたそうに兄を見たが、スクネはそれを黙殺した。
 そして最後に、不機嫌この上ないオーレンと、それを宥めるようにユヤ・マリアがその腕に手を添えてやって来た。またあの雷雲のような空気を纏っているが、ユヤ・マリアがそれを浄化しているように見える。
 その様子が、獰猛な大鷲に首輪と縄を付けて馴らす猛獣使いのようだった。テオドリックは表情にこそ出さなかったが、内心でおかしく思った。が、裏を返せばユヤ・マリア妃がいなければ今ここで噛み殺されていてもおかしくない。
 全員が席を立って王と第一王妃を迎え、使用人たちによって食事や紅茶の給仕が始まった。しかし、誰も口を開こうとしないまま、食事の音だけが響いた。いつもはお喋りな四歳のカイ王子も何かいつもと違う緊張感を察してかキョロキョロして食事が進まない様子だった。
 耐えかねて最初に口を開いたのは、ユヤ・マリアだった。
「まったく、辛気臭いこと!もう我慢の限界だわ。あなたったら理性的にお話しなさいませと申し上げた途端にむっつりなさって。これでは口より先に手が出る喧嘩屋と呼ばれていらした少年時代から成長なさっていないと言われても仕方ありませんわよ」
 年上の幼馴染みでもあるユヤから詰られ、オーレンは奥歯を噛んだ。
「そんなことはない」
「ありますとも。ご覧なさい、可愛いカイが怖がって食べようとしないじゃありませんか。家族の食事の時は、国王ではなく父親として振る舞ってくださるお約束でございましょ」
 テオドリックは面食らって思わずキセの顔を見た。キセはおかしそうにくすくす笑っている。他の兄弟や王妃たちも互いに顔を見合わせて苦笑していた。イユリは声に出さず「またか」とキセに向かって言った。どうやら日常茶飯事の光景であるらしい。
「では、わたくしがお話ししてもよろしいかしら。オーレンさまはまだお話しになるご気分ではないようですから」
 シノ・カティアがちょっと悪戯っぽく言うと、オーレンは不機嫌な顔つきのまま無言でティーカップに口を付けた。テオドリックは何となくその中身が紅茶ではなく酒なのではないかと思った。
「二人は、いつから?どこでお知り合いになったの?わたくしはあなたがキセ・ルルーが王女と知っていて近付いたのだと思っているけれど、どうやって知ったの?ここに来るのは、怖くなかったかしら?首を刎ねられるとは思いませんでした?」
 シノ・カティアがこれを恫喝の目的で言っているのでないことは明白だ。好奇心に瞳が輝いている。と言うより、相手を品定めしている顔だ。実子のスクネとイユリは母の発言にヒヤヒヤしているらしく、二人とも額に手を当てている。
「まったくの偶然です」
 テオドリックはキッパリと言い放った。
 それからは、予定通りのことをテオドリックは話した。時には歯の浮くような言葉でキセへの愛を語り、キセは顔を真っ赤にしながらそれを聞いていた。それよりも大変だったのは、後ろめたさが顔に出ないように全神経を集中させることだ。
 そして、これもまた予想通り、兄たちは信じなかった。
「何か裏がある」
 というのだ。
「俺には、君が神を信じるような男だとは思えない。ましてや、その女神の祝福を求めて危険を冒すなど」
 至極理性的な態度でスクネが反論した。
「俺は信仰を否定する気も、オスイア神を否定する気もない。むしろ、尊重して然るべきだ」
 これはテオドリックというよりもオミ・アリアへ向けた言葉だ。オミ・アリアはスクネに向かってにっこり笑いかけた。
「だが、君がそういった感性の持ち主とはどうしても思えない。君のような自信家は神でなく自分を信じるだろう」
「あなたは俺が自信家だと言うが――」
 テオドリックは言った。
「あなたは自分を信じられなくなったことはないか。自分が何よりも無力で、無価値で、空虚な存在だと感じたことは」
