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アスレ編
優しい母の秘密
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魔物討伐した夜に村唯一の酒場では宴会が行われた。
母マーレと共に宴会に来た訳だが、特別に討伐した魔獣肉が1ヶ月分も貰えた。久しぶりの肉にヨダレが溢れ出るのを抑え、未成年の俺は飲めない酒を我慢し水をひたすら飲み続けた。
水を飲み過ぎたせいかお腹が苦しくなり酒場を出て、家に戻ろうとした途中、討伐で負傷した家の方から光が出ているのが見えた。
家の中を覗き込むと、負傷した旦那の背中に向けて妻が魔法で治癒している。
「この魔法って……」
「アスレ!」
ビクッとして振り返ると母マーレがいた。
マーレの顔はいつになく険しい。
「突然飛び出したから驚いたのよ。どうして此処に?」
「何でもないです」
俺とマーレは家に帰ってきた。
部屋に入ってしばらくして俺はまた硬い木製のベッドに入って寝た。
「あぁぁー!」
母マーレの叫ぶ声だ。俺のすぐ近くで叫び声を上げた。俺は飛び起きた。
「やっぱりそうだったか……」
「……動けない」
母マーレは身動きが出来ず部屋の真ん中で膝をついて座っていた。
手には剣が握られている。
「秘術の結界です」
部屋の床には円や記号、文字を書いておいた。
「解いて」
「解けません。この秘術は人やエルフやドワーフには効果がない。つまりマーレは魔族ですね?薄々前から変だなって思って……。ゴモラの村なら石造りの家のはず。前に訪れた事がある。だから此処はゴモラではないのに、ゴモラと言った。それに先程見た魔法は魔族にしか使えない治癒魔法」
「流石、元最強の冒険者ね」
「人の子どもを育てて何が目的なんだ?」
「成人した時に食べるのよ!くっはははっはっ!バレたようだから始末しようとしたのにこの有り様」
「悪魔だな」
少しでも育ててもらっただけに少し心は痛むが俺はマーレに剣を向けた。
「俺以外に人はいるか?」
「妹のペリシア、村の中心に住むガロンだけ」
「他には?」
「魔女ロキ」
俺は部屋を飛び出してペリシアを起こし、見つからないようガロンとロキを集めて村の外に出た。
村を出た頃には大騒ぎになり、追手の火の光が近寄ってきた。
「お兄ちゃん!なんで皆から逃げるの?母さんは?」
「アスレ、なんだって言うだよ!説明が足りないぞ」
ガロンと妹ペリシアはまだ状況が理解できずにいた。
「よく聞いてくれ、俺達が住んでいた村は魔族で、おそらくオーグルド族が支配する村で、俺達だけが人間なんだ。逃げないと育てて食べられる逃がした」
「お母さんも?」
「ああ」
妹ペリシアは泣きそうなのを堪えて俺に抱きついた。
「今は逃げないと」
四人は走って村の境界の外に出た。
村から出た瞬間、ガロンとペリシアとロキは何か思い出したのように我に返った。
「そうだ。俺達拐われて村に入って……それから意識が飛んだ」
「そうね。強力な幻惑魔法の結界が張られていた。村を抜ければ魔法は解けて昔の己の記憶の取り戻したわ!」
「ロキ婆さんその姿!」
ロキの姿は老婆から若い女性に変貌していた。
「幻惑魔法の効果が無くなって本来の姿に戻ったみたい」
俺とペリシアとガロンの姿は変化なかった。
四人はさらに村から遠ざかり夜通し歩いた。
母マーレと共に宴会に来た訳だが、特別に討伐した魔獣肉が1ヶ月分も貰えた。久しぶりの肉にヨダレが溢れ出るのを抑え、未成年の俺は飲めない酒を我慢し水をひたすら飲み続けた。
水を飲み過ぎたせいかお腹が苦しくなり酒場を出て、家に戻ろうとした途中、討伐で負傷した家の方から光が出ているのが見えた。
家の中を覗き込むと、負傷した旦那の背中に向けて妻が魔法で治癒している。
「この魔法って……」
「アスレ!」
ビクッとして振り返ると母マーレがいた。
マーレの顔はいつになく険しい。
「突然飛び出したから驚いたのよ。どうして此処に?」
「何でもないです」
俺とマーレは家に帰ってきた。
部屋に入ってしばらくして俺はまた硬い木製のベッドに入って寝た。
「あぁぁー!」
母マーレの叫ぶ声だ。俺のすぐ近くで叫び声を上げた。俺は飛び起きた。
「やっぱりそうだったか……」
「……動けない」
母マーレは身動きが出来ず部屋の真ん中で膝をついて座っていた。
手には剣が握られている。
「秘術の結界です」
部屋の床には円や記号、文字を書いておいた。
「解いて」
「解けません。この秘術は人やエルフやドワーフには効果がない。つまりマーレは魔族ですね?薄々前から変だなって思って……。ゴモラの村なら石造りの家のはず。前に訪れた事がある。だから此処はゴモラではないのに、ゴモラと言った。それに先程見た魔法は魔族にしか使えない治癒魔法」
「流石、元最強の冒険者ね」
「人の子どもを育てて何が目的なんだ?」
「成人した時に食べるのよ!くっはははっはっ!バレたようだから始末しようとしたのにこの有り様」
「悪魔だな」
少しでも育ててもらっただけに少し心は痛むが俺はマーレに剣を向けた。
「俺以外に人はいるか?」
「妹のペリシア、村の中心に住むガロンだけ」
「他には?」
「魔女ロキ」
俺は部屋を飛び出してペリシアを起こし、見つからないようガロンとロキを集めて村の外に出た。
村を出た頃には大騒ぎになり、追手の火の光が近寄ってきた。
「お兄ちゃん!なんで皆から逃げるの?母さんは?」
「アスレ、なんだって言うだよ!説明が足りないぞ」
ガロンと妹ペリシアはまだ状況が理解できずにいた。
「よく聞いてくれ、俺達が住んでいた村は魔族で、おそらくオーグルド族が支配する村で、俺達だけが人間なんだ。逃げないと育てて食べられる逃がした」
「お母さんも?」
「ああ」
妹ペリシアは泣きそうなのを堪えて俺に抱きついた。
「今は逃げないと」
四人は走って村の境界の外に出た。
村から出た瞬間、ガロンとペリシアとロキは何か思い出したのように我に返った。
「そうだ。俺達拐われて村に入って……それから意識が飛んだ」
「そうね。強力な幻惑魔法の結界が張られていた。村を抜ければ魔法は解けて昔の己の記憶の取り戻したわ!」
「ロキ婆さんその姿!」
ロキの姿は老婆から若い女性に変貌していた。
「幻惑魔法の効果が無くなって本来の姿に戻ったみたい」
俺とペリシアとガロンの姿は変化なかった。
四人はさらに村から遠ざかり夜通し歩いた。
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