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止めないで
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青蘭の話では、元々友好関係にあった帝国と魔王国。しかし、魔王国の裏切りによって戦争になり、敵対していた帝国と皇国は手を結び魔王国に挑んだが敗北し、領土を縮小。青蘭(リリィ)は新たな戦力を求め、この世界に転移してきた。そこで舞衣(アーシェ)と再会する。
「暗殺の任務は解かれたのね。誰も始末しないでよかった」
「誰も?」
青蘭は語気を強めた。
「そ、そうよ」
「半年も何やってたの?」
「えーっと、透明化して水着着てウロウロとあとこの世界のサブスクって凄いの!ドラマも映画も面白くて。それから最近はお菓子とお弁当作り頑張って・・・」
「帝国が大変な時に!!」
こっ酷く青蘭から叱られる舞衣を尻目に内心ざまぁねーやと思いながら帰ろうとすると後ろから青蘭に襟を掴まれた。
「ぐぇ!離してくれ」
「アーシェ、いや舞衣から聞いた。スキル持ちだそうだな。明日の朝8時に私の家に来い!絶対だ!」
そう言い放ち襟を掴んだ手を離した。
俺は帰り道、身震いが止まらなかった。
青蘭はかなり怖い。言葉、いや声に重みがある。服従させるような声なのだ。それもスキルなのだろうか。
家に帰って、少し落ち着いた。
夜になって風呂に入り、リラックスして明日を迎えるためベッドに横になる。
明日、人生で初めて女性の家に行く。ドキドキしていた。
「明日の朝8時に私の家に来い!」
今、考えると命令口調だが、何故かゾクゾクして心地良い。
明日の朝8時に私の家に来い!
私の家。青蘭の家・・・
家ってどこだ?
心臓が早鐘を打つ。
家の住所が分からない!
舞衣、青蘭、真矢の連絡先は知らない!連絡手段がない!
明日は土曜日で学校は休み。つまり月曜日まで会えない。
明日の朝8時に私の家に来い!絶対だ。
絶対行かないとまずいですよ。
青蘭の言葉が俺を恐怖のどん底に突き落とす。
真矢もスキル持ちだからそもそも俺が行かなくても・・・。
もしかして、青蘭の家で皆でお菓子作りしたかったのかな・・・。と考えを捻じ曲げようと努力したが絶対違うよと否定する。
スキル持ちを集めて新たな戦力で帝国を守ろうとしていた青蘭の言葉や使命感を纏う姿に偽りはなかった。
もう俺には月曜日を待つしかなかった。
ーー 月曜日 ーー
登校する足取りが重い。教室に入ると空気が淀んでいた。恐怖に慄くクラスメイト。淀みの元はこちらに気付いて睨んできた。
席に着くなり後ろから。
「何故来なかった!」と言われたもんだから
「住所教えてくれなかったからだよ」と開き直って言うと
「アッ!」と小さな可愛い声が聞こえて振り返ってみると顔と耳まで真っ赤にした青蘭がいた。
恥じらった姿が可愛い!俺の恐怖に耐えた土日は今日この日の瞬間の為にあったのだと寧ろ感謝を込めて一言。
「大丈夫さ気にしなくていいから」
俺の優しい言葉に青蘭はもっと顔を赤らめたのではなかった。
眉間に皺寄せ、血管が浮き出て、目は血走り、歯茎剥き出しで犬歯を見せ、尖った爪は机を抉り、今にも飛びかかってきそうなほど怒りで顔を赤く染めていた。
「なぜあの時、場所が分からないなら聞かなかった!」
「そ、そ、それは、しかし、あの、教えてくれなかったからでして。つまり・・・」
まずい。青蘭の目の色が黄色に変わり、犬歯は更に尖り伸びている。青蘭の変化にいち早く気付いた舞衣は教室のカーテンを引っ張って青蘭にカーテンを被せぐるぐる巻きにした。
