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第三部「全能神座争奪戦」編
閑話 アクアの窮地
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クロトの恋人、その一人である、アクアことアクアリア・ブルースフィア。
彼女は他の者たちと同様に、外側の世界に放り出されていた。
そして現在、彼女は窮地に陥っていた。
「―――だからよ、そんな男は捨てて俺の女になれっつってんだろ? 無理矢理犯すのも悪くはねぇが、テメェみたいに強い女は屈服させてものにしたいんでな?」
「お断りします。私は、あの人以外に身を委ねるつもりはありませんっ!」
「ちっ・・・強情な奴だな」
相変わらずなアクアの返答に、青髪の軽薄そうな男は舌打ちをした。
かれこれ丸二日もこんな調子である。
アクアはベッドに寝かされた状態だが、鎖によってベッドに繋がれている状態なために逃げられない。
普通の鎖なら破壊可能なのだが、アクアに付けられているのは特殊な鎖なのだ。
その名も<魔縛の神鎖>。
アイテムのランクは、伝説級より二つ上の<神話級>である。
この<魔縛の神鎖>は、装着した者の魔力使用を完全に封じることが可能で、一度装着されたが最後、魔法士が自力で脱出することは不可能だ。
そんな鎖を両手に付けられては、水天神アクアと言えども脱出は不可能だ。
アクアがこのような状況に追い込まれたのは、偏に最初が不味かった。
気絶した状態で落ちた場所が、青髪の男が本拠地としていた領域だったのだ。
すなわち、<青の領域>に本拠地を置くクラン、<蒼玉の武装団>のクラン本部敷地内だ。
アクアといえど、気絶した状態では抵抗できず、鎖を装着されてしまった訳だ。
もしも気絶していなかったなら、何とか逃走できていたと思われるのだが、それを言っても栓なきことだ。
ちなみに、今アクアが居るのはクランマスターたる、サヴァイブという青髪男の私室である。
サヴァイブが好む青という色を基調にした髪色や装備品、またはアクアの容姿そのものを気にいったが故に、リーダー権限で私室へ連れ込んだのだ。
もし、サヴァイブが丁度帰ってきてなかったら、他の団員たちにどんな目に遭わされていたか嫌でも想像できるので、そこに関しては運が良かったのだろう。
現状をみるに、なんのなぐさめにもならないが。
「あああああっ!もうめんどくせぇっ!!」
「っ、何をっ・・・きゃああっ!?」
これまでは一応、かなり自分の好みに一致するアクアを傷つけまいとしていた。
だが、言葉でどれだけ言い聞かせても靡かないと判断して、強引な手に出た。
・・・アクアの着ていた装備や服を強引にむしりとったのだ。
自動修復機能があるためすぐに直りはするが、アクアの着ていた服型の防具は見るも無残に破壊された。
幾らアクアが抵抗できないとはいえ、ここまで簡単に破壊できるのはサヴァイブがかなりの強者である証拠だ。
アクアは下着姿となったが、鎖のせいで体を隠すこともできない。
「これは最後通告だ。俺の女になれ、アクア。もし断るようなら、このままお前を犯してから屈服させてやらぁ」
「っ・・・何度聞かれても答えは変わりません。お断りします!」
アクアは、自分の肢体を舐めるようなサヴァイブの視線を受けて、羞恥で顔を赤くしながらも毅然と答えた。
僅かに体を震わせてはいるが、それは仕方ないことだろう。
なにせ、好きでもない男に犯されそうになっているのだから。
「それに、たとえ貴方が私の体を汚そうとも、心までは汚させませんっ・・・!!」
決してサヴァイブの女になどならないと宣言したアクア。
サヴァイブはそんな宣言を受けて・・・・・・笑った。
「・・・・・・フフフ。ハハハハハハハハッ!!」
「っ、何がおかしいのですかっ!!」
