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第二部「創世神降臨」編
ババ抜き
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クロトとエメラ、ファーナは寝る時間になるまで一緒に遊ぶことに。
最初にクロトが取り出したのはトランプ。
「うぅ・・・これ!」
ファーナは悩みながら、クロトの手札から一枚引いた。
「残念、ジョーカーでした。」
「またジョーカー!?お父さんババ抜き強すぎだよ!」
クロトがジョーカーを持つと、毎回ファーナはそれを引き当ててしまう。
ファーナの思考を読み、誘導をしているが故の結果だ。
子供相手でも手は抜かないようだ。
いや、寧ろ子供だから手を抜かないのかもしれない。
「うぅ・・・!エメラ姉さん、引いてください!」
「ん・・・?」
エメラは首を傾げている。
ファーナが手札の内一枚だけを目立つように配置しているからだ。
「ん・・・。これ・・・っ!?」
「やったぁ!」
エメラが飛び出ているカードを避けて隣のカードを選んだ。
するとそれはジョーカーであり、思わず息をのむ。
エメラは引くとき限定だが、意外とババ抜きが弱いようだ。
「ん・・・。クロト、どうぞ・・・?」
「んー、どれにしようかな・・・?」
クロトはエメラがシャッフルしたカードを眺めて悩む。
本来シャッフルの音でジョーカーを特定できるが、今回それはルール違反なのだ。
また、エメラが眠そうな瞳かつ無表情で全く顔に出ないため、判断できない。
「よし、これにしよう・・・って、またジョーカーか・・・。」
「ん・・・。クロト、運が悪い、ね・・・?」
「返す言葉も無い・・・。」
クロトは能力値からも分かるように、そこまで運が良い方でもない。
普段はそんな些細な不運など適当にねじ伏せられるので気にはならないのだが。
「ふむ。ファーナは一番右のカードを引いてジョーカーを手に入れるでしょう。」
「不吉な予言はやめてよお父さん!」
ファーナは散々迷った挙句、ブラフと予想し一番右のカードを引いた。
「残念、ジョーカーだよ。」
「あああああっ!?」
「折角忠告してあげたのになぁ・・・。」
「ううううぅ・・・!!」
クロトはニコニコし、ファーナは涙目だ。
結局その後、ファーナはエメラにジョーカーを引かせられず、敗北した。
「惜しかったね、ファーナ。」
「ん・・・。もう少し、だった、よ・・・?」
「むぅぅぅっ!毎回騙してジョーカーを引かせるお父さんなんて嫌い!」
ファーナは拗ねていじけてしまった。
普段は大人びて見えるが、年相応の部分もあるようだ。
それを引き出せたのは、クロトとエメラのおかげなのだろう。
「そっか・・・嫌い、か。」
「・・・えっ?」
「そうだよね・・・。僕みたいな父親、嫌いになって当然だよね・・・。」
「なっ・・・ちがっ・・・!」
まさかの急展開に、ファーナの思考は混迷を極めた。
そして、本当は大好きなのに下らない意地で傷つけてしまったことを後悔した。
万が一、今の幸せが壊れてしまったらと考え、血の気が引いていく。
ファーナにできるのは、ありのままを正直に言うことだけだった。
「違う!本当はお父さんのこと大好き!嘘ついてごめんなさい!!」
「うん、知ってるよ。ファーナは本当に可愛いなぁ。」
「えっ・・・?」
傷ついた風な雰囲気を一変させて笑顔になり、ファーナはポカンさせられた。
十数秒後、クロトに揶揄われたのだと分かり、二つの意味で顔が真っ赤に。
一つは騙されたことへの小さな怒り。
もう一つは大好きだと叫んでしまったことへの大きな羞恥。
「お父さんの馬鹿っ!!」
「馬鹿で結構だよ。こうして愛しの娘を抱き締められるのならね。」
その後、ファーナはクロトに抱きしめられた状態で、何度も同じことを言った。
エメラは優しい微笑みを浮かべながらファーナを見つめていたのだった。
「さて、次は神経衰弱でもしようか。」
「・・・うん。」
クロトの抱擁から解放されたファーナは恥ずかし気に頷いた。
自分の部屋に逃げ込みたいが、もっと一緒にいたいという思いが上回ったのだ。
エメラも無言で頷き、神経衰弱をするべくカードをシャッフルして並べた。
「それで、ルールはどうしようか?」
「ん・・・。クロト、は・・・一ターン、に・・・一ペア、まで・・・。」
「お父さんは記憶力がずば抜けてますから、それくらいが丁度いいと思う!」
「・・・ん、結構厳しいルールだけど、それでいこう。」
クロトは提案されたハンデを承認。
