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第二部「創世神降臨」編
会わなかった理由
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草木も眠る薄三つ時、エルフの超越者セーラは世界樹の根元で腰掛けていた。
それは彼女の習慣であり、趣味でもある。
「ねぇユグドラシル、ちょっと愚痴を聞いてほしいの。」
(・・・・・・?)
セーラはユグドラシルへ手を当てて語り掛ける。
「実はね、娘のユフィが飼い獅子の名前を時折セラと呼ぶの・・・。」
(・・・・・・。)
「ミケという名前があるのに、私を揶揄って・・・!」
(・・・・・・!)
世界樹はセーラを励ました。
「ふふふ・・・!ありがとう、ユグドラシル。それじゃあ、また明日ね?」
(・・・!)
世界樹にそう声を掛け、根元から立ち上がり、歩き始める。
「はぁ・・・。クロト君、何してるのかな・・・?」
ため息を吐きながら、自分が好きで止まないクロトのことを想う。
クロトは何故か滅多に会いに来ないので、不満が溜まっているようだ。
そしてその不満は、体の疼きへと変換されていく。
クロトに里を救われ、死にゆく運命だった自分も救ってもらった。
強く、優しく、誠実なところに、心底惚れこんだ。
優しく抱かれた夜の快楽は、今でも思い出して体が火照る。
次に抱いてもらえる日のことを想像し、ボケッとしてしまうこともしばしば。
男女間の行為があれほど心地良く、幸福なものだと知ってしまった。
長く生きたセーラゆえに、強い刺激となって、決して忘れられない思い出に。
これまで性欲の欠片も無かったセーラはどう発散していいのかさえ分からない。
結果、己の欲を溜め続けることになっている現状がある。
セーラは胸に手を当てて、空を見上げながら涙目で、感情的になりつつ呟いた。
「クロト君・・・早く会いたい・・・!いつまで待たせるのよっ・・・!」
「今、この瞬間までかな。遅くなってごめんね。僕も会いたかったよ、セーラ。」
セーラは突如背後に現れた気配に耳元で囁かれ、抱き締められたと分かった。
その声、その言葉、その感触、その気配。
どれも自分が愛している人のもので間違いなく、心臓が激しく脈打ち始める。
それと同時に、取り返しがつかないほどに体が疼き始める。
「んっ、あっ・・・クロト、君・・・!」
「セーラ・・・!」
二人はその体勢のまま動かない。
二人の関係を変化させるきっかけになったからなのか。
クロトはセーラを後ろから抱き締めるのが好きだ。
セーラもまたクロトに後ろから抱き締められるのが好きだ。
セーラはクロトの吐息がセーラの耳元や首筋に掛かり、艶めかしい声を上げる。
クロトはそんなセーラを愛おしく思い、興奮も高まる。
「どうして、会いに来てくれないの・・・?毎日でも会いたいのに・・・!」
世界樹の結界は通り抜けられるのだから、もっと高い頻度で会いに来てほしい。
クロトに会えて感情のたがが外れ、思わずそんな欲をぶつける。
忙しいのは分かるが、せめて一月に一度くらいは会いたい、と。
「セーラ・・・複合結界が完成するまでは、会わないようにと決めていたんだ。」
「それは、どうして・・・?」
「セーラに早く会いたいと思うからこそ、限界以上に研究が進むからね・・・。」
クロトは、なにも意地悪や焦らしのつもりで会いに来なかったのではない。
一刻も早く里の結界を完成させたかったから、会いに来なかったのだ。
ひいては、それが一番、セーラや自分のためになると信じて。
セーラが泣いている今でも、その考えが間違えだったとは思っていない。
何故なら、今この時、この上なく幸せでいられるのだから。
クロトが会いに来なかったのは自分たちの未来の為。
そう聞かされて、ドキッとさせられる。
(変わってない・・・私の為ではなく、私たちの為と言い切るところも。)
セーラは我が儘な自分を恥じつつも、クロトに抱きしめられるがままとなった。
「んんっ・・・ね、ねぇ、クロトんうっ、君・・・!そろそろ、ね・・・?」
「ん、もう少しだけ抱き締めさせて。」
「そ、それはっ、んあっ・・・!」
セーラとしても、このまま永遠に抱き締めていてくれてもいいと思っている。
だが、クロトに触れられた体は信じられない程に熱いし、呼吸も荒くなっている。
また、いよいよ体の疼きが抑えられなくなっており、事は急を要するのだ。
「はぁ、はぁ・・・クロト君っ、もうだめっ!おかしくなってしまうわっ・・・!」
「・・・あと百年だけ。」
「クロト君っ!!」
猛抗議を受けて、クロトはやむなく手を離した。
セーラはクロトから解放されて一安心。
小言を言ってやろうと後ろを振り返り・・・
「クロトんむっ・・・!?」
「・・・・・・。」
「んんんっ・・・!ふあっ・・・!?んぅっ・・・!!」
・・・狙いすましていたクロトに、立て続けに唇を奪われたのであった。
世界樹の根元でこだまする喘ぎ声。
ユグドラシルとグランディアだけが、その声を聴いていたのだった。
それは彼女の習慣であり、趣味でもある。
「ねぇユグドラシル、ちょっと愚痴を聞いてほしいの。」
(・・・・・・?)