「青蘭ちゃん。落ち着いて、ここは安全安心な場所だから」
舞衣の優しい声色が聞こえてぐるぐる巻きにされたカーテンは解かれた落ち着いた青蘭の顔は元の美人に戻っていた。
「暗殺の任務は解かれたのね。誰も始末しないでよかった」
「誰も?」
青蘭は語気を強めた。
「そ、そうよ」
「半年も何やってたの?」
「えーっと、透明化して水着着てウロウロとあとこの世界のサブスクって凄いの!ドラマも映画も面白くて。それから最近はお菓子とお弁当作り頑張って・・・」
「帝国が大変な時に!!」
こっ酷く青蘭から叱られる舞衣を尻目に内心ざまぁねーやと思いながら帰ろうとすると後ろから青蘭に襟を掴まれた。
「ぐぇ!離してくれ」
「アーシェ、いや舞衣から聞いた。スキル持ちだそうだな。明日の朝8時に私の家に来い!絶対だ!」
そう言い放ち襟を掴んだ手を離した。
俺は帰り道、身震いが止まらなかった。
青蘭はかなり怖い。言葉、いや声に重みがある。服従させるような声なのだ。それもスキルなのだろうか。
家に帰って、少し落ち着いた。
夜になって風呂に入り、リラックスして明日を迎えるためベッドに横になる。
明日、人生で初めて女性の家に行く。ドキドキしていた。
「明日の朝8時に私の家に来い!」
今、考えると命令口調だが、何故かゾクゾクして心地良い。
明日の朝8時に私の家に来い!
私の家。青蘭の家・・・
家ってどこだ?
心臓が早鐘を打つ。
家の住所が分からない!
舞衣、青蘭、真矢の連絡先は知らない!連絡手段がない!
明日は土曜日で学校は休み。つまり月曜日まで会えない。
明日の朝8時に私の家に来い!絶対だ。
絶対行かないとまずいですよ。
青蘭の言葉が俺を恐怖のどん底に突き落とす。
真矢もスキル持ちだからそもそも俺が行かなくても・・・。
もしかして、青蘭の家で皆でお菓子作りしたかったのかな・・・。と考えを捻じ曲げようと努力したが絶対違うよと否定する。
スキル持ちを集めて新たな戦力で帝国を守ろうとしていた青蘭の言葉や使命感を纏う姿に偽りはなかった。
もう俺には月曜日を待つしかなかった。
ーー 月曜日 ーー
登校する足取りが重い。教室に入ると空気が淀んでいた。恐怖に慄くクラスメイト。淀みの元はこちらに気付いて睨んできた。
席に着くなり後ろから。
「何故来なかった!」と言われたもんだから
「住所教えてくれなかったからだよ」と開き直って言うと
「アッ!」と小さな可愛い声が聞こえて振り返ってみると顔と耳まで真っ赤にした青蘭がいた。
恥じらった姿が可愛い!俺の恐怖に耐えた土日は今日この日の瞬間の為にあったのだと寧ろ感謝を込めて一言。
「大丈夫さ気にしなくていいから」
俺の優しい言葉に青蘭はもっと顔を赤らめたのではなかった。
眉間に皺寄せ、血管が浮き出て、目は血走り、歯茎剥き出しで犬歯を見せ、尖った爪は机を抉り、今にも飛びかかってきそうなほど怒りで顔を赤く染めていた。
「なぜあの時、場所が分からないなら聞かなかった!」
「そ、そ、それは、しかし、あの、教えてくれなかったからでして。つまり・・・」
まずい。青蘭の目の色が黄色に変わり、犬歯は更に尖り伸びている。青蘭の変化にいち早く気付いた舞衣は教室のカーテンを引っ張って青蘭にカーテンを被せぐるぐる巻きにした。
「青蘭ちゃん。落ち着いて、ここは安全安心な場所だから」
舞衣の優しい声色が聞こえてぐるぐる巻きにされたカーテンは解かれた落ち着いた青蘭の顔は元の美人に戻っていた。
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