 これは本心を言っている。と、キセは直感した。テオドリックの瞳が憂いを帯びて暗く光った。初めて会った時のように。スクネは無言でいる。思い当たる節があるのだろう。
「そういう時に、俺は女神と出会った」
 腹の内を探るように自分を観察しているスクネの黒い目を、テオドリックは真っ直ぐに見返した。あの気の強い姉を嫁がせようという男だ。イユリ・スキロスのように単純な男では駄目だ。軽くあしらわれて仕舞いだろう。が、この男は思慮深く、辛抱強い。キセの言ったとおり、姉のネフェリアとは相性がいいかもしれない。
「彼女は――」
 テオドリックは続けた。
「あの頃の俺にとっては暗闇の中を照らす光で、唯一の道標だった。人生が意味を持った瞬間だ。あなたにはそういう経験があるか?姿も見えない、実在するかも分からないものを昼も夜も求め続けてしまう経験が。俺にとって女神はそういう存在だ。そして女神の生地への巡礼で、もっと価値のあるものを見つけた」
 どっ、とキセの心臓が脈打った。テオドリックがキセの手を取り、燃えるような緑の瞳でキセの目を見つめ、手の甲に口付けをした。
「テオドリック…」
 こめかみまでどくどくと脈打っているのが分かる。
(いけません)
 キセの心のどこかでもう一人の自分が警告した。
(これは和平のためのお芝居。嬉しいだなんて、不謹慎です)
 分かっている。分かっているのに、テオドリックの目は熱を帯びてキセを捕らえ、手から伝わる体温が抱擁の心地よい温もりを思い出させる。
「素敵ねぇ」
 シノ・カティアがうっとり微笑んで言った。苦い顔をしたのは長男のスクネだ。
「母上…。これは普通の家の結婚とは…」
「わたくしを誰だと思っているのですか?スクネ。重々承知していてよ」
 イノイルの古い家柄の出身であるシノ・カティアには当然の知識だ。心外だとでも言いたげに息子を見た。
「わたくしが言いたいのは、この結婚は利点の方が大きいということです。だいいち、もう二人は結婚してしまったのでしょう?女神の御前で祝福を受けたのなら、覆せませんわ。ねえ?オミ」
 話を振られたオミ・アリア妃はキセとそっくりな顔でにっこり笑い、未だ無言を貫くオーレンを見た。
「そうなりますね。夫婦の誓いは神聖なものですから、国王でも破棄できません」
 オーレンは不愉快そうにフン!と鼻を鳴らした。それを制したのはユヤ・マリアだ。
「あなたったら。観念なさいな。第一、キセ・ルルーはもうこのテオドリックと――」
 バン!とオーレンが拳でテーブルを叩き付けた。割れそうな勢いだ。
「皆下がれ。わしはこの男と二人で話がある」
「わたしがいてはいけませんか?」
 キセは父親に言った。いくら娘に甘いオーレンでも、今度ばかりはキセの願いを聞き入れなかった。
「ならぬ」
 にべなく言うと、オーレンはそれきりキセと目を合わせなくなった。
「大丈夫だ、キセ」
 テオドリックはキセの肩を抱いて頬にキスをし、そっと髪を撫でた。
 ますます不機嫌になったイユリが席を蹴るように立ち上がってその場を後にし、シノ・カティアとオミ・アリアが二人の王子を連れて退出し、最後にスクネがユヤをエスコートして席を立った。ユヤは不安そうにテオドリックの隣に座るキセの手を取って促した。
「さあ、キセ・ルルー。テオドリック殿下の言う通り、大丈夫よ」
 キセは不安を押し殺すように母と兄に向かってにっこりと微笑み、立ち上がった。
「テオドリック、待っていますね」
 キセは貴婦人たちを見送るために立ち上がったテオドリックをちょっとぎこちない仕草で抱きしめ、爪先を伸ばして頬に羽が触れるようなキスをした。そして座ったまま依然として目を合わせようとしない父親にもそっと抱擁して頬にキスをした。
「テオドリックは大切な人です。お父さまも。大好きな二人が仲良くしてくださるととても嬉しいです」
