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4章
50 時すでに遅し
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絶望(する)女神 カグリア 視点
目の前あった貴重な素材があっという間に崩れて去って落ち込んでいるカグリアよ。
結局、肉だけ確保してあとはいつものようにティーが飲み終わってからでいいやと楽観していたら残らないとは…
いつもなら素材だけ残るから大丈夫と思っていた。
ふぅ…時間が経ち落ち着きを取り戻してきた。
無くってしまったのだから諦めるしかない。
さて、SSランクなんてここら辺でも出現はしない。
それは魔素が最果ての地より少ないからである。
ランクが高い魔獣ほど魔素が多い最果ての地に集まる習性があるの
まぁ、例外もいるから全ての魔獣に当てはまることではないけどね。
つまり、誰が召喚したか、世界に異常が起きている可能性がある。
あたしが報告と調査をしないといけないと考えると頭が痛い。
何か手がかりはないものか…キョロキョロ
ん?
魔獣が開けた大きな凹みの中に見覚えがある物があった。
まさかと思い近づいた。
その物はネバネバした液体に包まれていた。
おそらく胃の中にあったものが出てきたのだろう。
あたしはアイテムボックスから同じ物を取り出し見比べた。
大きさは少し違うが間違いない…
「ティーのアホ毛が原因かー!!」
おっと、思わず叫んでしまった。
まさか、この異変の原因が娘?
ルナは知っているのかな?
いや、知っていたら言うはずだ。
とりあえず、あたしは原因と思われる…いや、原因確定のアホ毛を回収して家に戻った。
ルナにアホ毛を見せると…
「ティーちゃんの仕業ね…」
ルナも確信した。
とはいえ、ティーが意図的に魔獣にアホ毛をあげたとは考えられないので、ティーを裁くことは出来ない。
…
創造神様に報告して判断を仰ぐしかないわね。
ちなみに魔獣が落ちて空いた穴はルナが精霊に頼み戻してもらっている。
ん?待てよ?
「ルナ?精霊にお願いするときどうしてるの?」
「…精霊にお願いするとき、オムツなんて渡せないからティーちゃんのアホ毛渡して…ちょっと精霊しめてくるわ。」
「あたしも行く!」
あたし達は庭を修復中の精霊達を捕まえ尋問した。
嘘がつけない精霊は経緯を話し始めた。
イタズラ好きの精霊が宝物庫からあげたアホ毛を持ち逃げして魔獣に奪われたらしい。
もう、ツッコミが追いつかないけど、精霊が原因だと確定した。
ルナは今まで渡したアホ毛の返却と宝物庫の管理見直しを要求、後日精霊王と話し合うことを精霊達に伝えた。
よってティーは無罪。
だが、家に入ると原因のアホ毛がクリスによって量産されていた…
「イヤー!!」
あたし達は増えるアホ毛に悲鳴をあげた。
「ほら、クリスちゃん!ティーちゃんが痛いからアホ毛抜くのやめましょうね。」
ルナがクリスを離すことでアホ毛の量産は止まったが50本くらいのアホ毛の山を見てため息しか出なかった。はぁ…
ティーはぐっすりお昼寝中、だから、クリスはティーを起こすためにアホ毛を抜いていたのだろう。なんと迷惑な…
まぁ、熟睡のティーには何をやっても起きないから無駄だとクリスもわかっているだろうに…
「クリスはどうしたの?」
「リリスに頼んだわ。すぐに戻るけどね。」
「ティーのアホ毛がまた増えたわね…」
「ええ、アイテムボックスに500本はあると思うわ…」
「使い道はあるの?」
「まだ、試している途中だけど土壌改善の効果があるみたい。他にも言えない効果を確認できているけど世に出せないわ。」
あたしに言えないってそんなに物騒なことなのかな?
聞かない方が良さそうね。
アホ毛の処理はルナに一任することになった。
ルナはリリスの元に戻り、あたしは各方面に手紙を書く準備を始めた。
ちなみに、あたしが手紙を書いている間はティーは両手を挙げたまま夕方まで寝ていた。
まったく次から次へと問題を起こしてからに…
このこの!グイグイ!