「ハハハハハハッ!これが笑わずに居られるかよっ!お前ほどの女でも、やはり女は女だってことが分かったんだからな!」
「どういう意味ですか、それは!!」
アクアの詰問に、サヴァイブはようやく笑いを収めて、笑った訳を語り始めた。
「なぁ、さっきこの部屋にきて俺にしなだれかかってきた青髪女を覚えてるか?」
「・・・覚えていますが、それがどうしたのですか?」
アクアの脳裏に浮かんだのは、つい先刻この部屋を訪れた青い長髪を持つ清楚そうな女性のこと。
サヴァイブの寵愛を頂きにきたと言っていたので、恋人だと思っていた、
しかし、サヴァイブの口から出た説明は、アクアを驚愕させるに十分だった。
「あの女、ミュースって名前なんだが・・・お前と同じことを言ったんだぜ?」
「・・・・・・え?」
「お前と同じように恋人が居て、俺の女になることを拒んだ。多少言い方は違ったが、同じように俺を拒んだんだ。『私の心は汚せない』ってな!」
「・・・・・・。」
アクアは驚愕のあまり、思考が停止した。
自分の常識に照らし合わせてみて、到底信じられなかったのだ。
だが、嘘を吐いている気配もなく・・・それが真実だと認めさせられた。
「っ、どうして・・・。」
「まあつまり、どれ程強固な心があっても、体は正直だってことだな。俺はそうやって、何十人も女をもののしてきたんだよ。」
「私はっ・・・!!」
「強がるのはやめとけ。恐怖を隠しきれてないぜ?」
「ッッ!!」
サヴァイブに図星を突かれ、アクアは更に表情を歪ませた。
彼女の表情には、サヴァイブが言う通り恐怖が浮かんでいた。
他の女性が駄目だったのに自分だけは大丈夫だと思えるほど、彼女は楽天的な性格をしていなかったのだ。
勿論、自分の心がクロトのものであることには自信がある。
他の女性のように自分が目の前の男に靡くこともないと信じている。
しかし、それとこれとは別問題なのだ。
「俺ほどの男に犯されて、靡かない訳がない。場合によっては多少面倒な手順は踏むけどな。例えば・・・散々痛めつけた後で犯す、とかよ。」
「ッッ!?」
「知ってるか?生命を危うくするほどの痛みを受けた後だと、その痛みすら快感に変わるんだぜ?その状態で犯されたら・・・間違いなく、堕ちる。」
サヴァイブはアクアの肢体に手を這わせながら、そう断言した。
それは心を守る為の人間の本能であり、心の強さは関係ないと言っているのだ。
アクアは嫌悪感に顔を歪ませながら、唇を噛み締めた。
絶対にこの男の言いなりになりはしないと、自分に言い聞かせた。
「そんじゃ、楽しませてもらおうか? 戦えないお前はただの女だってことを思い知らせてやる。 精々頑張ることだな。」
「っ、だめっ・・・!!」
サヴァイブの手が下着へと掛かり、アクアは本能的に拒絶の叫び声をあげた。
だが、それでサヴァイブが止まるはずもなく、かえって嗜虐心をそそらせることになってしまっただけだった。
彼は、両の下着に手を這わせ・・・むしりとった。
そして・・・アクアの綺麗な全裸姿が男の前に晒されることになった。
「ッッ!!見ないでくださいっ!! やめてっ、触らないでっ!!」
羞恥で顔を真っ赤に染めて、身を捩りつつ必死に抵抗するアクア。
敬語も疎かになり、その余裕の無さが窺える。
サヴァイブはそんなアクアを押さえつけながら、いやらしい笑みを浮かべた。
「さて、いつまでもつか。できるだけもたせて俺を楽しませてくれよ、なっ!」
「いやあああっ!!」
アクアの悲鳴を皮切りにして、サヴァイブはその豊満で整った形の胸を揉みしだきつつ、アクアに覆いかぶさった。
(クロトさんっ、お願いしますっ・・・!! 助けてくださいっ・・・!!)
アクアは心の内で己の弱さを嘆きながら、久しくしていなかった、クロトに頼るという行為をしたのだった。
そんなアクアの願いが届いたのかどうか。
その後しばらく、その部屋から悲痛な叫び声が聞こえ続けることになった。
果たして、アクアの運命は・・・?
