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第二部「創世神降臨」編
リンカと過ごす日
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「えっ?クロトさん、ずぶ濡れじゃないですか!?少々お待ちください!」
永遠の眠り亭の前まで来たクロトはリンカに見つかった。
「これ、タオルです!一体どうしたんですか・・・?」
「ん?ちょっと雨に当たりたい気分だっただけだよ。」
「はぁ・・・?そうですか・・・。」
リンカは、不思議そうにしながら、どことなく元気のないクロトを心配する。
その後、クロトはいつもの場所に部屋を取り、ベッドで横になった。
「ふぅ・・・。やっぱりリンカに会うと、安心できるね・・・。」
思わず心の声が漏れてしまったクロト。
その表情は、幾分かはマシになったが、やや陰ったままだ。
リオンの想いを踏み躙って突き放したことが、相当堪えているようだ。
(思えば、シロナに突き放された時も、似たような気分だったかもね・・・。)
突き放す側と突き放される側。
一体どちらが辛いのだろうと、益体も無いことを考える。
クロトがここまで精神的に弱ったのは、この世界に来て二回目。
ヴィオラに恋をしてアクアへの罪悪感で潰されそうになった時以来か。
時刻は既に夜。
疲れているのに、眠れそうな気がしないのは何故なのか。
クロトがそう思っていると、ノックの音が。
コンコンコン!
「クロトさん、入ってもよろしいですか・・・?」
「リンカ?入っていいよ。」
「はい。失礼します。」
クロトが鍵を開けると、リンカが扉を開けてクロトの部屋に入った。
二人はベッドに腰掛ける。
「それで、何か用だったかな?仕事の方は大丈夫なの?」
「はい。仕事は丁度終わりましたし、クロトさんが心配で・・・。」
クロトはもうそんな時間かと驚いて、自分がボーっとしていたことに気づいた。
気をとり直して、安心させるように微笑みながら、リンカに感謝する。
「心配してくれてありがとう、リンカ。僕は大丈夫だから。」
「・・・どこも大丈夫には見えません!」
「えっ・・・?」
リンカの強い語調に、クロトは唖然とした。
そして、呆然としている間に、リンカに抱きしめられた。
仕事着のままなのは、急いで来たからなのだろう。
リンカのいい匂いが、クロトを優しく包む。
クロトはそれだけで、癒されるのが分かった。
「私なんかでは頼りないと思いますが、もっと頼ってください・・・!」
「・・・・・・。」
「辛そうにしているクロトさんを見ているだけは、嫌なんです・・・!」
それは、魂からの叫び声に聞こえて、心を動かされたクロト。
そっと、リンカを抱き締め返した。
(リンカは、僕が守りたい人で、僕が守られたい人、なのかも・・・。)
そうでなければ、この安心感は説明がつかない。
アクアたちとはまた違う心地良さ。
辛いときに自分を支えてくれる、帰るべき場所。
それが、リンカという女性なのだ。
「リンカ・・・。ずっと抱き締めていても、いいかい・・・?」
「はい・・・!あなたが、そう望むなら、いつまででも・・・!」
クロトはリンカの返事を聞いて、自分ごと、その体をベッドに横たえた。
そして、先程までよりも、力を込めて抱き締める。
「んっ・・・。」
リンカから艶めかしい声が漏れた。
男性に抱きしめられる経験など無く、緊張しているのがクロトにも伝わった。
胸の鼓動が激しくなっているのも、容易に分かる。
逆にリンカも、クロトの鼓動が速くなっていることが分かった。
その事実を認識すると、リンカの体は火照りだす。
静かな部屋で、激しく振りつける雨の音が、異様に響いている。
二人の呼吸は、どちらからともなく、荒くなっていった。
お互い、相手が興奮していると理解し、己の興奮も高まっていく。
やがて、リンカを抱き締めるクロトの手が、ゆっくりと動き始める。
背に回された状態から、リンカの背筋に這わせていく。
「んっ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・!ぁん・・・。」
クロトの愛撫に、リンカは情欲が高まっていくのを感じた。
段々と思考がぼやけて、もっと欲しい、と思うように。
クロトの愛撫は徐々に大胆になっていった。
仕事着であるスカートの中に手を這わせ、リンカの綺麗な足に触れる。
「あっ・・・んんんっ・・・!」
リンカは自分から漏れた声を隠そうと、唇を噛み締める。
そんな行動が、クロトを煽るのだと知りもせずに。
クロトはリンカの口を開かせようと、キスをした。
「んんっ・・・!?あっ、だめっ・・・!声がっ・・・ああんっ・・・!」
「可愛いよ、リンカ・・・。」
キスの間も愛撫の手は止まらず、リンカを喘がせる。
二人の夜は、まだ始まったばかりだ。
永遠の眠り亭の前まで来たクロトはリンカに見つかった。
「これ、タオルです!一体どうしたんですか・・・?」
「ん?ちょっと雨に当たりたい気分だっただけだよ。」
「はぁ・・・?そうですか・・・。」
リンカは、不思議そうにしながら、どことなく元気のないクロトを心配する。
その後、クロトはいつもの場所に部屋を取り、ベッドで横になった。
「ふぅ・・・。やっぱりリンカに会うと、安心できるね・・・。」
思わず心の声が漏れてしまったクロト。
その表情は、幾分かはマシになったが、やや陰ったままだ。
リオンの想いを踏み躙って突き放したことが、相当堪えているようだ。
(思えば、シロナに突き放された時も、似たような気分だったかもね・・・。)
突き放す側と突き放される側。
一体どちらが辛いのだろうと、益体も無いことを考える。
クロトがここまで精神的に弱ったのは、この世界に来て二回目。
ヴィオラに恋をしてアクアへの罪悪感で潰されそうになった時以来か。
時刻は既に夜。
疲れているのに、眠れそうな気がしないのは何故なのか。
クロトがそう思っていると、ノックの音が。
コンコンコン!
