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第二部「創世神降臨」編
二対二の激戦
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「ねえちょっと!いつまでも見つめ合ってないで!」
「・・・そういえば戦闘中だったね。」
「は、はい・・・!」
シロナ人形の声で我に返ったクロトとアクア。
クロトはクロト人形を迎撃した。
「あれ?そっちの青髪の子、どこかで会わなかったかな?」
「・・・以前、死にかけていたところを助けて頂いた、かもしれません。」
いかんせん、気を失っていたので、確かなことは分からないようだ。
「んんん?・・・あっ!久しぶりにそっちへ行ったときの捨て子!」
「はい、それで間違いないと思います。」
「良かったぁー!助かったんだ・・・!ごめんね?あの時は急いでいてさ。」
「いえ、その節はお世話になりました。」
クロトとクロト人形が戦っている間に、そんなやりとりを交わしていた。
そこに、クロトから指示が飛ぶ。
「アクア、僕の偽者をよろしく!」
「っ、はい!今度こそは勝ってみせます!」
アクアはクロトと変わってクロト人形の相手を始めた。
「水神魔法・氷天神殿!」
アクアは魔法で氷の神殿を生み出し、敵を待ち構える。
ユニークスキル「水天人」の効果で能力値的にも強くなったアクア。
だが、最も大きな変化は、その心だろう。
「偽者くらい、あっという間に倒さなければ、クロトさんには届きませんよね。」
アクアは本気でクロトを超えようとして、一皮むけた。
それゆえに、目の前の偽者など、なんの脅威でもないのだ。
接近してくるクロト人形に対して、次なる魔法を発動させる。
「水神魔法・氷神顕現!」
アクアの体は神水ではなく神氷へと変換された。
まともに戦っては勝てないクロト人形を倒す手は限られている。
当然、切り札を切らざるを得ないのだ。
そして、アクアはクロト人形をしとめにいく。
「水神魔法・神氷天絶波っ!!」
氷の神殿を閉鎖して、内部にある空間全てを、自分諸共に破壊した。
転移で外へ脱出することも出来ず、原理的に回避不能な魔法だ。
クロト人形とアクアは、どちらも粉々になって消滅した。
神殿内部に居た魔法存在も一体残らず消滅。
神殿に閉じ込められた時点で、勝ちは無くなっていたのだ。
本物のクロトであれば、神殿に足を踏み入れなかったであろう。
だが、クロト人形は山羊が召喚した魔物で、アクアを倒さなければならない。
しかし、神殿に突入する以外の方法では倒せなかった。
上手く弱点を突いた形だ。
アクアがどうなったかというと・・・。
「・・・はぁ。やはり、自分の体が粉々になる感覚は、おぞましいものですね。」
氷天神殿の効果により時間経過で元に戻った空間に、アクアが現れた。
氷神顕現を使用している間は、どれだけ粉々になっても再誕可能なのだ。
ちなみに、水神顕現の場合は、普通に死んでしまう。
氷神顕現は生き残ることに特化しているということである。
「折角全回復していた魔力がなくなってしまいましたが、及第点ですかね。」
アクアはそう自己評価をし、クロトの元へ向かった。
クロトとシロナの戦いは、千日手となっていた。
クロトの攻撃は当たらないし、シロナには攻撃手段が無い。
そもそも、攻撃したいという意志すらない。
「ところで、創世の秘薬というのはどういうものなのか聞いてもいいかな?」
「いいよ?あれは、簡単に言うなら死者蘇生薬だよ。」
「死者蘇生か・・・。」
それは、クロトをもってしても、未だ為しえていないこと。
「ということは、アクアは一度死んだ、と?」
「うーん・・・微妙。死んでもおかしくなかったけど、どうだろう?」
「シロナは保険の意味合いで使ったんだね。」
「そういうこと。アレには使用者を災厄から守り続ける効果もあるからね!」
何とも気の利いた話である。
近くで見ていてあげられないお詫びのようなものだろうか。
「・・・ありがとう、シロナ。」
「・・・どういたしまして、クロト。」
クロトはアクアを助けてくれたことを感謝し、シロナは感謝を受け取った。
シロナが居なければ、アクアは助からず、クロトと出会うこともなかった。
クロトとしては、シロナにも返しきれない恩が出来たことになる。
シロナはクロトの感情を察して、ある提案をした。
「じゃあさ、これで相殺ということでいいんじゃないかな?」
「相殺?」
「そ。クロトを残して死んだことと、相殺で。」
シロナは転生した当初、クロトへの罪悪感で一杯だった。
仮に反対の立場だったら、自分がどう思うか考えれば、当然のことなのだが。
「だから・・・それで、許してもらえないかな、なんて。」
「・・・分かったよ。その件については、お互い何も言わないようにしよう。」
