獅子王と海の神殿の姫

若島まつ

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十五、オアリス - Oalis -

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 二人はいくつかの町や村を越え、途中でいくつかの神殿に立ち寄って祈りを捧げ、ネリを経ってから三日後にようやくオアリスの市街地を囲む城門をくぐった。
 想定よりも大分遅れている。ひとつには、敬虔なキセが近くに神殿を見つけては引き寄せられるように入っていき、祭壇の前で経典の一節を丁寧に唱え、神官が不在の場合には同じ時間に居合わせた信徒へオシアスとして祝福を授けるなどしていたから、という理由がある。
 それも、テオドリックが想定していたのはせいぜい三、四軒だったが、実際に立ち寄った神殿は七か所だった。お陰で黒髪のオシアスと王族のように身なりの良い貴人が二人連れで旅をしているのを、多くの国民が目にすることになった。これは狙い通りだ。
 しかし、キセが祈るのは神殿の中だけではなかった。立ち寄った町や村で家族を戦で亡くした者と出会えば、例えそこが周囲に畑しかない荒れた道の上でも、亡くなった者の魂と残された家族の心に平安が訪れるようにと海の方角へ向かって祈りを捧げた。そして、テオドリックもそれに倣った。
 宗教感覚の薄いテオドリックには祈ることにどれほどの効果があるのかよく分からなかったが、キセが祈りを捧げると皆どこか安堵したような顔をしてキセに礼を告げるのだ。彼らの信仰心が特別強いからではない。どこか、彼女には人の心を根っこから柔らかくするような力がある。いかに経験豊かな神官であっても、彼女と同じようにはいかないだろう。まさしく天性の才能だ。
 初日以来、テオドリックはキセと同じ部屋に泊まろうとはしなかった。大きな誤算があったからだ。キセを神殿から連れ出したときは、耐えられるだろうと思った。特段女に飢えているわけでもないし、彼女は欲望をぶつける性愛の対象ではなく正式なパートナーだ。脆い砂糖菓子のように大切に扱わなければならない。
 しかし、思い知った。キセは公的な二人の関係に慣れるべくテオドリックとの触れ合いを‘練習’として戸惑いながら受け入れているが、慣れるようにと言い出したテオドリックの方が心をかき乱されている。事実、最初の夜はほとんど眠ることができなかった。気を抜くとドレスの下を想像し、更には隣の毛布をめくって温泉では見ることができなかった肌を暴いて襲ってしまいそうになるからだ。そのために、それ以降の同室はやめた。いずれにせよ婚儀の後には同じベッドで眠ることになるのだ。それも、近い未来に。
(その時も紳士的に振る舞える自信はないな…)
 テオドリックは自嘲した。自分は思っていたよりも好色であったらしい。
 ともあれ、そのためにも今は海鷲の王に謁見しなければならない。
 テオドリックはオアリスの街を囲む城門をくぐって目の前に広がるオアリスの町並みに目を見張った。建物の多くが黒い瓦屋根の重厚な佇まいで、人々は貴賤入り乱れて忙しく立ち働き活気が溢れ、有事に常に備えているらしく、民家の一軒一軒にさえも矢狭間やざまがある。まるで小さな砦があちこちに散在しているようだ。しかし、これほど戦の匂いが濃く漂っているにも関わらず、彼らは明るいエネルギーで満ちていた。全てが生まれ育ったアストレンヌとは違っている。
 こういう国を造る王とは一体どのような人物なのだろうかと、もともとオーレンに対して漠然と持っていた興味がいっそう強くなった。畏怖とも言えるかもしれない。
「お疲れですか?」
 隣からキセが声を掛けてきた。心配そうに顔を覗き込んでくる。神殿を発つ時に着てきた淡いブルーのドレスの上に、テオドリックの黒い外套を着ている。風が強いからと、テオドリックが半ば無理やり着させたものだ。
「あっ!もしかして、わたしが外套を奪ってしまったせいでお風邪でも…」
「いや、違う」
 テオドリックはキセが慌て始める前にきっぱりと言った。
