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エントの街
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来た道を急いで引き返すゴッズ一行の前にエントの街から走ってきたフィアリに気付いた。
「フィアリ!なぜここに?」
ソウダの顔を見て安堵の表情を浮かべるフィアリ。
「ソウダ!無事で良かった。8万から10万の魔獣や魔物が迫ってるから早くエントまで引き返して!」
「10万だと!」
ゴッズは青ざめた。
なぜなら、エルマ領の総人口が約8万。10万となれば魔物の方が数が多い。
「エルマ城の状況を知ってるのか!」
ゴッズはフィアリに詰め寄る。
フィアリは俯いて「エルマ城は落ちた」と伝えるとゴッズは後ろに2、3歩下がり膝から崩れ落ちた。
「そんな……エルマ城が落ちただと……あり得ぬ」
「今は足を止めている時はない!早くエントに!」
ゴッズはソウダに背負われながら一行は半日かけてエントの街に着いた。
人口約2万。周囲を木製の丸太の塀ぐるりと一周囲った街は、他の村や町とは距離があり農作物は地産地消で成り立っている。
街は既に防衛拠点として、ゴモラ王国第1~第5の騎兵・歩兵部隊合わせて5万と各地から招集された民兵3万が集結し、街の外の草原を分断する様に木の塀と物見櫓が建てられた。
ゴッズはエントの街に着くと失った戦意を回復し、第1歩兵部隊に配属された。
ソウダとフィアリは民兵歩兵部隊に配属された。
最前線中央にゴモラ王国直属の第1騎兵部隊。
左翼と右翼は第2騎兵部隊。
次いで第1~第2歩兵部隊。
中央部には第2騎兵部隊と第3歩兵部隊。
後方に残りの騎兵部隊と歩兵部隊。
街中に民兵隊が配置された。
物見櫓からフィアリが周囲を見渡す。
「数日でこれだけの塀と建物を完成させたのは凄い」
「確かに。別の街のようだ」
隣にいたソウダも感心して頷いた。
その時、ブォーーっと魔物が現れた合図の角笛が鳴り響き、最前線中央部の騎兵部隊が動いた。
森から一斉に魔物が現れ、数を増して突撃する。
対する、第1~第2騎兵部隊も突撃。
両者がぶつかり大規模な戦いが始まった。
しかし、すぐにゴモラ王国軍は劣勢に追い込まれる。エントの街の正面の森だけではなく、広範囲の森の入り口から大量の魔獣が出てきたのだ。
第1歩兵部隊の隊長はすぐに魔物や魔獣を数分、赤色に染める使い切りの高級魔道具を使った。すると森全体が赤く染まった。
物見櫓から魔物の数を数えていた兵士は、急いで司令本部に行った。
「数は報告の数倍!約30万以上です!」
司令本部長は思わず飲みかけのコップを床に落とした。
「30万以上とは間違いではないのか?」
「間違いなく、森中を埋め尽くす魔物がこちらに向かっています」
「今から援軍を!」
司令本部長の側近は冷静に伝えた。
「今からでは、2~3日はかかります」
「8万の兵で30万を相手にしろと言うのか。急ぎ民兵も前線へ投入しろ!」
「はっ!」
司令本部の命令により民兵隊が戦地に入った時には既に第1騎兵部隊は崩壊寸前。ソウダとフィアリは中央部の前線へ走った。
「やっと出番だ」
「ええ」
ソウダとフィアリは向かってくる魔物を次々倒し、息の合ったコンビネーションで軽やかに突き進む姿に、周りの兵士はまるで2人は
踊っているようだと呟いた。
「フィアリ!なぜここに?」
ソウダの顔を見て安堵の表情を浮かべるフィアリ。
「ソウダ!無事で良かった。8万から10万の魔獣や魔物が迫ってるから早くエントまで引き返して!」
「10万だと!」
ゴッズは青ざめた。
なぜなら、エルマ領の総人口が約8万。10万となれば魔物の方が数が多い。
「エルマ城の状況を知ってるのか!」
ゴッズはフィアリに詰め寄る。
フィアリは俯いて「エルマ城は落ちた」と伝えるとゴッズは後ろに2、3歩下がり膝から崩れ落ちた。
「そんな……エルマ城が落ちただと……あり得ぬ」
「今は足を止めている時はない!早くエントに!」
ゴッズはソウダに背負われながら一行は半日かけてエントの街に着いた。
人口約2万。周囲を木製の丸太の塀ぐるりと一周囲った街は、他の村や町とは距離があり農作物は地産地消で成り立っている。
街は既に防衛拠点として、ゴモラ王国第1~第5の騎兵・歩兵部隊合わせて5万と各地から招集された民兵3万が集結し、街の外の草原を分断する様に木の塀と物見櫓が建てられた。
ゴッズはエントの街に着くと失った戦意を回復し、第1歩兵部隊に配属された。
ソウダとフィアリは民兵歩兵部隊に配属された。
最前線中央にゴモラ王国直属の第1騎兵部隊。
左翼と右翼は第2騎兵部隊。
次いで第1~第2歩兵部隊。
中央部には第2騎兵部隊と第3歩兵部隊。
後方に残りの騎兵部隊と歩兵部隊。
街中に民兵隊が配置された。
物見櫓からフィアリが周囲を見渡す。
「数日でこれだけの塀と建物を完成させたのは凄い」
「確かに。別の街のようだ」
隣にいたソウダも感心して頷いた。
その時、ブォーーっと魔物が現れた合図の角笛が鳴り響き、最前線中央部の騎兵部隊が動いた。
森から一斉に魔物が現れ、数を増して突撃する。
対する、第1~第2騎兵部隊も突撃。
両者がぶつかり大規模な戦いが始まった。
しかし、すぐにゴモラ王国軍は劣勢に追い込まれる。エントの街の正面の森だけではなく、広範囲の森の入り口から大量の魔獣が出てきたのだ。
第1歩兵部隊の隊長はすぐに魔物や魔獣を数分、赤色に染める使い切りの高級魔道具を使った。すると森全体が赤く染まった。
物見櫓から魔物の数を数えていた兵士は、急いで司令本部に行った。
「数は報告の数倍!約30万以上です!」
司令本部長は思わず飲みかけのコップを床に落とした。
「30万以上とは間違いではないのか?」
「間違いなく、森中を埋め尽くす魔物がこちらに向かっています」
「今から援軍を!」
司令本部長の側近は冷静に伝えた。
「今からでは、2~3日はかかります」
「8万の兵で30万を相手にしろと言うのか。急ぎ民兵も前線へ投入しろ!」
「はっ!」
司令本部の命令により民兵隊が戦地に入った時には既に第1騎兵部隊は崩壊寸前。ソウダとフィアリは中央部の前線へ走った。
「やっと出番だ」
「ええ」
ソウダとフィアリは向かってくる魔物を次々倒し、息の合ったコンビネーションで軽やかに突き進む姿に、周りの兵士はまるで2人は
踊っているようだと呟いた。
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