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しょ、初級薬品ですよ? 本当です (表)

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戦闘科とは名前の通り戦闘について学ぶ科である
約7割の生徒が聖内学園では所属しているがもちろん別の科もある

未知の物質を研究したり、既存の薬品よりはるかに優れた薬品を作ったりもする

どちらかというとむしろそっちの方が一般人の助けになっていることが多かったりする

そんな中の一つの「生産科」文字通り新たなものを「生産」する科のエリアに僕はきている

なぜ僕がそんなところに来ているのかというと学園長に

「武くんは無能力者ということもあるから装備を念のため作っておいた方がいいんじゃない?」

と言われ、費用も出してくれるらしく、腕の良い人物まで紹介してくれるということだ

まぁ一応決闘用の服もかなり丈夫なものではあるのだが、ぶっちゃけあれはバンバン戦うぜ!みたいな服なので自分専用の装備は持っといた方がいいだろう

生産科の研究所の中を歩いていると結構な視線に晒される
逃げるように移動しながらある部屋の扉の前まで辿り着く

「305号室…ここか」

ここに、その人がいるらしい、なんでも装備の開発と薬品の開発の腕前がすごいらしい。もうすでに革新的な薬品を何個も作っているとか

ノックをする

「はーい、どーぞー」

返事が返ってきたのでドアを開け中に入る
すると黄色の液体と赤色の液体を混ぜ合わせている最中の、ピンク髪の女の子がいた
そして何故か近くにはカル○スの空き瓶が大量に転がっていて、今もコップに入れて飲んでいる

「あー、あなたが武さんですか?」

「はい、斎藤武です」

「じゃあこっちにきてください、採寸するんでー」

「わかりました」

そして、あらかた採寸が終わると紙を渡された

「そこに、希望を書いてください、それに沿った装備作るんで」

「あぁ、なるほど」

といってもどうしようか…
まぁ、出来るだけ逃げることに徹する感じがいいかなー
ぶっちゃけあまり丈夫にしても捕まったら意味ないし…
とにかく逃げる機能をいっぱい付けてもらおう

「こんな感じで」

「あー、了解しました、今日はこれで終わりですね」

もう終わりなのか、どうしよう?帰ろうかな

「せっかくだし、薬品製作でもしてみます?」

薬品製作か、面白そうだな

「良いんですか?じゃあやってみたいです」

「なら、これがレシピです、この通りに作れば初級薬品が出来ます。材料はあそこの棚の上から2番目の赤い薬品とあれとあれと…」

「分かりました」

「じゃあ、ちょっと用事あるから出かけてくるね」

「え?はい、わかりました」

こんな初心者に全部任せちゃって大丈夫なのか?

彼女が出ていった後早速初級薬品を作り始める
レシピはほとんど混ぜるだけで難しそうな所はない、これなら簡単に作れそうだ

えっとまずはこの薬品とあの薬品をビーカーに入れて混ぜてと…

ジョバッ

あ、やべ、いれすぎた、まぁまだ大丈夫大丈夫

次はこの薬品を入れて…うん?あ、これ隣の薬品だ…
………まぁ、なんとかなるだろう

次はこれを入れる…、え?潰して入れるの?
…………………まぁ、そんな関係ないだろ

次は出来たこれを熱する…ん?100℃なの?200℃にしちゃったけど…
………………………………………もう、いいや


$ $ $ $ $

よし完成!見た目が完全にカル○スだけど…匂いもそうだし
試しにグラスに入れて置いてあった本物の隣に置いて比べてみてもそっくりだ

初級薬品って緑色になるはずなんだけど…大丈夫かなこれ?

ガチャ

そんなことを考えているとドアを開けて誰かが入ってきた
見ると、車椅子に乗っている女性がいた

「あれ?貴方は?」

「あ、僕は斎藤武と言います、ここに装備の製作を頼みにきてて」

「あぁ、そうなの、ならあの子はいないのね」

と言って、僕が作った薬品と大量のカル○スを見た後、

「またあの子こればっかり飲んで…、そんなに美味しいのかしら?」

と言ってグラスに入っていた僕のカル…じゃない初級薬品を飲んでしまった

(え、いやちょっ!)

そして僕の薬品をしっかりと飲み干した後

「美味しいとは思うけど…こんなに飲んだら病気になっちゃうわ」

(え、バレてないん?)

どうやら奇跡的にバレてないようだ、でもあの人が帰ってきたりしていたバレるかわからない、さっさとこの場を去ろう

「あ、じゃあ僕そろそろ帰りますね!」

「そうなの、じゃあさようなら」

「はい!さようなら!」

急いでその部屋から出て、この場を去る

(焦ったぁ…、大丈夫かな、あれ)

あの薬品を飲んで何も起こらないか心配しつつ、僕はその場を去るのであった

(そういや、あの人の名前聞いてなかったな)
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