獅子王と海の神殿の姫

若島まつ

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十二、泉の白い花 - un fiore bianco alla fontana -

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「おい」
 テオドリックはやや硬めのソファに腰掛けながら、キセに苦々しく呼びかけた。キセはといえば、部屋の東側の小さな窓に向かって祈りの言葉を唱え続けている。ネリの海がある方角だ。空き部屋がもう無いことを知ってからというもの、三十分はこんな調子でいる。
「神に祈るな」
「無理です…」
 キセは絞り出すように訴えた。
「何か不本意なことが起きるたびにそうやって呪文を唱えるつもりか」
「お祈りです。お、落ち着くんです。気持ちが。こうしていると…」
 テオドリックは小さく溜め息をついた。別に妻になる女が理解不能な神々の言語で祈りの言葉を唱えるのを止めるつもりはないが、とても効果があるようには見えない。
「妻になることを承知しただろう」
「でも…、まだ正式に夫婦になっていないのに同じ部屋で寝泊まりするのは、…ちっ、違うと思います」
 テオドリックは黙して立ち上がった。東側の窓へ静かに近付き、両手を組んで祈るキセの腕を掴み、こちらを向かせた。
 エメラルドグリーンの瞳が憂いを帯びて覗き込んでくる。キセの顔が燃えるように熱くなった。
「俺に触れられるのは嫌か」
 危険。――とキセは感じた。嫌ではない。危険なのだ。開けてはならない箱の蓋に手を掛けているような気分だ。
「…怖いです」
「俺はあんたに触れたくて仕方がない」
 テオドリックは窓際の壁に手をつき、キセの柔らかい黒髪をひと束持ち上げてその先にちょんとキスをした。
「髪も肌も、目も、あんたの全てに誘われる」
 痛い。痛いほどに心臓が暴れている。テオドリックの親指が顎に触れた瞬間、身体が震えた。
「もう一度訊く」
 キセはテオドリックに促されるまま、上を向いた。恥ずかしい。ひどく落ち着かない。それなのに、テオドリックの目の色と体温が、声が、心地よいとどこかで感じている。
「こうして俺に触れられるのは嫌か」
 テオドリックの手が腰に伸び、キセを抱き寄せた。
「テオ――」
 キセが言葉を発する前に、テオドリックはその唇を塞いだ。キセは唇を閉じている。テオドリックが上下の唇を交互に啄むと、キセは甘やかな唸り声を漏らした。
「んんっ…、まだ――」
 返事をしていません、とは続けられなかった。キセが抗議のために口を開けた瞬間をテオドリックは逃さず、中へと舌を潜り込ませた。舌が奥へ伸びてキセのそれに触れ、キセにも同じ事を促すように絡まった。
 くらくらする。テオドリックの手が腰を支えていなければ、きっととっくに倒れてしまっているだろう。どんなにこの息苦しさから逃れようとしても、テオドリックがそれを許さない。
「キセ」
 テオドリックが僅かな隙間から低い声で呼んだ。唇が微かに触れ合い、吐息がキセの唇をくすぐる。
「まだ怖いか」
 言いながら、テオドリックはキセが胸の前で祈るように組んでいる両手に優しく触れてそれをほどいた。キセが目を伏せると目元に黒く長い睫毛が落ち、その煙るような影の下で潤んだ漆黒の瞳が秘めやかに輝いた。キセが首を微かに横へ傾けた瞬間、テオドリックはキセの手を引き、自分の肩へ導いた。
「それは‘いいえ’だな」
「あ――」
 テオドリックはキセの腰を強く引き寄せ、上から覆い被さるようにして唇を重ねた。
 キセは頭の中の小さな混乱を受け入れた。テオドリックに導かれて肩に置いた手も、キスに応えた自分も、取り消そうとは思わなかった。
「息をしろ。もっと舌を伸ばせ」
