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聖内学園への入学 (表)
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目の前には僕の何倍もある、高級そうな門が立っている。
今日僕は、学園長に呼ばれて聖内学園に来ている。
この学校の説明や、案内、入学手続き等をするらしいが…
どうすればいいんだろうか。門は閉まっているけど、ここ以外から入れそうな所もないし……
そんなことを僕が考えていると、こちらに向けて誰かが歩いてきた。
長い白髪に、整った顔立ち。見ていると引き込まれそうになる雰囲気を纏っており、一瞬見惚れてしまった。
「斎藤武様ですか?」
「 は、はいそうです」
「フフッ、そんな畏まらなくても大丈夫ですよ」
「分かりました」
「では、案内するのでついてきてください」
そう言いながら、彼女はいつの間にか空いていた門を通り、学校の中に入っていく。そこに僕もついていき門を通る。
やはり、中は広く校舎以外にも様々な施設が散在している。
こんなところに僕は通うかもしれないのか…
そのまま校舎の中に入り「学園長室」という看板が下げられた部屋の前まで連れて来られた。
「では、私はこれで」
「あ、はい。ありがとうございました」
彼女に別れを告げる。この中に入れば良いのかな?
コン コン
「失礼します」
ノックをして中に入ると、学園長と思わしき人が椅子に座っていた。
「よく来てくれたわね、斎藤くん…で良いかな?」
「あ、はい、そうです」
「まぁ、時間もないことだし、さっさと本題に入っちゃうわね、編入の件についてはーー」
「そのことについてなんですが、僕無能力者ですよ? 他にも大した特技はありませんし、何かの間違いだと思います」
「そのことについてはこちらも了解してるわ、ここの学校に在籍する以外は貴方は普通の高校生と同じ生活をしてもらっても構わないわ」
「そ、そうなんですか?」
本当に間違いじゃなかったのか? ならなんのために?
「えぇ、もう話は通っているから、異能力が必要な授業や戦闘訓練に関しては免除してもらうし、寮の用意も完了してるわ」
「至れり尽くせりじゃないですか…」
それなら、事情はわからないけれど無理して断る必要はないのでは?
寮に住めば、交通費の問題もないし、この高校を卒業したという実績だけが手に入るし……
「分かりました、問題ないです」
「じゃあ、この学校のことについて説明させてもらうわね、この学校は生徒が科ごとに分けられているんだけど、約7割が戦闘科に属しているの」
「多すぎません?」
いくつ科があるのかは知らないが、7割は多すぎやしないだろうか
「誤差はあるけど、どこも大体こんなものよーー
で、貴方には戦闘科に入ってもらうわ、これはやむを得ない事情があってね、しょうがないのよ」
「変えられないんだったら仕方ないですか…」
思うところはあるが、そこまで関係はないだろう
「クラスに関しては、後々決まるんだけど、貴方は寮で暮らしてもらって、そのクラスで受けられる授業を受けて貰えばあとはどこで何をしてもらっても構わないわ」
「分かりました」
「じゃあ説明はそのぐらいかしら…、あっ、大事なことを忘れていたわ、この学校にはレート制というものが存在するの」
「レート制、ですか?」
なんだそれは、名前から察するによさそうなものではなさそうだな。
「決闘という生徒同士の戦いを申し込めて、その結果に応じてポイントが変動し、月ごとにランキングが出るとだけ覚えておけば良いわ、決闘は断れるし、配布された端末で全部拒否を押せば良いだけよ」
「まぁ、そんなものに興味はないですし、あまり関係なさそうですね」
というかやったら負ける自信しかない、徒競走万年5位の身体能力を舐めるな
「じゃあもう今日は帰って良いわよ」
「もうですか?」
「今日は実際に貴方を見てみたかっただけだしね」
そう言われたのでそのまま帰路についた。
両親がいない僕を引き取ってくれた叔父さんに話を通すとあっさり了承してくれたし、取り敢えずどうにかなったのかな?
今日僕は、学園長に呼ばれて聖内学園に来ている。
この学校の説明や、案内、入学手続き等をするらしいが…
どうすればいいんだろうか。門は閉まっているけど、ここ以外から入れそうな所もないし……
そんなことを僕が考えていると、こちらに向けて誰かが歩いてきた。
長い白髪に、整った顔立ち。見ていると引き込まれそうになる雰囲気を纏っており、一瞬見惚れてしまった。
「斎藤武様ですか?」
「 は、はいそうです」
「フフッ、そんな畏まらなくても大丈夫ですよ」
「分かりました」
「では、案内するのでついてきてください」
そう言いながら、彼女はいつの間にか空いていた門を通り、学校の中に入っていく。そこに僕もついていき門を通る。
やはり、中は広く校舎以外にも様々な施設が散在している。
こんなところに僕は通うかもしれないのか…
そのまま校舎の中に入り「学園長室」という看板が下げられた部屋の前まで連れて来られた。
「では、私はこれで」
「あ、はい。ありがとうございました」
彼女に別れを告げる。この中に入れば良いのかな?
コン コン
「失礼します」
ノックをして中に入ると、学園長と思わしき人が椅子に座っていた。
「よく来てくれたわね、斎藤くん…で良いかな?」
「あ、はい、そうです」
「まぁ、時間もないことだし、さっさと本題に入っちゃうわね、編入の件についてはーー」
「そのことについてなんですが、僕無能力者ですよ? 他にも大した特技はありませんし、何かの間違いだと思います」
「そのことについてはこちらも了解してるわ、ここの学校に在籍する以外は貴方は普通の高校生と同じ生活をしてもらっても構わないわ」
「そ、そうなんですか?」
本当に間違いじゃなかったのか? ならなんのために?
「えぇ、もう話は通っているから、異能力が必要な授業や戦闘訓練に関しては免除してもらうし、寮の用意も完了してるわ」
「至れり尽くせりじゃないですか…」
それなら、事情はわからないけれど無理して断る必要はないのでは?
寮に住めば、交通費の問題もないし、この高校を卒業したという実績だけが手に入るし……
「分かりました、問題ないです」
「じゃあ、この学校のことについて説明させてもらうわね、この学校は生徒が科ごとに分けられているんだけど、約7割が戦闘科に属しているの」
「多すぎません?」
いくつ科があるのかは知らないが、7割は多すぎやしないだろうか
「誤差はあるけど、どこも大体こんなものよーー
で、貴方には戦闘科に入ってもらうわ、これはやむを得ない事情があってね、しょうがないのよ」
「変えられないんだったら仕方ないですか…」
思うところはあるが、そこまで関係はないだろう
「クラスに関しては、後々決まるんだけど、貴方は寮で暮らしてもらって、そのクラスで受けられる授業を受けて貰えばあとはどこで何をしてもらっても構わないわ」
「分かりました」
「じゃあ説明はそのぐらいかしら…、あっ、大事なことを忘れていたわ、この学校にはレート制というものが存在するの」
「レート制、ですか?」
なんだそれは、名前から察するによさそうなものではなさそうだな。
「決闘という生徒同士の戦いを申し込めて、その結果に応じてポイントが変動し、月ごとにランキングが出るとだけ覚えておけば良いわ、決闘は断れるし、配布された端末で全部拒否を押せば良いだけよ」
「まぁ、そんなものに興味はないですし、あまり関係なさそうですね」
というかやったら負ける自信しかない、徒競走万年5位の身体能力を舐めるな
「じゃあもう今日は帰って良いわよ」
「もうですか?」
「今日は実際に貴方を見てみたかっただけだしね」
そう言われたのでそのまま帰路についた。
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