俺と彼女は入れ替わり

三毛猫

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半年後

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俺がミズキと入れ替わって半年が経過した。
徐々に病気が進行して入退院を繰り返し、遂に長期入院になった。

「もう冬か……」
木々が色付き、所々落ち葉が目立つ。
肌寒い日が続くと特に体が痛む。


俺の体力は減っていくなかでマサトの体力は急激に増えた。毎日見舞いがてら病院来てくれるマサトは走って来る。マサトの体重は90kgから63kgまで減量しスマートになった。


「格好良くなったな」
俺は見舞いにきたマサトを褒めた。

「自画自賛してることになるよね。まぁ私が毎日欠かさずランニングしてダイエットに成功したから。中身が元に戻ったら、私に感謝してよ」

「そうだな。ミズキは努力家だから……」

それが俺と交わした最後の言葉だった。

その日に体調が悪化して俺の意識は飛び、気付いた時にはミズキの体から抜けて元に戻っていた。


「ミズキ!?元に戻ったぞ」
ベッドで目を瞑るミズキは俺の言葉に反応がない。急いで医師を呼ぶ。駆け付けた医師により検査が進み医師は回答した。

「残念ながら、脈拍が弱く意識が戻るかどうか……」

「そんな……」

ミズキは意識が戻ないのか……。もう目を開いて話したりできないのか……。やっと元に戻ったから感謝を伝えたり、今までの出来事を話したい。

誰かの為に何かの為に動くことは26年間なかった。だからミズキの意識を戻して病気を治す為に、俺は動くことに決めた。




俺は中身が入れ替わる現象を振り返った。
もし、この特殊能力が活かせるならと思った。


数時間後、病室にアヤミと快斗が来た。
ミズキの意識がないこと。俺とミズキは入り替り元に戻った事を二人に説明した。

意識のないミズキを見て号泣するアヤミ。
快斗も目が赤くなり、必死に涙を堪えているように見えた。


「みーちゃんの意識は戻る?」

「分からない。だから、何かできることがないか考えたい!アヤミさん、快斗くん力を貸してください」

「マサトは俺らからしたら、すごい先輩……年上だけど、もう友だちだと思ってるぜ」

「みーちゃんを助けられるなら、何でもする」

「ありがとう。皆で考えよう」

一旦、病院を出て快斗の家で集まる。

「あら、いらっしゃい。あ、先生もいらっしゃい」

快斗母はなんでいつも色っぽいんだ!と心の中で叫びながら快斗の部屋へ。

「俺がアヤミさんと入れ替わったのが最初。その時は可愛い女子高生になってモテたいという不純な動機から入れ替わった。入れ替わる特殊能力みたいのが俺にはある」

「マサトの能力でミズキを助けたいわけか?」

「そう」

「でもみーちゃんと入れ替わった謎は解けてないよね」

「うーん……問題はそこなんだ」

3人で考えを尽くした結果、何の答えも出ずに時間だけが過ぎる。


ガチャ。いきなり快斗母がジュースの入ったグラスを持って部屋に入ってきた。

「勉強も疲れたでしょ?これ飲んで」とテーブルにグラスを置いて部屋を出た。
快斗母には勉強会で快斗宅を使わせてもらっていることになっている。

快斗はジュースを飲むと口に含んだジュースを勢いよく吐き出した。

「まずっ!なにこのジュースは!?変なジュースかもしれないから、飲むなよ。親に聞いてくる!」
快斗が部屋を飛び出した。

その時、入れ替わりの能力が発動する条件の謎が解けた。
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