 そう言って、ちょっと複雑そうな顔で待っている兄の腕に手を添えた。反対側の腕に手を添えるユヤは嫣然と微笑んでいる。
「彼、テオドリック――」
 と、食堂を出て布張りの廊下を進みながらユヤが口を開いた。
「お前に夢中。まるでお前を視線だけで燃やしてしまいそうだったわ」
 顔が火を吹くかと思うほどキセは動揺した。
「そそそ、そんな、そんなことは…」
「懐かしいわあ。わたしとオーレンもそんな時があったのよ」
 ユヤはうっとりと心の中で思い出を辿った。スクネは呆れたように溜め息をついた。
「父上とユヤ母上は同郷の幼なじみじゃありませんか。キセとエマンシュナの王太子では全く話が違う」
「あら、そんなことはないわ。わたしたちは父親同士がいつも漁の縄張りを争っていてね、それこそ親の仇のように憎み合っていたのよ。わたしたちが十四と十六で恋人同士になった時もひどく反対されたわ。正に激昂という感じで。だからわたし、父と一年も口をきかなかったのよ。オーレンとは家を抜け出して、こっそり会ってね」
 ユヤは目を細めた。かつてオーレンが漁師の息子で、まだ何者でもなかった遥か昔の話だ。
「でも不思議なことに、わたしたちが結婚して両家が親族同士になった途端、父親同士も仲良くなっちゃって。結婚するまであんなに苦労したのに、それまでのわたしたちの苦しみは一体何だったのかしら?って。よくオーレンと笑っていたわ。だからね、キセ・ルルー」
 ユヤがスクネの腕を離れ、踊るような足取りでキセの方にやって来ると、キセの反対の腕に手を添えた。
「大丈夫よ。あの人も経験者だから。教訓を忘れるようなお馬鹿さんじゃあ、国王になんてなれないでしょう?」
 キセは優しく微笑むユヤの顔を見て泣き出しそうになった。不安が安堵に変わり、罪悪感に変わり、ユヤへの愛情で心が一杯になった。
「はい。…あの、ユヤお母さま、スクネお兄さまも、相談もなしにごめんなさい…」
「あらあら」
 ユヤはキセを抱き締めた。キセは自分でも気付かないうちに涙を流していた。
「お前も彼を愛しているのね」
(愛?)
 そうなのだろうか。大切かと言われれば、間違いなくそうだ。好きだとも思う。しかしそれが世に言うそういう類の恋や愛であるかどうかは、判断ができないでいる。いや、判断しない方がいいのかも知れない。何故ならテオドリックはそれを求めていない。
「そう単純には行きませんよ。俺は反対です」
 と、スクネが不機嫌そうに言った時、キセはハッと我に返った。
「愛する妹を失いたくない」
 スクネの黒い瞳が憂鬱そうにキセの姿を映した。
「お前が大事だ、キセ。あいつが好きなのは分かったが、馬鹿な真似はやめてくれ。頼むから」
「やめません」
 キセはぽろぽろと涙を零しながら、毅然と言った。スクネは内心で驚きながら、袖でキセの涙を拭ってやった。小さい頃から自分よりも他人のことばかりを優先して子供らしいわがままも言ったことがなかった。これほど頑なに意志を通そうとするキセは、初めて見る。
 三人は壁にいくつもの油彩画が掛けられた廊下を進み、庭園に出た。小さな野花が咲き、木肌の荒い樹木が多く植わっているこの庭園は、オーレンの意向により必要以上に手を加えることなく、できる限り自然のままの姿を保つようにしてある。地面に敷かれた丸っこい石畳をしばらく行くと、大きな池が現れる。キセが小さい頃よく魚や水鳥に餌をあげていた池だ。ここに細い橋が架けられ、その中程に黒い木材で建てられた東屋がある。そこに、シノ・カティアとオミ・アリアと二人の王子が待っていた。ちょうど使用人たちが東屋のテーブルに紅茶を運んでいるところだ。
「お茶にしましょう」
 にこにこ顔のオミ・アリアが呼びかけた。
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