また、全員スキルの使用は禁止、などというルールが幾つか制定された。
そして、ファーナから時計周りで神経衰弱一回戦が始まった。
最初にクロトが取り出したのはトランプ。
「うぅ・・・これ!」
ファーナは悩みながら、クロトの手札から一枚引いた。
「残念、ジョーカーでした。」
「またジョーカー!?お父さんババ抜き強すぎだよ!」
クロトがジョーカーを持つと、毎回ファーナはそれを引き当ててしまう。
ファーナの思考を読み、誘導をしているが故の結果だ。
子供相手でも手は抜かないようだ。
いや、寧ろ子供だから手を抜かないのかもしれない。
「うぅ・・・!エメラ姉さん、引いてください!」
「ん・・・?」
エメラは首を傾げている。
ファーナが手札の内一枚だけを目立つように配置しているからだ。
「ん・・・。これ・・・っ!?」
「やったぁ!」
エメラが飛び出ているカードを避けて隣のカードを選んだ。
するとそれはジョーカーであり、思わず息をのむ。
エメラは引くとき限定だが、意外とババ抜きが弱いようだ。
「ん・・・。クロト、どうぞ・・・?」
「んー、どれにしようかな・・・?」
クロトはエメラがシャッフルしたカードを眺めて悩む。
本来シャッフルの音でジョーカーを特定できるが、今回それはルール違反なのだ。
また、エメラが眠そうな瞳かつ無表情で全く顔に出ないため、判断できない。
「よし、これにしよう・・・って、またジョーカーか・・・。」
「ん・・・。クロト、運が悪い、ね・・・?」
「返す言葉も無い・・・。」
クロトは能力値からも分かるように、そこまで運が良い方でもない。
普段はそんな些細な不運など適当にねじ伏せられるので気にはならないのだが。
「ふむ。ファーナは一番右のカードを引いてジョーカーを手に入れるでしょう。」
「不吉な予言はやめてよお父さん!」
ファーナは散々迷った挙句、ブラフと予想し一番右のカードを引いた。
「残念、ジョーカーだよ。」
「あああああっ!?」
「折角忠告してあげたのになぁ・・・。」
「ううううぅ・・・!!」
クロトはニコニコし、ファーナは涙目だ。
結局その後、ファーナはエメラにジョーカーを引かせられず、敗北した。
「惜しかったね、ファーナ。」
「ん・・・。もう少し、だった、よ・・・?」
「むぅぅぅっ!毎回騙してジョーカーを引かせるお父さんなんて嫌い!」
ファーナは拗ねていじけてしまった。
普段は大人びて見えるが、年相応の部分もあるようだ。
それを引き出せたのは、クロトとエメラのおかげなのだろう。
「そっか・・・嫌い、か。」
「・・・えっ?」
「そうだよね・・・。僕みたいな父親、嫌いになって当然だよね・・・。」
「なっ・・・ちがっ・・・!」
まさかの急展開に、ファーナの思考は混迷を極めた。
そして、本当は大好きなのに下らない意地で傷つけてしまったことを後悔した。
万が一、今の幸せが壊れてしまったらと考え、血の気が引いていく。
ファーナにできるのは、ありのままを正直に言うことだけだった。
「違う!本当はお父さんのこと大好き!嘘ついてごめんなさい!!」
「うん、知ってるよ。ファーナは本当に可愛いなぁ。」
「えっ・・・?」
傷ついた風な雰囲気を一変させて笑顔になり、ファーナはポカンさせられた。
十数秒後、クロトに揶揄われたのだと分かり、二つの意味で顔が真っ赤に。
一つは騙されたことへの小さな怒り。
もう一つは大好きだと叫んでしまったことへの大きな羞恥。
「お父さんの馬鹿っ!!」
「馬鹿で結構だよ。こうして愛しの娘を抱き締められるのならね。」
その後、ファーナはクロトに抱きしめられた状態で、何度も同じことを言った。
エメラは優しい微笑みを浮かべながらファーナを見つめていたのだった。
「さて、次は神経衰弱でもしようか。」
「・・・うん。」
クロトの抱擁から解放されたファーナは恥ずかし気に頷いた。
自分の部屋に逃げ込みたいが、もっと一緒にいたいという思いが上回ったのだ。
エメラも無言で頷き、神経衰弱をするべくカードをシャッフルして並べた。
「それで、ルールはどうしようか?」
「ん・・・。クロト、は・・・一ターン、に・・・一ペア、まで・・・。」
「お父さんは記憶力がずば抜けてますから、それくらいが丁度いいと思う!」
「・・・ん、結構厳しいルールだけど、それでいこう。」
クロトは提案されたハンデを承認。
また、全員スキルの使用は禁止、などというルールが幾つか制定された。
そして、ファーナから時計周りで神経衰弱一回戦が始まった。
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