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第二部「創世神降臨」編
思い出話
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クロトは雑貨店を後にして、アクアとエメラの居る王都の冒険者ギルドへ。
先日の天の塔での戦いで、エメラのレベルはアクアと同じ100になった。
つまり、二人とも自己超越の試練へ挑める状況なのだ。
まだ挑んでいないのは、もう少し技術を高めてからにしたいというのが大きい。
現在二人は軽い模擬戦の最中だ。
一区切りつくのを待って、クロトは二人に話しかけた。
「アクア、エメラ、二人ともお疲れ様。」
「クロトさん?いらしていたのですか。」
「ん・・・。集中、してて・・・気づけ、なかった・・・。」
この二人は隠密しているクロトを見つけられる数少ない人間。
だが、危険が無い以上、常時確認しているわけではないということだ。
「ん、自己超越の試練、いつ受けるか決まった?」
「はい。今週中にも私が受けて、その後にエメラさんです。」
「そっか。じゃあ、これを渡しておくから、よろしくね?」
「分かりました。」
「ん・・・。」
クロトは二人にあるものを渡して、用事は済んだ。
「さて、どうせだから二対一で戦ってみようか?」
「是非!」
「ん・・・!」
強くなることへの貪欲さは未だ衰えていないのであった。
「あ、言うまでもないけど、万断は使用禁止だよ?」
クロトはそれだけ言って、体を動かし始めた。
模擬戦の結果は、クロトの辛勝。
「負けるかと思ったよ・・・。」
「はぁ・・・今回は勝てると思ったんですけど・・・。」
「ん・・・。クロト・・・また、強く、なった・・・。」
三人とも呼吸が荒い。
かなり際どい攻防であった証拠だ。
カレンあたりが加わっていたら、クロトの敗北は濃厚だっただろう。
あくまでも模擬戦は、だが。
(自己超越の試練をクリアしたら、いよいよ危ないかもしれないね・・・。)
クロトは、今度竜狩りにでも行こうかと画策するのだった。
まだ昼前だというのに、いよいよやることがなくなったクロト。
いっそ、深海竜でも狩りに行こうかと本気で思い始めていた。
「そんな中で出会ったんだから、揶揄ってもいいよね?」
「いいわけありませんわ!」
「同時に沢山可愛がるけど?」
「・・・少しだけならいいですわよ。」
相変わらずのちょろさを見せるマリア。
クロトは王都にやってきたマリアを見つけて、会いにきたのだ。
「そういえば、以前プレゼントしたゴスロリ服は着てくれないの?」
「あれを人前で着るのは恥ずかしいんですのよ・・・。」
「・・・マリアもすっかり馴染んだね。」
以前は罪の意識からか、滅多に人前に出る事すらしなかったマリア。
それが今では、別の意味で人目を気にするようになっている。
大きな変化にクロトは表情を綻ばせる。
思えば、随分長く一緒に居るような気がするが、まだまだ短い付き合いだ。
獄界の穴で初めて共闘して、仲を深めた日の事は、今でも鮮明に頭に浮かぶ。
「ん?マリアって、いつから僕の事を異性として意識してたっけ?」
「何ですの唐突に・・・?割と最初からだったと思いますわよ?」
ほんのりと赤くなりながらも正直に答えた。
王城での戦い、獄界の穴、王都感謝祭、天空島。
クロトと出会って接するうちに、どんどん惹かれていった。
明確に好意を認識したのは、確か天空島だったはずだ。
そして、深淵の森で告白を受けて、恋人になった。
「・・・深淵の森。あそこは色んな意味で思い出深い場所なんだよね・・・。」
「最初に降り立った場所でしたわね?他にもありましたの?」
「まあね。魔物の侵攻、ドラゴンとの遭遇、カリスと会ったのもそうだよね。」
「・・・色々経験してますわよね、クロトは。」
僅か数年の出来事だとは思えないくらいに密度の濃い日々である。
「マリアの経験には勝てないけどね。なにせ数百年は生きているんだし。」
「もう年のことは言わないでくださいましっ・・・!」
マリアは力なくうな垂れた。
流石に堪えているようだ。
「それで、結局マリアは何歳なの?」
「・・・秘密ですわ。」
「解析しても、年齢が???になってて分からないんだよね・・・。」
「でしたら、分からないままで良いですわ。」
マリアに答える気は更々無いようだ。
乙女心というものだろう。
「仕方ない。それ用のアーティファクトを開発しようかな。」
「やめてくださいましっ!」
「予算は・・・・・・五兆ゴールドくらいは必要だよね・・・。」
「間違いなく無駄遣いですわよっ!?」
マリアはクロトの顔が本気だったので、やむを得ず耳打ちで年齢を教えた。
流石にそんな金額を使わせるのは気が咎めたようだ。