「でも、そうだな。少し腹が空いた。あんたは?」
「ぺこぺこです」
 キセは輝くような笑顔で言った。テオドリックの顔も自然と和らぐ。
「城下の大通りに美味しいパイを焼くお店があるんですよ」
「では、案内を頼もうか」
 城下の大通りは黒い石畳が美しく敷き詰められ、人馬の通路が左右両端と中央部分で分けられており、立ち並ぶ商店や銀行の店先にはきちんと馬留めの石柱が置かれていた。この王城へ一直線に繋がるメインストリートは、長く土が剥き出しの状態で今ほどの道幅もなく行き交う人々が苦労していたのを、オーレンが即位してから自らも設計に加わって整備し、商店や邸宅などの整理や改修も合わせれば完成まで十余年を費やしたもので、‘オーレン通り’と、その名が付いている。
 テオドリックはキセからその話を聞いた時、途方もない思いで辺りを見渡した。アストレンヌでは縄張りをしてある場所もあるが、これほど細かく整然とした街並みに作り変えることは、現状では不可能だろう。と言うより、ここまでの普請事業ができるほどの経済力には遠く及ばないという方が正しい。
(戦時にあってこの豊かさか)
 と思わざるを得ない。
 普請事業といえば、前方にそびえるオアリス城もそうだ。
 黒い瓦屋根の破風造りで、クーポラの塔の頭がその奥に見えているが、周囲は足場が組まれ、大々的な改修工事を行っている最中であるらしい。オーレン王が即位してすぐに始まったというが、それから三十年近くにもなるというのに、未だに終わっていない。
「お父さまが意匠を凝らしている場所がいくつかあるのですが、政務で忙しいですから、普請が動き出した途端に長らく止まってしまうことがよくあるんです。城下や地方の普請を優先させているという理由もありますが…。なかなか完成しないのは、そのためですね」
 と、腕にかごを下げたキセが店先でパイを選びながら言った。バターとパイの焼ける匂いがテオドリックの胃袋を激しく揺り動かした。パイ屋の店主が奥から新しく焼けたナッツと蜂蜜のパイを持ってくると、キセは店主から焼きたてのパイを二つもらい、更に帆立のパイとキノコのパイも二つずつ買った。テオドリックはそれにチーズとトマトのパイも追加した。
「俺はいいが、あんたはそんなに食べられるのか?」
 テオドリックはキセの細い腰に自然な動作で触れ、髪にキスをした。キセは心臓が飛び出しそうな程に動揺した。が、すぐに気付いた。城下の人々へ向けてのアピールが既に始まっているのだ。いくら顔が火を吹きそうでも平然としていなければならない。
「勿論です。小さい頃からチビのくせによく食べるなって、お兄さまたちに揶揄われていたくらいですよ。王女なのに人前であんまりたくさん食べるなと叱られてしまうこともありましたけど…」
 ふふ、とキセは笑った。テオドリックが目を穏やかに細めて笑いかけてくると、おさまったように思えた動悸がまた激しくなった。
「俺はあんたが食事をしているのを見るのが好きだな」
「そ、そうなのですか?どうしてまた…」
「なんでも幸せそうに食べるから」
 それから、俺があんたを食べるところを想像できるから。とは言わないでおいた。万が一にも目の前で食事をしてくれなくなったりでもしたら、一大事だ。
 テオドリックの隠された意図には全く気付かないまま、キセははにかんで言った。
「だって、麦の穂も木の実もキノコもそれぞれはそのままでは食べられませんけど、それらを組み合わせて手を加えて、こんなに美味しいものを作り出せるなんて、魔法のようだと思いませんか?」
「俺はどちらかと言うと錬金術に近いと思う」
「あ、それはとても的を射た表現ですね」
「それならあんたも錬金術師だろう。最初の夜に振る舞ってくれた料理はどれも美味かった」
 そんな二人の様子を微笑ましく眺めていた肉付きの良い店主が、ニコニコと相好を崩しながらリンゴのパイをおまけしてくれた。
「ありがとうよ、お嬢さん。うちのパイは絶品だよ。何せ我らがキセ姫さまが小さい時分からお気に入りなんだ。特にその蜂蜜の…――あ!?」