クロトが赤鬼キャンプを出立してから、しばらく後の話であった。
彼女は他の者たちと同様に、外側の世界に放り出されていた。
そして現在、彼女は窮地に陥っていた。
「―――だからよ、そんな男は捨てて俺の女になれっつってんだろ? 無理矢理犯すのも悪くはねぇが、テメェみたいに強い女は屈服させてものにしたいんでな?」
「お断りします。私は、あの人以外に身を委ねるつもりはありませんっ!」
「ちっ・・・強情な奴だな」
相変わらずなアクアの返答に、青髪の軽薄そうな男は舌打ちをした。
かれこれ丸二日もこんな調子である。
アクアはベッドに寝かされた状態だが、鎖によってベッドに繋がれている状態なために逃げられない。
普通の鎖なら破壊可能なのだが、アクアに付けられているのは特殊な鎖なのだ。
その名も<魔縛の神鎖>。
アイテムのランクは、伝説級より二つ上の<神話級>である。
この<魔縛の神鎖>は、装着した者の魔力使用を完全に封じることが可能で、一度装着されたが最後、魔法士が自力で脱出することは不可能だ。
そんな鎖を両手に付けられては、水天神アクアと言えども脱出は不可能だ。
アクアがこのような状況に追い込まれたのは、偏に最初が不味かった。
気絶した状態で落ちた場所が、青髪の男が本拠地としていた領域だったのだ。
すなわち、<青の領域>に本拠地を置くクラン、<蒼玉の武装団>のクラン本部敷地内だ。
アクアといえど、気絶した状態では抵抗できず、鎖を装着されてしまった訳だ。
もしも気絶していなかったなら、何とか逃走できていたと思われるのだが、それを言っても栓なきことだ。
ちなみに、今アクアが居るのはクランマスターたる、サヴァイブという青髪男の私室である。
サヴァイブが好む青という色を基調にした髪色や装備品、またはアクアの容姿そのものを気にいったが故に、リーダー権限で私室へ連れ込んだのだ。
もし、サヴァイブが丁度帰ってきてなかったら、他の団員たちにどんな目に遭わされていたか嫌でも想像できるので、そこに関しては運が良かったのだろう。
現状をみるに、なんのなぐさめにもならないが。
「あああああっ!もうめんどくせぇっ!!」
「っ、何をっ・・・きゃああっ!?」
これまでは一応、かなり自分の好みに一致するアクアを傷つけまいとしていた。
だが、言葉でどれだけ言い聞かせても靡かないと判断して、強引な手に出た。
・・・アクアの着ていた装備や服を強引にむしりとったのだ。
自動修復機能があるためすぐに直りはするが、アクアの着ていた服型の防具は見るも無残に破壊された。
幾らアクアが抵抗できないとはいえ、ここまで簡単に破壊できるのはサヴァイブがかなりの強者である証拠だ。
アクアは下着姿となったが、鎖のせいで体を隠すこともできない。
「これは最後通告だ。俺の女になれ、アクア。もし断るようなら、このままお前を犯してから屈服させてやらぁ」
「っ・・・何度聞かれても答えは変わりません。お断りします!」
アクアは、自分の肢体を舐めるようなサヴァイブの視線を受けて、羞恥で顔を赤くしながらも毅然と答えた。
僅かに体を震わせてはいるが、それは仕方ないことだろう。
なにせ、好きでもない男に犯されそうになっているのだから。
「それに、たとえ貴方が私の体を汚そうとも、心までは汚させませんっ・・・!!」
決してサヴァイブの女になどならないと宣言したアクア。
サヴァイブはそんな宣言を受けて・・・・・・笑った。
「・・・・・・フフフ。ハハハハハハハハッ!!」
「っ、何がおかしいのですかっ!!」
「ハハハハハハッ!これが笑わずに居られるかよっ!お前ほどの女でも、やはり女は女だってことが分かったんだからな!」
「どういう意味ですか、それは!!」
アクアの詰問に、サヴァイブはようやく笑いを収めて、笑った訳を語り始めた。
「なぁ、さっきこの部屋にきて俺にしなだれかかってきた青髪女を覚えてるか?」