「クロトさん、入ってもよろしいですか・・・?」
「リンカ?入っていいよ。」
「はい。失礼します。」
クロトが鍵を開けると、リンカが扉を開けてクロトの部屋に入った。
二人はベッドに腰掛ける。
「それで、何か用だったかな?仕事の方は大丈夫なの?」
「はい。仕事は丁度終わりましたし、クロトさんが心配で・・・。」
クロトはもうそんな時間かと驚いて、自分がボーっとしていたことに気づいた。
気をとり直して、安心させるように微笑みながら、リンカに感謝する。
「心配してくれてありがとう、リンカ。僕は大丈夫だから。」
「・・・どこも大丈夫には見えません!」
「えっ・・・?」
リンカの強い語調に、クロトは唖然とした。
そして、呆然としている間に、リンカに抱きしめられた。
仕事着のままなのは、急いで来たからなのだろう。
リンカのいい匂いが、クロトを優しく包む。
クロトはそれだけで、癒されるのが分かった。
「私なんかでは頼りないと思いますが、もっと頼ってください・・・!」
「・・・・・・。」
「辛そうにしているクロトさんを見ているだけは、嫌なんです・・・!」
それは、魂からの叫び声に聞こえて、心を動かされたクロト。
そっと、リンカを抱き締め返した。
(リンカは、僕が守りたい人で、僕が守られたい人、なのかも・・・。)
そうでなければ、この安心感は説明がつかない。
アクアたちとはまた違う心地良さ。
辛いときに自分を支えてくれる、帰るべき場所。
それが、リンカという女性なのだ。
「リンカ・・・。ずっと抱き締めていても、いいかい・・・?」
「はい・・・!あなたが、そう望むなら、いつまででも・・・!」
クロトはリンカの返事を聞いて、自分ごと、その体をベッドに横たえた。
そして、先程までよりも、力を込めて抱き締める。
「んっ・・・。」
リンカから艶めかしい声が漏れた。
男性に抱きしめられる経験など無く、緊張しているのがクロトにも伝わった。
胸の鼓動が激しくなっているのも、容易に分かる。
逆にリンカも、クロトの鼓動が速くなっていることが分かった。
その事実を認識すると、リンカの体は火照りだす。
静かな部屋で、激しく振りつける雨の音が、異様に響いている。
二人の呼吸は、どちらからともなく、荒くなっていった。
お互い、相手が興奮していると理解し、己の興奮も高まっていく。
やがて、リンカを抱き締めるクロトの手が、ゆっくりと動き始める。
背に回された状態から、リンカの背筋に這わせていく。
「んっ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・!ぁん・・・。」
クロトの愛撫に、リンカは情欲が高まっていくのを感じた。
段々と思考がぼやけて、もっと欲しい、と思うように。
クロトの愛撫は徐々に大胆になっていった。
仕事着であるスカートの中に手を這わせ、リンカの綺麗な足に触れる。
「あっ・・・んんんっ・・・!」
リンカは自分から漏れた声を隠そうと、唇を噛み締める。
そんな行動が、クロトを煽るのだと知りもせずに。
クロトはリンカの口を開かせようと、キスをした。
「んんっ・・・!?あっ、だめっ・・・!声がっ・・・ああんっ・・・!」
「可愛いよ、リンカ・・・。」
キスの間も愛撫の手は止まらず、リンカを喘がせる。
二人の夜は、まだ始まったばかりだ。
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