 店主はたった今パイを売った女性がかつて幼く高貴な常連客であったキセ姫だと気付いたらしい。キセはテオドリックと顔を見合わせた。テオドリックは悪戯が成功した子供のようにニヤリと笑い、キセもくすくす笑った。
「これは――」
 と、慌てた店主が茶色い編み帽子を脱ぎ、ビシッと直立した。
「覚えていてくださって、ありがとうございます」
 店主は「はあぁ」と驚きの声をあげ、感じ入ったようにつぶらな目をしぱしぱさせた。
「なんと、お美しくなられて…」
 店主が膝をつこうとすると、キセは素早く動いてその手を取った。
「ごあいさつはリンゴのパイだけで十分すぎるほどです」
 これに感激したらしい店主は太い指で涙を拭うようにした後、連れの紳士が誰であるのか気になったらしく、テオドリックの方を向いてちょっと不思議そうな顔をした。
「では、店主。キセ・・のおすすめをじっくり味わうことにする」
 テオドリックは追及が始まる前にニヤリと笑ってキセからパイの入った網かごを受け取り、その手を取って店を後にした。これで噂が広まるはずだ。――キセ姫が男を連れてオアリスへ帰ってきた、と。
 二人は城下の中心にある広場の噴水の縁に腰を下ろしてパイを食べた。そこかしこを子供たちが駆け回り、仲間同士で遊びにきた若者たちや家族連れ、デートをしている若い男女たちの姿もある。どうやらオアリスでは若者の間で明るい色の幅の細いタイが流行っているらしい。広場の周囲には焼き栗やドライフルーツ、外国の酒や茶を売る露店が出ているから、暇つぶしや散策にはちょうどいい場所だ。市中を見回る青い外套の騎馬兵の姿もあるが、自由でリラックスした空気に満ちていた。王都オアリスの治安はかなり良いようだった。
 そしてパイはキセの言う通り、絶品だ。
「うまい」
「そうでしょう。子供の頃からの大好物です。ほんとうはお肉のパイも好きなのですが、今日は品切れでした」
 テオドリックは揶揄うように片方の眉を吊り上げ、ニヤリとした。
「オシアスなのに?」
「実は、そうなんです」
 キセは恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「オシアスになってからはお魚以外のお肉は口にしていませんが、今パイ屋さんに行ったらあの味を思い出して…」
 キセは両手でパイを包みながらうっとり目を閉じた。きっと記憶の中にあるミートパイの味を反芻しているのだろう。テオドリックの口元が綻んだ。
「でも品切れだったということは、オスイア様が‘あなたはまだオシアスなのだから我慢なさい’と導いてくださったのですね。誘惑と戦う余地がなかったのは、幸運でした」
 キセはくすくす笑ったが、テオドリックの視線がそれをやめさせた。この目は見たことがある。
 ――出会った日に夜の海で見た、唇が触れ合う直前のそれだ。
 周囲から聞こえる子供たちの笑い声も噴水の音も、全てが聞こえなくなった。一瞬、テオドリックの唇が重ねられる場面を想像した。
 そのとき不意に伸びてきたテオドリックの指はキセの口元を拭い、すぐに肌から離れた。
「ついてる」
 低く囁いたテオドリックの唇が可笑しそうに弧を描き、キセの唇を拭った指を舐めた。その仕草がやけに淫靡だった。テオドリックが切れ長の目を細めて唇を吊り上げると、火が吹き出るかと思うほど顔が熱くなった。自分がまだ神官であることを自覚していながら不埒な白昼夢を見てしまうなんて、不謹慎にも程がある。キセは小さな声で礼を告げ、涙目になりながらパイを食べた。
「キセ」
 テオドリックに呼ばれ、キセは赤いままの顔を上げた。テオドリックはその頬の唇の端に触れるか触れないかというところにキスをした。
 また飛び上がるほどに慌てて動揺するだろうとテオドリックは思った。可愛い反応をするから、ちょっとした悪戯のつもりだ。
 しかし、キセは予想を外れてテオドリックの唇が触れた場所をどこか名残惜しそうに撫で、頬を桃色に染めて、テオドリックの顔を見上げながら頬をちょっと膨らませた。「困った人ですね」とでも言いたそうだ。多分、人前で恋人らしく振る舞う練習のためだと思って恨み言を我慢しているのだろう。