 テオドリックが命じるまま、キセはおずおずと舌を伸ばしてテオドリックの舌をそろりと舐めてみた。が、その温度と滑らかな感触にびっくりしてすぐに引っ込めた。テオドリックが催促するようにキセの舌を舐めたので、キセはもう一度繰り返した。身体が熱い。テオドリックと部屋の壁に挟まれている閉塞感が、胸をさらに締め付けた。
「ふ、あ…」
 キセの苦しそうな声とたどたどしく触れてくる舌がテオドリックに火を点けた。更に強くキセの細い腰を抱き寄せ、隙間もないほどに身体をくっつけた。キセが受け入れた口付けを少しでも長く味わえるように堪能しながら首筋に触れ、長い黒髪の生え際に指を差し込み、もう片方の手で頬を包んだ。
 もっと欲しい。
 テオドリックはキセの髪を弄る自分の指が首筋を通って肩へ下り、肩口のボタンへと伸びるのを止められなかった。
(くそ)
 自分から誘惑しておいて、この体たらくは何だ。彼女の初々しい挙動と思いがけず艶っぽい反応に我を失うほどの欲望を抱かずにはいられない。
(やめておけ)
 王太子妃になる女性だ。今ドレスを脱がさなくても、それほど長く待たずにその時は来る。今日は初夜として似つかわしくない。結婚の許しを得る前にきずを付けたとオーレン王に知られれば、十中八九命は無いだろう。それなのに、細い肩を掴む手が彼女の身体を離したくないと言っている。キセの滑らかな舌の感触を、もっと別の部分でも味わいたい。
 テオドリックはそう思ううちに、唇をキセの首筋へと移動させていた。――その瞬間だ。声にもならないほどの微かな悲鳴で我に返り、テオドリックは飛び退くようにキセから離れた。
 夜の闇のように黒い瞳が潤み、頬に涙が流れ落ちている。自分の手は無意識のうちに肩のボタンを外していた。襟が開かれて淡い空色の袖が二の腕に落ち、白い肩が露わになっている。
 今までに経験したことのない罪悪感がどっと胸に押し寄せた。同時に、それと同じくらい今すぐキセを手に入れたい欲望が激しく膨れ上がった。このせめぎ合いと混乱が、テオドリックを木偶のように動けなくさせた。
 無様だ。十代の頃に淫蕩の限りを尽くしたというのに、二十歳をいくつか超えた今、男を知らない乙女に翻弄されている。
 やおら伸びてきたテオドリックの指が頬を拭った時、キセは初めて自分が涙を流していたことを知った。
「今度は本当に怖がらせたな」
 肩に触れられ、キセの意思とは無関係に身体がびくっと跳ねた。テオドリックの手は一瞬の躊躇の後、乱れた袖を直し、肩のボタンを留め始めた。
「あ、あの、今のは…」
 唇を重ねてから初めてキセはテオドリックの顔を直視した。エメラルドグリーンの瞳が陰鬱に翳り、鈍い金色の眉の間に刻まれた谷が後悔を表している。キセは言葉を発することが出来なくなった。そもそも、何と言うつもりだったのかも分からない。それくらい混乱していたし、今も自分の身に起きたことを全て理解するまでに時間が必要だ。
(わたしに起きたこと…)
 頭が爆発する音が聞こえた気がした。一気に顔が茹で蛸のように真っ赤になったのが自分でも分かる。春の夕べの空気はひんやりとしているのに、汗が吹き出すほど顔が熱い。
 キセの服の乱れを直し終えたテオドリックはキセの涙の跡をきゅっと親指で撫でた後、彼女から離れた。
「…頭を冷やしてくる。あんたも温泉に入るといい。貸し切りにしたから、誰にも気兼ねする必要は無い」
「は、はい…。ありがとうございます…」
 礼を言い終わる前に、テオドリックはキセに背を向け、扉へと向かっていた。
 扉の閉まる音を聞き、キセは顔を覆ってずるずるとその場にへたり込んでしまった。まだ顔が熱い。とても信じられない。自分があんなことを――と、キセは立てた膝に額を付けて小さくなった。テオドリックを非難する気持ちは微塵も湧いてこない。それよりも、いわゆる‘淫らな’口付けに夢中になってしまった自分が情けなく、恥ずかしかった。涙の理由は恐怖からではない。それを本能的に望んだ自分自身への戸惑いから来るものだった。
