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6章

74 カメvs川獣

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探索神 ルナール 視点

さて、グルメツアーは肉山菜キノコを食べたわけだけど、マグロンを魚に入れていいのかと、リアと話し合った結果なしになった。
仕方ない、あれは陸魚人?だからね。

そんなわけで海がダメなら川ということで、私達は世界に三本しか無い川の1つ星見川に来ています!
この世界の川は水殿と呼ばれる水の精霊王が住む、空中にある社から三方向に向かって放出されている。

その川の1つの星見川は生の川とも呼ばれ陸に生きる生物の為の水を運ぶ川である。
他の川は月夜川と陽光川で、月夜川はブルーサファイア海岸に繋がっており、塩分を含んでいて人魚種など水辺に生きる生物の為の川。
そして、陽光川は植物の為の川で世界樹の母の本体に流れている。川が枯れれば生き物が死ぬ為、物凄く管理されている。

さて、なぜ私達が水辺の生き物が好む月夜川ではなく、星見川にいるかというと、この時期に、うっかり月夜川と間違えて登ってくるおバカな水中魔物の個体を捕獲する為である。

名前はアラマキ、間違えて月夜川に登ってくる為、栄養を取りすぎ丸々と太ったことで油を蓄えるので焼き魚や煮物に最高の素材となるのよ。

面白いのは一度登って来て間違えたから川を下って、また間違え同じ星見川を上るアラマキは、ニドマキと呼ばれ超激レア食材である。
今回アラマキを狙いに来たのでニドマキは気にしない。
いたらラッキーなくらいね。

私が知る穴場の川のほとりに来たのだが水がない!
直接ここに転移して来た為に川の状況を知らずにいた。

「リア…これってどういうことかしら?」

「あたしも今見たからわからないわ。ただ、上流で何かあったという事しか考えられないわ。」

「そうよね…」

また厄介ごとね…
どうしようかしら?
とりあえず母に連絡して、次の食材に向かうしかないわね。

「ママに連絡してそれから次に向かうか決めるわね。」

「わかった!リリス達とその辺散策しているわ。」

リアはリリス達を連れて水の無い場所へ向かった。
(ママ、今いいかしら?)

(ルナちゃん!こっちは問題が起きててね。大変なのよ!)

(何があったの?)

(実はね…水殿が知識族に襲われたみたいなの…)

(水の精霊王も居たわよね?なんで問題になっているわけ?)

(相手は対精霊装備で来ていたらしく。抵抗虚しくやられちゃたらしいわ!)

精霊は魔法を使えるが戦闘が出来る者はほとんどいない。
精霊自身が普段見えないので襲われることがないためである。
それにもし傷付いたとしても自然に還り新たに生まれ変わるので彼らはイタズラくらいしか魔法を使わない。
精霊王も同じ考えな為に『やられちゃた!自然に帰るね!じゃね~』というノリで世代交代がよくある。

(それで水殿が襲われた理由は?)

(神気石が奪われたみたい…)

(そっち!?精霊石じゃなくて神気石って…あの…パパが1カ月便秘して出したっていう…)

(それよ!不潔よねー!)

(同感ね…)

神気石とは魔物や魔導族が魔力を溜め込み作り出す魔石と同じで、神族が神気を溜めすぎて出来てしまう結石である。
簡単にいうとティーの便と同じである。

一方、精霊石は精霊王が座る台座で代々その台座に座り魔力を注ぎ成長させる石という名の椅子である。

神気石は精霊石と水を出す神器の増幅器の役割なので代用はいくらでもある。なんならティーのアホ毛でも使用済みオムツでもいいくらいだ。
あんな物をなんに使うつもりかしら?

(少しの間は断水になるから各国に通達するのに大忙しよ。)

(それはお疲れ様!じゃあ頑張ってね!)

(待って!ルナちゃんお願いがあるの!)

面倒ごとなのはわかってはいるが母親なので話は聞こう!

(で、お願いって?)

(ティーちゃんのアホ毛でいいから水殿に届けてくれないかしら?
媒介ならなんでもいいからね。)

(もう…わかったわよ。今川を探索しているリア達が戻って…ぷっ!)

(あら?どうしたのかしら?)

(ふふふ…面白いモノを見えてしまったの…)

(気になるわね。何があったのかしら?)

(ええ…簡潔にいうとティーちゃんとアクアタートル達がアラマキと戦っているのよ。念話前までいなかったのにすごい展開になってて笑ったのよ。)

(なにそれ!?おもしろそう!見たいわ!)

(あ!?アラマキとニドマキが増えたわ!)

(本当になにが起きてるの!今すぐそっちにいくわ!)

どうやら母はこっちに来るようね。
間に合うかしら?

シュン!

「どう?まだやってる?」

母が軽いノリでやって来た…彼らは生きるために必死なのになぁ…

「さっき、戦いが終わりアラマキ達は川を下って行ってるわよ。」

数分の出来事だが、ティーがリーダーのニドマキのシッポを切り落とした事でアラマキ軍は戦意を喪失し降伏、今はアラマキ全軍が川をドシドシと音を立てながら下っている。

「嘘だと思ったけど、シッポがないニドマキを見るに本当のようね。」

「ええ、本当よ!目の前で起きたのに私も信じられないわ。」

「確認できたからいいわ。本当は孫ちゃん達と会いたいけどノルマンさんから呼び出しが続いているから戻るわ。水殿の事お願いね!」

シュン!

母はそれだけ言うと帰って行った。
母を見送った私はリアのもとに駆け出した。

「ママと会話終わったけどなにがあったの?」

「えーとね…まず、ティーがアクアタートルを見つけて、クリスがアクアタートルの尻尾を握ってティーに水を吐いて会話していてアクアタートルの目の前にいたティーに直撃しそうになるけどその水をティーはアホ毛で防ぎ、その水は拡散して周りにいたアクアタートルにかかり次々と出て来て、何故かティークリスを乗せ軍隊行進し出して、アラマキが出現して一体目をアクアタートルだけで倒したらニドマキとアラマキ数体が現れて水の撃ち合いになって、ティーがクリスに水がかかりそうになった事に怒り、ニドマキのシッポをアホ毛で切断したらニドマキ達は降伏して川を降りて行った。正直あたしもよくわからなかった…」

ごめん…リア…何言ってるのか私もわからないわ。

とりあえずニドマキのシッポをリアから受け取り収納し、水殿に向かう事告げた。

するとどうでしょう…アクアタートルが列を作り乗れと言ってくるじゃありませんか…えーと…ごめんなさいね。
貴方達に乗るより転移のほうが早いから乗れないわ。
だからティーも乗って行け行け言わないでね。

ティーの乗ったアクアタートルはスピードが遅いのですぐに捕まえられた。

私達はアクアタートルに見送られ水殿に向かった。

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