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第二部「創世神降臨」編
橙輝竜の巣
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各地で戦いが起こっている頃、エメラ&ナツメ組はとあるものを発見していた。
「エメラ殿、あれは何でござろうか・・・?」
「ん・・・。竜の、巣・・・?」
「やはりそうでござるか・・・。」
森の中に隠れる二人の視線は、前方五十メートル先に定められていた。
そこは、橙色の竜が大量に存在し、その内の一体は竜の比ではない威圧感がある。
「ん・・・。クロトに、連絡。」
「拙者たちでは一体ずつが限界でござる故に、致し方なしでござるな。」
厳密にはもう少しいけるかもしれないが、低く見積もるナツメ。
収納からアイテムを取り出し、信号を送った。
後は待つだけ、なのだが・・・。
「GYAAAAAA!!」
「っ・・・気づかれ、た・・・!」
「それは不味いでござるっ!」
二人は視線を交わした後で、一目散に逃げ始めた。
追いかけてくる橙輝竜は20体ほど。
勝ちの目が薄すぎるのだ。
逃げる方向はエメラが決めているが、闇雲に逃げているのではない。
逃げながら仲間の位置を風で確認しているのだ。
そして、仲間の反応を見つけ、そちらへ方向転換する。
危機的状況でも冷静に判断するエメラは流石の一言だ。
ナツメは感嘆せざるを得ない。
「ん・・・!アクア、ヴィオラ・・・戦闘、準備・・・!」
「っ!はい!」
「・・・了解した。」
逃げた方向に居たのはアクアとヴィオラ。
予め二人が探索していた方向を把握していた為、直ぐに見つけられたのだ。
「水神魔法・神水龍巻!」
「GYAAAAAAAAAA!!」
アクアが生み出した水の龍が、橙輝竜たちを拘束し、地面に叩き落す。
竜たちは暴れるが、魔力99999による捕縛から逃れることは至難の業だ。
また、ヴィオラの因果誘導も合わさっては回避すら覚束なかった。
格上の竜を誘導できるのはほんの少しであったが、それだけで十分。
後はアクアがなんとかしてしまうのだから。
「風雷神剣・万断連斬!」
エメラとエメラの分身による飛ぶ斬撃を喰らった竜たちは大きく弱体化した。
スキルを断ち切られてしまったのだ。
捕縛されている相手でないと命中率は覚束ないようだが、それでも十分だろう。
「抜刀神術・伊邪那岐!」
ナツメが滅多に使わない重めの刀技を放った。
クロトに教えを請い、兎に角一撃の重さと連撃数に重きを置いた抜刀術。
溜めは長いが、チーム戦では隙らしい隙でもない。
「GYAAAAAAA!?」
十連撃技を受けて、半分ほどの竜は絶命。
残った十体ほどの竜は・・・
「天紫剣・春夏秋冬!」
「納刀神術・伊邪那美!」
・・・ヴィオラの剣技とナツメの納刀術で絶命したのだった。
その頃、クロト&カレンのペアは、竜と戦っていた。
「リュノア、漆黒装!」
「キュイ!」
戦っている内に次々と竜が乱入してきて面倒になったクロト。
リュノアに漆黒装の指示を出した。
クロトの体を黒い靄が包んでゆき・・・。
「・・・漆黒剣・竜殺一閃!」
「GYAAAAAAAA!?」
橙輝竜のブレスを吸収し、その威力を乗せた一撃を叩き込んだ。
橙輝竜は一撃で絶命した。
「神絶剣・時穿!」
「・・・!?」
こちらは一体目の橙輝竜を撃破していた。
限界突破系スキルは使用していないのに勝利できたのだが、それには訳がある。
「漆黒剣・龍牙!・・・これで全部かな。にしても、カレンの光魔法は便利だね。」
クロトの言う通り、カレンが短期で竜を倒せたのは光魔法の影響が大きい。
何でも、窮地に陥るほど己の能力が強化されるのだそうだ。
なんとも、勇者に与えられるようなスキルであった。
「女勇者カレン、か・・・・・・似合うね。」
「やめろっ!私は勇者などという柄ではないっ!」
カレンが真っ向から否定するが、クロトは面白がって更に揶揄う。
「女勇者カレンの大冒険・・・というタイトルで本でも出してみようかな?」
「やめてくれっ!そんなことをしたらっ・・・あああああっ!?」
どうなるのかを想像したカレンが悲鳴を上げた。
少なくとも、また女性ファンが増えることは間違いない。
「カレンのファンクラブ会員がこぞって買いに来そうだよね。」
「ファンクラブとは何だ!?そんなもの、私は知らないのだが!?」
「ん?カレンを陰ながら見守ってニヤニヤする人たちの集まりだよ?」
「帰ったらそんな会は消滅させてやる!」
カレンはそう叫んだが、それは無理というものだ。
「でも、凄く強い用心棒が付いているらしいよ?」
「用心棒だと?それくらいならどうとでもなるだろう。」
「でも、相手はSSランクの冒険者だよ?」
「なっ・・・って、クロトのことではないかっ!何をやっているのだ貴様は!?」
現役のSSランク冒険者はクロトしかいないのであった。
後日、このファンクラブ主催の握手会が開かれたとか何とか。
