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第二部「創世神降臨」編
隕石迎撃
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ミカゲ財閥会長秘書のスイレンは、クロトの連絡を受け、指示を出し始めた。
「まずは、アクア、エメラの両名へ連絡を!」
「ボクが行ってくる!」
「王城へも連絡を入れて布告の準備をするように伝えて!ギルドにも連絡を!」
「了解しました!」
慌ただしく動きながらも、誰一人パニックになってはいない。
最初に伝えた、クロトが迎撃に向かった、という言葉が影響している。
ミカゲ財閥の社員にとって、それは最大級の安心を得られる言葉だったのだ。
スイレンが意図してやった事だが、クロトの偉大さを感じると同時に思う。
クロトの話無しでも、社内にパニックは起こらなかったのでは、と。
スイレンは、つくづく優秀な者たちだと思った。
クロトからスカウトされた者ばかりなのだから、当然のことかもしれないが。
「王城出向役より連絡!映像の準備は直ぐに整うとのことです!」
「・・・王城にはこの原稿を送って。」
「了解です!」
スイレンは原稿を渡しながら、随分と王城の対応が早いと感じた。
リオン辺りが活躍したのだろうと推測し、直ぐにそちらの思考を打ち切る。
「アクアとエメラへの伝言は終わりましたわよ!」
「マリア?・・・助かります。」
途中でローナと合流し、転移で知らせに来てくれたのだと確信し、礼を述べる。
スイレンはクロトとその恋人には敬語を使うのだが、それは置いておく。
その後、出来る事は殆ど終えて、隕石もかなり大きく見えるようになった。
クロトから連絡がきて、まだ一分少々である。
(後は、会長が隕石を破壊するのを待つだけですか。)
スイレンはその後に備え、チョコレートを一つ口に入れた。
王都の住民がパニックになりかけていると、突如空に映像が浮かびあがった。
「親愛なる民たちよ。余はエドワード・アイズ・カラーヴォイスである!」
そんな挨拶とともに、現状の説明が始まった。
説明するのはリオン。
要点をまとめると、
空から迫る物体は隕石というものである。
現在SSランク冒険者「深淵」のクロトが迎撃に向かっている。
王都には結界が張られるので心配はない。
という感じの内容であった。
「はぁ・・・。「深淵」様が出向いたなら、もう大丈夫だな・・・。」
「そうね。安心したわ。」
住人たちは思い思いに話し始めたが、そこに混乱は無い。
「まあ、クロトがやるんなら大丈夫だろうよ。」
「そうですね。あのクロトさんですから。」
闇魔法が効きづらい者も居たが、それはクロトの知人。
ライトとセレナ、レイナの三人は、落ち着いた表情で空を見上げている。
こうして、王都のパニックは事前に抑えられた。
クロトは、隕石の落下方向に回り込んでいた。
「・・・巨大、という言葉がちっぽけに思えるね。」
「キュ・・・。」
隕石の大きさはリュノアの全長を余裕で上回っていた。
地上に落下すれば、大惨事は免れないだろう。
「それじゃあ、小手調べで。天神法術・大天刃!」
クロトが放った巨大な光る刃は、隕石の表面を少し削っただけだった。
クロトは目を見開く。
かなりの力を込めたので、部分的に破壊くらいは出来ると思っていたのだ。
(これは、手加減無用だね。本気でいこう。)
クロトはそう決めて、翼を生成し、二本の剣を抜いた。
「リュノア、漆黒装。」
「キュオッ!」
リュノアを纏い、能力値を最大まで強化。
そして、久しく使っていなかった剣技を繰り出す。
「流星神天龍・夢幻!」
収納に仕舞われている膨大な数の天剣が、隕石へ向かって放たれた。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
次々と隕石へ直撃する天剣。
だが、隕石に殆ど効果は無く、天剣の方が衝撃で破壊される始末。
クロトは背筋に冷や汗が流れるのを感じた。
色系の主や竜種にも絶大なダメージが通る攻撃が通らないことに驚愕する。
(この隕石は一体・・・。解析は・・・やっぱり通らないね。)
神の瞳で解析不能など、尋常なものではあるまい。
だからこそ、クロトは本気で破壊しにいったのだが。
(だったら、直接斬りつける・・・!)
クロトは隕石に近づいて剣技を放つ。
「創世十字閃・神断!」
ゴガガッ!!