「ありがと、クロトっ!」
シロナ人形、いや、シロナは、満面の笑みを浮かべたのだった。
「・・・そういえば戦闘中だったね。」
「は、はい・・・!」
シロナ人形の声で我に返ったクロトとアクア。
クロトはクロト人形を迎撃した。
「あれ?そっちの青髪の子、どこかで会わなかったかな?」
「・・・以前、死にかけていたところを助けて頂いた、かもしれません。」
いかんせん、気を失っていたので、確かなことは分からないようだ。
「んんん?・・・あっ!久しぶりにそっちへ行ったときの捨て子!」
「はい、それで間違いないと思います。」
「良かったぁー!助かったんだ・・・!ごめんね?あの時は急いでいてさ。」
「いえ、その節はお世話になりました。」
クロトとクロト人形が戦っている間に、そんなやりとりを交わしていた。
そこに、クロトから指示が飛ぶ。
「アクア、僕の偽者をよろしく!」
「っ、はい!今度こそは勝ってみせます!」
アクアはクロトと変わってクロト人形の相手を始めた。
「水神魔法・氷天神殿!」
アクアは魔法で氷の神殿を生み出し、敵を待ち構える。
ユニークスキル「水天人」の効果で能力値的にも強くなったアクア。
だが、最も大きな変化は、その心だろう。
「偽者くらい、あっという間に倒さなければ、クロトさんには届きませんよね。」
アクアは本気でクロトを超えようとして、一皮むけた。
それゆえに、目の前の偽者など、なんの脅威でもないのだ。
接近してくるクロト人形に対して、次なる魔法を発動させる。
「水神魔法・氷神顕現!」
アクアの体は神水ではなく神氷へと変換された。
まともに戦っては勝てないクロト人形を倒す手は限られている。
当然、切り札を切らざるを得ないのだ。
そして、アクアはクロト人形をしとめにいく。
「水神魔法・神氷天絶波っ!!」
氷の神殿を閉鎖して、内部にある空間全てを、自分諸共に破壊した。
転移で外へ脱出することも出来ず、原理的に回避不能な魔法だ。
クロト人形とアクアは、どちらも粉々になって消滅した。
神殿内部に居た魔法存在も一体残らず消滅。
神殿に閉じ込められた時点で、勝ちは無くなっていたのだ。
本物のクロトであれば、神殿に足を踏み入れなかったであろう。
だが、クロト人形は山羊が召喚した魔物で、アクアを倒さなければならない。
しかし、神殿に突入する以外の方法では倒せなかった。
上手く弱点を突いた形だ。
アクアがどうなったかというと・・・。
「・・・はぁ。やはり、自分の体が粉々になる感覚は、おぞましいものですね。」
氷天神殿の効果により時間経過で元に戻った空間に、アクアが現れた。
氷神顕現を使用している間は、どれだけ粉々になっても再誕可能なのだ。
ちなみに、水神顕現の場合は、普通に死んでしまう。
氷神顕現は生き残ることに特化しているということである。
「折角全回復していた魔力がなくなってしまいましたが、及第点ですかね。」
アクアはそう自己評価をし、クロトの元へ向かった。
クロトとシロナの戦いは、千日手となっていた。
クロトの攻撃は当たらないし、シロナには攻撃手段が無い。
そもそも、攻撃したいという意志すらない。
「ところで、創世の秘薬というのはどういうものなのか聞いてもいいかな?」
「いいよ?あれは、簡単に言うなら死者蘇生薬だよ。」
「死者蘇生か・・・。」
それは、クロトをもってしても、未だ為しえていないこと。
「ということは、アクアは一度死んだ、と?」
「うーん・・・微妙。死んでもおかしくなかったけど、どうだろう?」
「シロナは保険の意味合いで使ったんだね。」
「そういうこと。アレには使用者を災厄から守り続ける効果もあるからね!」
何とも気の利いた話である。
近くで見ていてあげられないお詫びのようなものだろうか。
「・・・ありがとう、シロナ。」
「・・・どういたしまして、クロト。」
クロトはアクアを助けてくれたことを感謝し、シロナは感謝を受け取った。
シロナが居なければ、アクアは助からず、クロトと出会うこともなかった。
クロトとしては、シロナにも返しきれない恩が出来たことになる。
シロナはクロトの感情を察して、ある提案をした。
「じゃあさ、これで相殺ということでいいんじゃないかな?」
「相殺?」
「そ。クロトを残して死んだことと、相殺で。」
シロナは転生した当初、クロトへの罪悪感で一杯だった。
仮に反対の立場だったら、自分がどう思うか考えれば、当然のことなのだが。
「だから・・・それで、許してもらえないかな、なんて。」
「・・・分かったよ。その件については、お互い何も言わないようにしよう。」
「ありがと、クロトっ!」
シロナ人形、いや、シロナは、満面の笑みを浮かべたのだった。
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