セーラはユグドラシルへ手を当てて語り掛ける。
「実はね、娘のユフィが飼い獅子の名前を時折セラと呼ぶの・・・。」
(・・・・・・。)
「ミケという名前があるのに、私を揶揄って・・・!」
(・・・・・・!)
世界樹はセーラを励ました。
「ふふふ・・・!ありがとう、ユグドラシル。それじゃあ、また明日ね?」
(・・・!)
世界樹にそう声を掛け、根元から立ち上がり、歩き始める。
「はぁ・・・。クロト君、何してるのかな・・・?」
ため息を吐きながら、自分が好きで止まないクロトのことを想う。
クロトは何故か滅多に会いに来ないので、不満が溜まっているようだ。
そしてその不満は、体の疼きへと変換されていく。
クロトに里を救われ、死にゆく運命だった自分も救ってもらった。
強く、優しく、誠実なところに、心底惚れこんだ。
優しく抱かれた夜の快楽は、今でも思い出して体が火照る。
次に抱いてもらえる日のことを想像し、ボケッとしてしまうこともしばしば。
男女間の行為があれほど心地良く、幸福なものだと知ってしまった。
長く生きたセーラゆえに、強い刺激となって、決して忘れられない思い出に。
これまで性欲の欠片も無かったセーラはどう発散していいのかさえ分からない。
結果、己の欲を溜め続けることになっている現状がある。
セーラは胸に手を当てて、空を見上げながら涙目で、感情的になりつつ呟いた。
「クロト君・・・早く会いたい・・・!いつまで待たせるのよっ・・・!」
「今、この瞬間までかな。遅くなってごめんね。僕も会いたかったよ、セーラ。」
セーラは突如背後に現れた気配に耳元で囁かれ、抱き締められたと分かった。
その声、その言葉、その感触、その気配。
どれも自分が愛している人のもので間違いなく、心臓が激しく脈打ち始める。
それと同時に、取り返しがつかないほどに体が疼き始める。
「んっ、あっ・・・クロト、君・・・!」
「セーラ・・・!」
二人はその体勢のまま動かない。
二人の関係を変化させるきっかけになったからなのか。
クロトはセーラを後ろから抱き締めるのが好きだ。
セーラもまたクロトに後ろから抱き締められるのが好きだ。
セーラはクロトの吐息がセーラの耳元や首筋に掛かり、艶めかしい声を上げる。
クロトはそんなセーラを愛おしく思い、興奮も高まる。
「どうして、会いに来てくれないの・・・?毎日でも会いたいのに・・・!」
世界樹の結界は通り抜けられるのだから、もっと高い頻度で会いに来てほしい。
クロトに会えて感情のたがが外れ、思わずそんな欲をぶつける。
忙しいのは分かるが、せめて一月に一度くらいは会いたい、と。
「セーラ・・・複合結界が完成するまでは、会わないようにと決めていたんだ。」
「それは、どうして・・・?」
「セーラに早く会いたいと思うからこそ、限界以上に研究が進むからね・・・。」
クロトは、なにも意地悪や焦らしのつもりで会いに来なかったのではない。
一刻も早く里の結界を完成させたかったから、会いに来なかったのだ。
ひいては、それが一番、セーラや自分のためになると信じて。
セーラが泣いている今でも、その考えが間違えだったとは思っていない。
何故なら、今この時、この上なく幸せでいられるのだから。
クロトが会いに来なかったのは自分たちの未来の為。
そう聞かされて、ドキッとさせられる。
(変わってない・・・私の為ではなく、私たちの為と言い切るところも。)
セーラは我が儘な自分を恥じつつも、クロトに抱きしめられるがままとなった。
「んんっ・・・ね、ねぇ、クロトんうっ、君・・・!そろそろ、ね・・・?」
「ん、もう少しだけ抱き締めさせて。」
「そ、それはっ、んあっ・・・!」
セーラとしても、このまま永遠に抱き締めていてくれてもいいと思っている。
だが、クロトに触れられた体は信じられない程に熱いし、呼吸も荒くなっている。
また、いよいよ体の疼きが抑えられなくなっており、事は急を要するのだ。
「はぁ、はぁ・・・クロト君っ、もうだめっ!おかしくなってしまうわっ・・・!」
「・・・あと百年だけ。」
「クロト君っ!!」
猛抗議を受けて、クロトはやむなく手を離した。
セーラはクロトから解放されて一安心。
小言を言ってやろうと後ろを振り返り・・・
「クロトんむっ・・・!?」
「・・・・・・。」
「んんんっ・・・!ふあっ・・・!?んぅっ・・・!!」
・・・狙いすましていたクロトに、立て続けに唇を奪われたのであった。
世界樹の根元でこだまする喘ぎ声。
ユグドラシルとグランディアだけが、その声を聴いていたのだった。
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