 あの時知ったのだ。この世に国も人々も神々もなく、テオドリックとキセだけの世界が存在することを。
 オシアスとして世のため人のために人生を捧げようと生きてきたキセにとって、それはひどく驕慢で、あまりに身勝手な考えだ。祈りの言葉さえ浮かんで来なかった。女神との繋がりが絶たれたような気がして、ひどく辛い気持ちになった。それなのに、それ以上に去り際にテオドリックが見せた憂鬱な表情が、まるでガラスの破片で刺されるような痛みを心に刻んでいる。
「…温泉。温泉に入りましょう。こういう時は温泉です」
 キセは自分に言い聞かせるように呟いて、のろのろと立ち上がった。

 テオドリックは宿屋の近くにある酒場で一番強い酒を頼み、喉に流し込んだ。カッと喉が焼ける。
「そいつはそうやって飲むものじゃねえぞ」
 所々にささくれのある古びたカウンターの奥から、黒染めのシャツを着た店の男が話しかけてきた。
「お客さん、巡礼かい?」
「…?ああ」
 上衣を宿屋に置いてきたことを忘れていた。テオドリックが自分の胸に視線を落とすと、白いシャツに帆立の首飾りが透けて見えている。
「そうだな」
 と、適当な返事をしたが、全くの嘘ではないとテオドリックは思っている。自分にとっての女神を迎えに行ったようなものだ。たった今、頓挫させる原因を作ったばかりだが。
「悩みがあるなら、言ってみなよ」
(またこれか)
 テオドリックはいい加減うんざりしてきた。この国には王太子の自分に向かって憐れみの言葉を掛ける国民しかいないのだろうか。
「イノイル人は揃いも揃って…」
「なんだよ、どこの生まれだ?」
「…ずっと西の方だ」
「エマンシュナとか?」
 テオドリックはギクリとしたが、男はすぐにガハハと大口を開けて笑い出した。気の利いた冗談のつもりだったのだろう。
「笑えるな」
 と、ニコリともせずに言った。そこへドヤドヤと常連客らしい男たちが五、六人現れ、店の男に次々に酒を頼み始めた。全員シャツの上に織物や革のベストを着ていて、身なりは悪くない。田舎町の中産階級と言ったところだ。
 テオドリックは安堵した。常連客に気を取られて店の男の関心が自分から逸れたからだ。しかし、そう簡単にはいかなかった。常連客のうち一番年上らしい灰色の頭の男がそばに立つテオドリックをちらちらと見、やがて店の男とテオドリックを交互に見て口を開いた。
「見ねえ顔だな。旅行者かよ」
「巡礼だと。元気がねえから、話を聞いてやろうと思ってたところさ」
 テオドリックが口を開く前に、話がどんどん膨らんでいる。こういう類の人間は、今まで身の周りにいたことがない。段々イライラしてきた。何故今しがた会ったばかりの――しかも名前も知らない連中に自分のことをベラベラ喋らなければならないのか。
(こいつらは頭がおかしいのか)
「ハッ」
 とこの時笑ったのは、苛立ちではなくあのやたらと強いイノイルの酒のせいだったのだろう。事実、テオドリックは意志に反して驚くほど饒舌につい先刻起きたキセとの一件を彼らに話してしまった。
「なんだそんなことでそんなに落ち込んで」
「ただの痴話喧嘩かよ」
「お前童貞か?」
 男たちは口々にそんなことを言ってテオドリックの神経を逆撫でしたが、
「で、もちろん謝ったんだよな」
 この一言で苛立ちが消えた。不覚にも、狼狽えてしまった。
「…いや――」
「じゃあ、お前さんは今罪の告白をしたってのに、悪いことをしたと認めていないわけだな?」
 一番年上の男が思慮深い目つきでテオドリックを見た。
「思っては、いる。だが俺は謝るなと言って育てられた」
(何を馬鹿正直に話している)
 と後悔したが、もう話してしまった。まるで大人に叱られる子供のような気分だった。屈辱的だ。
「それも良いと思うぜ。いい親だ。だがよ、惚れた女の前じゃそんな理屈は捨てたほうがいいな」
(――惚れた女?)