「・・・覚えていますが、それがどうしたのですか?」
アクアの脳裏に浮かんだのは、つい先刻この部屋を訪れた青い長髪を持つ清楚そうな女性のこと。
サヴァイブの寵愛を頂きにきたと言っていたので、恋人だと思っていた、
しかし、サヴァイブの口から出た説明は、アクアを驚愕させるに十分だった。
「あの女、ミュースって名前なんだが・・・お前と同じことを言ったんだぜ?」
「・・・・・・え?」
「お前と同じように恋人が居て、俺の女になることを拒んだ。多少言い方は違ったが、同じように俺を拒んだんだ。『私の心は汚せない』ってな!」
「・・・・・・。」
アクアは驚愕のあまり、思考が停止した。
自分の常識に照らし合わせてみて、到底信じられなかったのだ。
だが、嘘を吐いている気配もなく・・・それが真実だと認めさせられた。
「っ、どうして・・・。」
「まあつまり、どれ程強固な心があっても、体は正直だってことだな。俺はそうやって、何十人も女をもののしてきたんだよ。」
「私はっ・・・!!」
「強がるのはやめとけ。恐怖を隠しきれてないぜ?」
「ッッ!!」
サヴァイブに図星を突かれ、アクアは更に表情を歪ませた。
彼女の表情には、サヴァイブが言う通り恐怖が浮かんでいた。
他の女性が駄目だったのに自分だけは大丈夫だと思えるほど、彼女は楽天的な性格をしていなかったのだ。
勿論、自分の心がクロトのものであることには自信がある。
他の女性のように自分が目の前の男に靡くこともないと信じている。
しかし、それとこれとは別問題なのだ。
「俺ほどの男に犯されて、靡かない訳がない。場合によっては多少面倒な手順は踏むけどな。例えば・・・散々痛めつけた後で犯す、とかよ。」
「ッッ!?」
「知ってるか?生命を危うくするほどの痛みを受けた後だと、その痛みすら快感に変わるんだぜ?その状態で犯されたら・・・間違いなく、堕ちる。」
サヴァイブはアクアの肢体に手を這わせながら、そう断言した。
それは心を守る為の人間の本能であり、心の強さは関係ないと言っているのだ。
アクアは嫌悪感に顔を歪ませながら、唇を噛み締めた。
絶対にこの男の言いなりになりはしないと、自分に言い聞かせた。
「そんじゃ、楽しませてもらおうか? 戦えないお前はただの女だってことを思い知らせてやる。 精々頑張ることだな。」
「っ、だめっ・・・!!」
サヴァイブの手が下着へと掛かり、アクアは本能的に拒絶の叫び声をあげた。
だが、それでサヴァイブが止まるはずもなく、かえって嗜虐心をそそらせることになってしまっただけだった。
彼は、両の下着に手を這わせ・・・むしりとった。
そして・・・アクアの綺麗な全裸姿が男の前に晒されることになった。
「ッッ!!見ないでくださいっ!! やめてっ、触らないでっ!!」
羞恥で顔を真っ赤に染めて、身を捩りつつ必死に抵抗するアクア。
敬語も疎かになり、その余裕の無さが窺える。
サヴァイブはそんなアクアを押さえつけながら、いやらしい笑みを浮かべた。
「さて、いつまでもつか。できるだけもたせて俺を楽しませてくれよ、なっ!」
「いやあああっ!!」
アクアの悲鳴を皮切りにして、サヴァイブはその豊満で整った形の胸を揉みしだきつつ、アクアに覆いかぶさった。
(クロトさんっ、お願いしますっ・・・!! 助けてくださいっ・・・!!)
アクアは心の内で己の弱さを嘆きながら、久しくしていなかった、クロトに頼るという行為をしたのだった。
そんなアクアの願いが届いたのかどうか。
その後しばらく、その部屋から悲痛な叫び声が聞こえ続けることになった。
果たして、アクアの運命は・・・?
クロトが赤鬼キャンプを出立してから、しばらく後の話であった。
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