なお、年齢を聞いたクロトの反応は・・・
「・・・セーラなんて目じゃないくらいの年齢だったんだね。」
というものだったとか。
先日の天の塔での戦いで、エメラのレベルはアクアと同じ100になった。
つまり、二人とも自己超越の試練へ挑める状況なのだ。
まだ挑んでいないのは、もう少し技術を高めてからにしたいというのが大きい。
現在二人は軽い模擬戦の最中だ。
一区切りつくのを待って、クロトは二人に話しかけた。
「アクア、エメラ、二人ともお疲れ様。」
「クロトさん?いらしていたのですか。」
「ん・・・。集中、してて・・・気づけ、なかった・・・。」
この二人は隠密しているクロトを見つけられる数少ない人間。
だが、危険が無い以上、常時確認しているわけではないということだ。
「ん、自己超越の試練、いつ受けるか決まった?」
「はい。今週中にも私が受けて、その後にエメラさんです。」
「そっか。じゃあ、これを渡しておくから、よろしくね?」
「分かりました。」
「ん・・・。」
クロトは二人にあるものを渡して、用事は済んだ。
「さて、どうせだから二対一で戦ってみようか?」
「是非!」
「ん・・・!」
強くなることへの貪欲さは未だ衰えていないのであった。
「あ、言うまでもないけど、万断は使用禁止だよ?」
クロトはそれだけ言って、体を動かし始めた。
模擬戦の結果は、クロトの辛勝。
「負けるかと思ったよ・・・。」
「はぁ・・・今回は勝てると思ったんですけど・・・。」
「ん・・・。クロト・・・また、強く、なった・・・。」
三人とも呼吸が荒い。
かなり際どい攻防であった証拠だ。
カレンあたりが加わっていたら、クロトの敗北は濃厚だっただろう。
あくまでも模擬戦は、だが。
(自己超越の試練をクリアしたら、いよいよ危ないかもしれないね・・・。)
クロトは、今度竜狩りにでも行こうかと画策するのだった。
まだ昼前だというのに、いよいよやることがなくなったクロト。
いっそ、深海竜でも狩りに行こうかと本気で思い始めていた。
「そんな中で出会ったんだから、揶揄ってもいいよね?」
「いいわけありませんわ!」
「同時に沢山可愛がるけど?」
「・・・少しだけならいいですわよ。」
相変わらずのちょろさを見せるマリア。
クロトは王都にやってきたマリアを見つけて、会いにきたのだ。
「そういえば、以前プレゼントしたゴスロリ服は着てくれないの?」
「あれを人前で着るのは恥ずかしいんですのよ・・・。」
「・・・マリアもすっかり馴染んだね。」
以前は罪の意識からか、滅多に人前に出る事すらしなかったマリア。
それが今では、別の意味で人目を気にするようになっている。
大きな変化にクロトは表情を綻ばせる。
思えば、随分長く一緒に居るような気がするが、まだまだ短い付き合いだ。
獄界の穴で初めて共闘して、仲を深めた日の事は、今でも鮮明に頭に浮かぶ。
「ん?マリアって、いつから僕の事を異性として意識してたっけ?」
「何ですの唐突に・・・?割と最初からだったと思いますわよ?」
ほんのりと赤くなりながらも正直に答えた。
王城での戦い、獄界の穴、王都感謝祭、天空島。
クロトと出会って接するうちに、どんどん惹かれていった。
明確に好意を認識したのは、確か天空島だったはずだ。
そして、深淵の森で告白を受けて、恋人になった。
「・・・深淵の森。あそこは色んな意味で思い出深い場所なんだよね・・・。」
「最初に降り立った場所でしたわね?他にもありましたの?」
「まあね。魔物の侵攻、ドラゴンとの遭遇、カリスと会ったのもそうだよね。」
「・・・色々経験してますわよね、クロトは。」
僅か数年の出来事だとは思えないくらいに密度の濃い日々である。
「マリアの経験には勝てないけどね。なにせ数百年は生きているんだし。」
「もう年のことは言わないでくださいましっ・・・!」
マリアは力なくうな垂れた。
流石に堪えているようだ。
「それで、結局マリアは何歳なの?」
「・・・秘密ですわ。」
「解析しても、年齢が???になってて分からないんだよね・・・。」
「でしたら、分からないままで良いですわ。」
マリアに答える気は更々無いようだ。
乙女心というものだろう。
「仕方ない。それ用のアーティファクトを開発しようかな。」
「やめてくださいましっ!」
「予算は・・・・・・五兆ゴールドくらいは必要だよね・・・。」
「間違いなく無駄遣いですわよっ!?」
マリアはクロトの顔が本気だったので、やむを得ず耳打ちで年齢を教えた。
流石にそんな金額を使わせるのは気が咎めたようだ。
なお、年齢を聞いたクロトの反応は・・・
「・・・セーラなんて目じゃないくらいの年齢だったんだね。」
というものだったとか。
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