 漆黒の瞳が潤んで自分の姿を映すと、言葉では表せないような気分になる。何か未知のものが心の深淵に入り込んでくる。テオドリックはパイを味わうことに集中することにした。

 二人は喧噪のオーレン通りを上り、アーチ型の黒い鉄柵の門前で馬を下りた。門の両脇には、鷲の紋章が白い糸で刺繍された濃紺の隊服を着た門番が槍を構えて直立している。オアリス城を間近に見ると、遠目で見たよりも普請は大がかりである事が分かった。中央の壮麗な黒い瓦の建物から左右に両翼を広げるように城郭が広がり、無骨とも言えるほどの剛健さで城下を見下ろしている。この両翼部分は全く新しい土台から造り始めたものであるらしく、外観は概ねできているが、外から見た限りでは、内部には壁以外には何もない。ここも先程キセが言っていた通り、戦や政務で滞っているのだろう。
 事前に連絡をする間もなくネリを発ったから門番に止められるかと思ったが、彼らはキセの姿を認めると、それまで無表情に徹していた顔に喜色を浮かべ、軽く握った拳を胸に当てるイノイル軍式の敬礼をして二人を迎えた。
「いつもありがとうございます」
 と、キセが声をかけると、門番たちはかしこまって深々と頭を下げた。門番だけではない。キセはバラバラと出迎えにやって来た家臣や使用人たち一人一人に声を掛けて労い、彼らもまた心からの敬意を持って彼らの王女に接しているようだった。一分も経たないうちに、キセの周りには彼女の帰還を喜ぶ者たちの人だかりができた。
 この城には、本物の家族のような温かさが存在している。と、テオドリックは感じた。故郷では既に失われてしまったものだ。
 彼らはキセだけではなく、彼女が連れ帰った客人にも真心を持って出迎えた。無論、例外はある。特に若い女性の多くはうっとりと秀麗なテオドリックの容姿に見蕩れて呆けた顔をし、一部の男たちからは刺すような敵意を感じた。テオドリックがエマンシュナ人だと知れたからではない。単純に、彼らの憧れの的であるキセ姫が連れてきた男であると言うだけで敵意を持つに値するのだ。
 テオドリックはキセの腰を抱いてふわふわの髪にキスをし、いつも女性を虜にするときに見せる笑顔をキセに向けた。
「王女殿下、そろそろ案内を頼めるか」
 キセはじわじわと顔を赤くしながら頷いた。
 その時、城の大きな半円形の扉から足早に出て来た男がいた。年の頃はテオドリックと同じくらいの、キセよりも少し茶色がかった黒髪の男で、背はそれほど高くないが明るいグレーのジャケットを上品に着こなし、広場で見た若者たちと同じような流行の形の煉瓦色のタイをしている。こうして男の格好をしていなければ、完璧に女性に見えそうな顔立ちだ。それも、かなり美人の。
 キセの元に集まっていた使用人や家臣たちは頭を低くして一歩下がり、その男を迎えた。
「キセ・ルルー!」
 男が満面の笑みで呼んだ。笑った目元がキセとよく似ている。
「イユリお兄さま!」
 キセも同じくらい嬉しそうに笑い返し、一直線に走って来た兄と抱擁を交わした。
「驚いた。また綺麗になったな」
 イユリは茶色い目を愛おしそうに細め、キセの髪をまるで恋人にするように優しく撫でて、両方の頬と鼻の頭にキスをした。
 兄妹なのだからその程度の触れ合いがあっても別段おかしくはないが、自分でも不思議なことに、テオドリックは挨拶を交わす前からイユリ・スキロス王子が嫌いになった。こういう感情は持ったことがない。
「今朝セレンから鳩が飛んできた。お前が火急の用で帰ってくるとは聞いていたけど…」
 イユリはチラリと馴れ馴れしくもキセの隣に立っている男に敵意の視線を向けた。
「この兄にも紹介してくれるんだよな?」
「もちろんです!この方は――」
「後ほど、お父上もおられるところで改めてご挨拶申し上げたいが、お許しいただけるだろうか、兄上」
 テオドリックが少しの不快感も表に出さずに微笑を浮かべて言うと、イユリはキセと似た穏やかな目でにっこりと笑った。
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