「やー!!」
嫌がる声を上げているがまだティーは眠ったままだった。
目の前あった貴重な素材があっという間に崩れて去って落ち込んでいるカグリアよ。
結局、肉だけ確保してあとはいつものようにティーが飲み終わってからでいいやと楽観していたら残らないとは…
いつもなら素材だけ残るから大丈夫と思っていた。
ふぅ…時間が経ち落ち着きを取り戻してきた。
無くってしまったのだから諦めるしかない。
さて、SSランクなんてここら辺でも出現はしない。
それは魔素が最果ての地より少ないからである。
ランクが高い魔獣ほど魔素が多い最果ての地に集まる習性があるの
まぁ、例外もいるから全ての魔獣に当てはまることではないけどね。
つまり、誰が召喚したか、世界に異常が起きている可能性がある。
あたしが報告と調査をしないといけないと考えると頭が痛い。
何か手がかりはないものか…キョロキョロ
ん?
魔獣が開けた大きな凹みの中に見覚えがある物があった。
まさかと思い近づいた。
その物はネバネバした液体に包まれていた。
おそらく胃の中にあったものが出てきたのだろう。
あたしはアイテムボックスから同じ物を取り出し見比べた。
大きさは少し違うが間違いない…
「ティーのアホ毛が原因かー!!」
おっと、思わず叫んでしまった。
まさか、この異変の原因が娘?
ルナは知っているのかな?
いや、知っていたら言うはずだ。
とりあえず、あたしは原因と思われる…いや、原因確定のアホ毛を回収して家に戻った。
ルナにアホ毛を見せると…
「ティーちゃんの仕業ね…」
ルナも確信した。
とはいえ、ティーが意図的に魔獣にアホ毛をあげたとは考えられないので、ティーを裁くことは出来ない。
…
創造神様に報告して判断を仰ぐしかないわね。
ちなみに魔獣が落ちて空いた穴はルナが精霊に頼み戻してもらっている。
ん?待てよ?
「ルナ?精霊にお願いするときどうしてるの?」
「…精霊にお願いするとき、オムツなんて渡せないからティーちゃんのアホ毛渡して…ちょっと精霊しめてくるわ。」
「あたしも行く!」
あたし達は庭を修復中の精霊達を捕まえ尋問した。
嘘がつけない精霊は経緯を話し始めた。
イタズラ好きの精霊が宝物庫からあげたアホ毛を持ち逃げして魔獣に奪われたらしい。
もう、ツッコミが追いつかないけど、精霊が原因だと確定した。
ルナは今まで渡したアホ毛の返却と宝物庫の管理見直しを要求、後日精霊王と話し合うことを精霊達に伝えた。
よってティーは無罪。
だが、家に入ると原因のアホ毛がクリスによって量産されていた…
「イヤー!!」
あたし達は増えるアホ毛に悲鳴をあげた。
「ほら、クリスちゃん!ティーちゃんが痛いからアホ毛抜くのやめましょうね。」
ルナがクリスを離すことでアホ毛の量産は止まったが50本くらいのアホ毛の山を見てため息しか出なかった。はぁ…
ティーはぐっすりお昼寝中、だから、クリスはティーを起こすためにアホ毛を抜いていたのだろう。なんと迷惑な…
まぁ、熟睡のティーには何をやっても起きないから無駄だとクリスもわかっているだろうに…
「クリスはどうしたの?」
「リリスに頼んだわ。すぐに戻るけどね。」
「ティーのアホ毛がまた増えたわね…」
「ええ、アイテムボックスに500本はあると思うわ…」
「使い道はあるの?」
「まだ、試している途中だけど土壌改善の効果があるみたい。他にも言えない効果を確認できているけど世に出せないわ。」
あたしに言えないってそんなに物騒なことなのかな?
聞かない方が良さそうね。
アホ毛の処理はルナに一任することになった。
ルナはリリスの元に戻り、あたしは各方面に手紙を書く準備を始めた。
ちなみに、あたしが手紙を書いている間はティーは両手を挙げたまま夕方まで寝ていた。
まったく次から次へと問題を起こしてからに…
このこの!グイグイ!
「やー!!」
嫌がる声を上げているがまだティーは眠ったままだった。
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