異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

十二星座の試練４

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　クロトがゾディアを順調に追い詰めている頃。

　アクアたちは戦いを優勢に進めていた。

「水神魔法・神氷絶波！」

　ドガガガガガガガガガガッ！！

　星十二天「射手」が奥の手として放ってきた大量の矢を、全て粉砕したアクア。

　好きの出来た射手に追撃し、そのまましとめることに成功。

　戦場を見渡すと、ヴィオラが天秤に止めを刺していた。

　エメラは天蠍を既に倒しており、何も出来ない水瓶を破壊していた。

　ナツメは、双子相手に互角で、僅かに優勢へ傾き始めている。

　カレンは獅子と乙女を少しずつ削って、現在はひっくり返らない程の優勢。

　一番厄介で相性の悪い組み合わせを担当したマリアも、拮抗状態。

（牡羊は後回しにするとして、まずはナツメさんの援護からでしょうか。）

　そのように考え、手の空いたヴィオラをナツメの元へ援軍に出す。

　マリアの元へは、直に水瓶を破壊するだろうエメラを援軍に。

（問題はカレンさんですね。乙女の性質からして、人を増やしては・・・。）

　完全版の星十二天「乙女」は、戦っている女性が増える程、強くなる。

　安易に応援は出せないのだ。

　強化された乙女と獅子を同時に相手して優勢のカレンは、かなり凄い。

　アクアは獅子を自分が相手取り、乙女はカレンに任せたままにすることに。

「水神魔法・明鏡止水！」

　アクアは己の存在を消して、さらに魔法を発動。

「水神魔法・水神の誘惑！」

「GAAAAAA！？」

　獅子を水で捕縛し、強引に自分の前へと転移させた。

　これなら、カレンの戦いに介入したことにならない。

　そして、思わぬところから攻撃を喰らい、混乱している獅子。

　どう見ても隙だらけだ。

「水神魔法・水龍の咆哮！」

「GAAAAAAAAAAAAA！？」

　獅子を圧殺し、もう一度周囲を見回す。

　ヴィオラは双子とナツメの戦いに介入しており、エメラは丁度水瓶を破壊した。

「エメラさん！マリアさんの援護に！それと、こちらの指揮を任せます！」

「ん・・・！任せて・・・！」

　そしてアクアは、クロトとゾディアが戦う場所へ向かった。

　討伐完了　山羊、双魚、射手、天蠍、天秤、水瓶、獅子

　未討伐　双子、乙女、巨蟹、牡牛、牡羊

　ナツメ＆ヴィオラ　VS　双子

　マリア＆エメラ　VS牡牛＆巨蟹

　カレン　VS　乙女

　牡羊　爆睡中につき放置

「牡牛凶撃タウラス・ストライク！」

「神毒の守護者サマエライズ・ガーディアン！」

　ゾディア渾身の一突きを、翼を壁にして防ぐクロト。

　しかし、これまでどんな攻撃も防いできた神毒の守護者が、軋んでいる。

　やがて亀裂が入り、ついには粉々に破壊された。

「喰らえっ！」

「ぐ、げほっ・・・！」

　剣に貫かれはしなかったものの、かなりの衝撃を喰らったクロト。

　そのHPを大きく減らすことになった。

　あまりに速過ぎる攻防のせいで、魔法存在に入れ替わることも出来なかった。

　神毒の守護者が間に合ったのも、半ば偶然だ。

「ごほっ・・・やられっぱなしは、趣味じゃないかな・・・。」

「・・・何っ！？」

　神毒の守護者が破られること。

　魔法存在との入れ替わりが間に合わないこと。

　クロトはどちらも理解した上で、次の手を用意していた。

　砕け散った紫色の翼を操り、ドームを形成。

　自分とゾディアを、そこへ閉じ込める。

「ダメージは、倍にして返すよ。・・・神毒崩壊サマエライズ・クラッシュ！」

「ぐおおおおおおっ！？」

　クロトは魔法存在と入れ替わり、悠々と離脱。

　ゾディアは魔法存在に邪魔されて逃げることなど出来ない。

　直後、ドームは大爆発を起こした。

「・・・流石に死んではいないか。」

「ぐっ、やってくれたなっ、人間がぁぁぁぁぁぁああ！！」

「！？」

　怒りが頂点に達したゾディアは、ついに全力戦闘に移った。

　ゾディア　HP　２１０００/７００００
　　　　　　MP　２６０００/６５０００

　HPMPは減っているが、星界突破の効果で、その他の能力値は三倍に。

　１１００００近くとなった能力値は、脅威なんてレベルではない。

　おまけに、使用時間の制限が存在しないなど、悪夢だろう。

　これには、流石に頬を引き攣らせるクロト。

　能力値１０００００越えというのは、神への入口なのだ。

　種族も星の主から星神へと変化しており、その異様さが窺える。

　能力値も更に二倍になり、２２００００に。

「貴様などもう要らん！嬲り殺しにしてくれる！」

「ようやく諦めてくれたね・・・。」

　クロトは闇輪を生成した後、模倣の鏡で橙の瞳の効果を発動。

　結果、クロト９８０００　VS　ゾディア１１００００　という状況に。

　黒天人化と光輪、闇輪、星天装、橙の瞳、漆黒装。

　これだけ重ね掛けしてもまだ追いつけない。

　これで能力値が１０００００に届いていれば、黒天神化で逆転できる。

　だが残念ながら、そう上手くはいかないのだ。

「死ねぇぇぇぇぇええ！！」

「っ、不味っ・・・！」

　目で追いきれない速度で接近され、回避が間に合わないクロト。

　予測はしていたのに、体の動きが間に合わない。

　能力値１０００００以降というのは、単純な数値以上の差があるのだ。

　ゾディアによる全力の一撃は、間違いなくクロト本人を捉えた。

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