 テオドリックは酒場を離れた後も、そのことばかり考えていた。
 キセ・ルミエッタ王女は確かに魅力的だ。容姿は可憐で美しく心穏やかで、飾らない彼女との会話は面倒な駆け引きがなく純粋な楽しさがある。その上、肉体的にも惹かれる。その結果がさっきの醜態だ。
 が、それは必ずしも惚れているという状態に当てはまらない。気に入ってはいるし、彼女に気に入られる必要もあるが、それだけでいい。彼女とは夫婦として互いに割り切った存在でいるほうが合理的だ。何故ならばこの上なく政治的な婚姻を結ぼうとしているのだから。政治に愛が絡むと、ろくな事が起きない。
 テオドリックはずきずきと非難がましく痛む頭を押さえ、宿へ帰ってきた。
 まったくあの男たちはどうかしている。こちらは三杯飲んだだけで頭痛がし始めたというのに、辛くて喉の焼けそうなイノイルの酒を二時間の間に五杯も六杯も飲み干していた。しかし、知らない男たちと酒を酌み交わし個人的な話をするというテオドリックにとって初めての経験は、不思議と悪くなかった。――まあ、彼らの忠告を聞くかどうかは別だが。
 テオドリックは部屋へ戻る前に、温泉に入ることにした。キセに温泉を勧めてから二時間も経っているから、彼女ももう部屋に戻っているはずだ。
 テオドリックは足元のランプに導かれるように進み、一階の奥に設けられた杉板の戸を開けた。夜気が川の流れる音とあの鼻につく独特な匂いを運んでくる。女将が温泉を貸し切りにした上客のために用意したらしい篝火が煌々と辺りを照らしているから、足元の大ぶりな平たい黒い石畳も、赤っぽい色の瓦造りの庇もよく見える。
 数メートル先に籐を編んだ大人の背丈ほどの衝立があり、その奥から濛々と湯気が立ち昇るのが見えた。庇の下に簡素な棚と布が置かれているのは、どうやらここで服を脱げという意味らしかった。
 屋外で裸になるのはあまり落ち着かないが、キセにも言った通り貸し切りにしたから他人に気を使う必要もない。
 衝立の奥には天然の岩を敷き詰めて作ったような趣きの広い浴場があった。湯は白く濁っている。屈んで手を入れて掬い、匂いを嗅いでみた。何度嗅いでも妙な匂いだ。だが、慣れてきた気がする。岩風呂の手前に小さな桶と石鹸を見つけたので、頭と身体をガシガシと洗って流した後、温泉に足をつけてみた。
 熱い。
 肌がひりつくほどだが、強烈な酒を飲みすぎた後にはこれくらいが丁度いい。肩まで身を沈めてみると熱い泉の生命力が肌の奥に入り込んでくるような感覚だった。キセの言う通り、なるほどこれは気持ち良い。が、この温度では浸かっていられて十分がせいぜいだろう。頭までふやけそうだ。
(アストレンヌにないのが残念だ)
 と、この妙な匂いのする泉を存外気に入ってしまった自分がおかしかった。
 暗がりではわからなかったが、中に入ってよく見ると、浴槽は思ったよりも広かった。どれくらいの広さがあるか見てみようと篝火の灯りが届かないほど奥まで行ってみると、どこからか川の水が混ざるのか、温度の低い場所がある。ここなら何時間でもいられそうだ。
 テオドリックは脚を伸ばした。不意に、爪先に柔らかいものが触れた。頭で考えるよりも先に身体が人間の肌だと認識し、驚きのあまり飛沫を上げて立ち上がった。
(まさか)
 と思いながら近付いてみると、キセだった。
 しかも、ゴツゴツした岩の隙間に器用に頭を挟み込み、気持ちよさそうに寝息を立てている。幸い――と言うべきか、暗がりで胸から下は乳白色の湯に隠れているから、肩までしか見えない。
(正気か)
 入浴中に眠ってしまうキセも、それを見て欲望を募らせる自分も、どちらもどうにかしている。
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