隕石と剣が激突し、轟音が鳴り響く。
それはまるで、両者の優先度が拮抗しているかのような音だった。
「・・・絶対遮断でも部分破壊が限界なんて・・・これはいよいよ不味いかも?」
クロトは焦りこそしていないが、隕石への有効な攻撃を見つけられずにいた。
「まずは、アクア、エメラの両名へ連絡を!」
「ボクが行ってくる!」
「王城へも連絡を入れて布告の準備をするように伝えて!ギルドにも連絡を!」
「了解しました!」
慌ただしく動きながらも、誰一人パニックになってはいない。
最初に伝えた、クロトが迎撃に向かった、という言葉が影響している。
ミカゲ財閥の社員にとって、それは最大級の安心を得られる言葉だったのだ。
スイレンが意図してやった事だが、クロトの偉大さを感じると同時に思う。
クロトの話無しでも、社内にパニックは起こらなかったのでは、と。
スイレンは、つくづく優秀な者たちだと思った。
クロトからスカウトされた者ばかりなのだから、当然のことかもしれないが。
「王城出向役より連絡!映像の準備は直ぐに整うとのことです!」
「・・・王城にはこの原稿を送って。」
「了解です!」
スイレンは原稿を渡しながら、随分と王城の対応が早いと感じた。
リオン辺りが活躍したのだろうと推測し、直ぐにそちらの思考を打ち切る。
「アクアとエメラへの伝言は終わりましたわよ!」
「マリア?・・・助かります。」
途中でローナと合流し、転移で知らせに来てくれたのだと確信し、礼を述べる。
スイレンはクロトとその恋人には敬語を使うのだが、それは置いておく。
その後、出来る事は殆ど終えて、隕石もかなり大きく見えるようになった。
クロトから連絡がきて、まだ一分少々である。
(後は、会長が隕石を破壊するのを待つだけですか。)
スイレンはその後に備え、チョコレートを一つ口に入れた。
王都の住民がパニックになりかけていると、突如空に映像が浮かびあがった。
「親愛なる民たちよ。余はエドワード・アイズ・カラーヴォイスである!」
そんな挨拶とともに、現状の説明が始まった。
説明するのはリオン。
要点をまとめると、
空から迫る物体は隕石というものである。
現在SSランク冒険者「深淵」のクロトが迎撃に向かっている。
王都には結界が張られるので心配はない。
という感じの内容であった。
「はぁ・・・。「深淵」様が出向いたなら、もう大丈夫だな・・・。」
「そうね。安心したわ。」
住人たちは思い思いに話し始めたが、そこに混乱は無い。
「まあ、クロトがやるんなら大丈夫だろうよ。」
「そうですね。あのクロトさんですから。」
闇魔法が効きづらい者も居たが、それはクロトの知人。
ライトとセレナ、レイナの三人は、落ち着いた表情で空を見上げている。
こうして、王都のパニックは事前に抑えられた。
クロトは、隕石の落下方向に回り込んでいた。
「・・・巨大、という言葉がちっぽけに思えるね。」
「キュ・・・。」
隕石の大きさはリュノアの全長を余裕で上回っていた。
地上に落下すれば、大惨事は免れないだろう。
「それじゃあ、小手調べで。天神法術・大天刃!」
クロトが放った巨大な光る刃は、隕石の表面を少し削っただけだった。
クロトは目を見開く。
かなりの力を込めたので、部分的に破壊くらいは出来ると思っていたのだ。
(これは、手加減無用だね。本気でいこう。)
クロトはそう決めて、翼を生成し、二本の剣を抜いた。
「リュノア、漆黒装。」
「キュオッ!」
リュノアを纏い、能力値を最大まで強化。
そして、久しく使っていなかった剣技を繰り出す。
「流星神天龍・夢幻!」
収納に仕舞われている膨大な数の天剣が、隕石へ向かって放たれた。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
次々と隕石へ直撃する天剣。
だが、隕石に殆ど効果は無く、天剣の方が衝撃で破壊される始末。
クロトは背筋に冷や汗が流れるのを感じた。
色系の主や竜種にも絶大なダメージが通る攻撃が通らないことに驚愕する。
(この隕石は一体・・・。解析は・・・やっぱり通らないね。)
神の瞳で解析不能など、尋常なものではあるまい。
だからこそ、クロトは本気で破壊しにいったのだが。
(だったら、直接斬りつける・・・!)
クロトは隕石に近づいて剣技を放つ。
「創世十字閃・神断!」
ゴガガッ!!
隕石と剣が激突し、轟音が鳴り響く。
それはまるで、両者の優先度が拮抗しているかのような音だった。
「・・・絶対遮断でも部分破壊が限界なんて・・・これはいよいよ不味いかも?」
クロトは焦りこそしていないが、隕石への有効な攻撃を見つけられずにいた。
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