「あ、エメラから連絡が来てたのを忘れてた。」
「本当に何をしているのだっ!?早く向かうぞっ!」
「エメラ殿、あれは何でござろうか・・・?」
「ん・・・。竜の、巣・・・?」
「やはりそうでござるか・・・。」
森の中に隠れる二人の視線は、前方五十メートル先に定められていた。
そこは、橙色の竜が大量に存在し、その内の一体は竜の比ではない威圧感がある。
「ん・・・。クロトに、連絡。」
「拙者たちでは一体ずつが限界でござる故に、致し方なしでござるな。」
厳密にはもう少しいけるかもしれないが、低く見積もるナツメ。
収納からアイテムを取り出し、信号を送った。
後は待つだけ、なのだが・・・。
「GYAAAAAA!!」
「っ・・・気づかれ、た・・・!」
「それは不味いでござるっ!」
二人は視線を交わした後で、一目散に逃げ始めた。
追いかけてくる橙輝竜は20体ほど。
勝ちの目が薄すぎるのだ。
逃げる方向はエメラが決めているが、闇雲に逃げているのではない。
逃げながら仲間の位置を風で確認しているのだ。
そして、仲間の反応を見つけ、そちらへ方向転換する。
危機的状況でも冷静に判断するエメラは流石の一言だ。
ナツメは感嘆せざるを得ない。
「ん・・・!アクア、ヴィオラ・・・戦闘、準備・・・!」
「っ!はい!」
「・・・了解した。」
逃げた方向に居たのはアクアとヴィオラ。
予め二人が探索していた方向を把握していた為、直ぐに見つけられたのだ。
「水神魔法・神水龍巻!」
「GYAAAAAAAAAA!!」
アクアが生み出した水の龍が、橙輝竜たちを拘束し、地面に叩き落す。
竜たちは暴れるが、魔力99999による捕縛から逃れることは至難の業だ。
また、ヴィオラの因果誘導も合わさっては回避すら覚束なかった。
格上の竜を誘導できるのはほんの少しであったが、それだけで十分。
後はアクアがなんとかしてしまうのだから。
「風雷神剣・万断連斬!」
エメラとエメラの分身による飛ぶ斬撃を喰らった竜たちは大きく弱体化した。
スキルを断ち切られてしまったのだ。
捕縛されている相手でないと命中率は覚束ないようだが、それでも十分だろう。
「抜刀神術・伊邪那岐!」
ナツメが滅多に使わない重めの刀技を放った。
クロトに教えを請い、兎に角一撃の重さと連撃数に重きを置いた抜刀術。
溜めは長いが、チーム戦では隙らしい隙でもない。
「GYAAAAAAA!?」
十連撃技を受けて、半分ほどの竜は絶命。
残った十体ほどの竜は・・・
「天紫剣・春夏秋冬!」
「納刀神術・伊邪那美!」
・・・ヴィオラの剣技とナツメの納刀術で絶命したのだった。
その頃、クロト&カレンのペアは、竜と戦っていた。
「リュノア、漆黒装!」
「キュイ!」
戦っている内に次々と竜が乱入してきて面倒になったクロト。
リュノアに漆黒装の指示を出した。
クロトの体を黒い靄が包んでゆき・・・。
「・・・漆黒剣・竜殺一閃!」
「GYAAAAAAAA!?」
橙輝竜のブレスを吸収し、その威力を乗せた一撃を叩き込んだ。
橙輝竜は一撃で絶命した。
「神絶剣・時穿!」
「・・・!?」
こちらは一体目の橙輝竜を撃破していた。
限界突破系スキルは使用していないのに勝利できたのだが、それには訳がある。
「漆黒剣・龍牙!・・・これで全部かな。にしても、カレンの光魔法は便利だね。」
クロトの言う通り、カレンが短期で竜を倒せたのは光魔法の影響が大きい。
何でも、窮地に陥るほど己の能力が強化されるのだそうだ。
なんとも、勇者に与えられるようなスキルであった。
「女勇者カレン、か・・・・・・似合うね。」
「やめろっ!私は勇者などという柄ではないっ!」
カレンが真っ向から否定するが、クロトは面白がって更に揶揄う。
「女勇者カレンの大冒険・・・というタイトルで本でも出してみようかな?」
「やめてくれっ!そんなことをしたらっ・・・あああああっ!?」
どうなるのかを想像したカレンが悲鳴を上げた。
少なくとも、また女性ファンが増えることは間違いない。
「カレンのファンクラブ会員がこぞって買いに来そうだよね。」
「ファンクラブとは何だ!?そんなもの、私は知らないのだが!?」
「ん?カレンを陰ながら見守ってニヤニヤする人たちの集まりだよ?」
「帰ったらそんな会は消滅させてやる!」
カレンはそう叫んだが、それは無理というものだ。
「でも、凄く強い用心棒が付いているらしいよ?」
「用心棒だと?それくらいならどうとでもなるだろう。」
「でも、相手はSSランクの冒険者だよ?」
「なっ・・・って、クロトのことではないかっ!何をやっているのだ貴様は!?」
現役のSSランク冒険者はクロトしかいないのであった。
後日、このファンクラブ主催の握手会が開かれたとか何とか。
「あ、エメラから連絡が来てたのを忘れてた。」
「本当に何をしているのだっ!?早く向かうぞっ!」
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