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第二部「創世神降臨」編
天の塔
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クロトがライブラの導きに従って、数歩前に進むと、突如空間が切り替わった。
「これは・・・凄いね・・・!」
クロトは思わず感嘆の声を上げた。
大変珍しいことだが、それも致し方なかろう。
なにせ、クロトの目の前には、天高く聳え立つ、巨大な塔が存在したのだから。
一度、元の場所に戻って来たクロト。
その場に残っていたマリアとエメラ、ついでにカザロフに出迎えられた。
「クロトっ!?突然消えたから驚きましたわ!」
マリアたちの視点では、突然消えたように見えたらしい。
試しに、マリアの手を引いて再び侵入してみるが、同じ結果に
ライブラの導きが無ければ、特殊空間に入れないということだろう。
(この辺が野ざらしになっているのは、思考誘導の結果ということかな・・・。)
クロトのその推測は正解。
該当空間への入口を塞ごうとすると、思考が誘導される。
そして、ライブラの導きが無ければ、その違和感にすら気づけない。
決して、建築計画云々の問題では無かったということだ。
クロトは、ライブラの導きを複製して、三人に渡した。
結果、三人とも特殊空間へ入ることに成功し、巨大な塔を目撃する。
「大きい、ですわ・・・!」
「ん・・・!とても・・・綺麗・・・!」
「何でこんなもんが、ウチの敷地内にあんだよ・・・?」
約一名、コメントがずれているが、感嘆しているのは同じ。
それだけ、美しくも巨大な塔であったのだ。
もう少し詳しく調べてみると、塔の入口に石板が置いてあった。
その石板は、十三の溝があり、それぞれ、水瓶や角、笛などの形をしている。
そこに、対応するアーティファクトをはめ込むと、塔の門が開く仕掛けだ。
つまり、全てのアーティファクトを所持している必要があるということ。
まあ、クロトに関してはいくらでも複製できるので、問題にはならないが。
マリアやエメラたちも、それは同様。
そして最後に、こう記されていた。
ここは天の塔。
五十階層から為る迷宮なり。
クロトが初めて目にする、レベル10のダンジョンであった。
レベル10のダンジョンというのは、概念が知られているだけで、実在はしない。
否、実在を確認されていなかった、というべきか。
現にこうして、クロトの目の前に存在しているのだから。
細かい話をすると、天の塔の一階部分は、十二か所にある黄道の迷宮のこと。
それと、入って直ぐのエントランスのような場所を指す。
ゆえに、本格的なダンジョンは、二階層からになる。
一階層からレベル85の星十二天たちというのも、恐ろしい話ではあるが。
「それでカザロフ、ここの土地を買いたいんだけど・・・これでどう?」
「あん?そう簡単には売らねぇぞ?・・・・・・よし、売った。」
クロトが提示した、目玉が飛び出る程の金額を見て、即決したカザロフ。
「ギルドの建物なのに、良いんですの・・・?」
「あ?この値段で文句言うやつなんてどこにも居ねぇよ。」
「・・・ぶっ、2000億ゴールドっ!?」
「思考誘導のせいで使えもしない土地につける値段じゃねぇだろ?」
カザロフはそう言いながらも、金の使い道を考えている顔だ。
「カザロフ、顔が醜いよ?」
「堂々と人の顔にケチつけんじゃねぇよ!?」
「あ、細々としたことはこっちでやっておくから、これ、2000億ね。」
「お、おう・・・。ポンと渡しやがったな・・・。契約書は書けたぞ。」
取引は無事に成立した。
「・・・確かに。それとカザロフ、顔が醜いよ?」
「なんでもう一度言いやがった!?一度で十分だろ!?」
「・・・醜い。」
「三度目だとっ!?」
それはさておき。
「・・・こんな土地買い取ってどうすんだ?使い道ねぇぞ?」
確かに、どんな用途で使うというのか。
別に買い取らなくとも、普通に入れるだろうに。
「え?ライブラの導きを大量に複製して、有料の観光名所にするけど?」
「お前の考えることは毎回意味不明でぶっとんでやがるな・・・。」
「え、何?そんなに褒めなくとも・・・。」
「褒めてねぇよ!?」
ちなみに、入口は王都にでも設置するつもりのクロト。
ドレファトの町に人が集まるのを嫌ったようだ。
「ん・・・。経営手腕・・・見習いたい、な・・・。」
「エメラ、そこは見習ってはいけないような気がしますわ・・・。」
兎にも角にも、黄道の迷宮が持つ真の姿、天の塔が露わになった。
果たして、そこに待ち受けるものとは・・・?
「そんな感じのCMを作って、冒険者装備の販売も・・・。」
「クロト、そんなこと考えてないで、皆に知らせに行きますわよっ!」
「マリアをイメージガールにして・・・。」
「何の話ですの!?そんなものやりませんわよっ!?」
「これは・・・凄いね・・・!」
クロトは思わず感嘆の声を上げた。
大変珍しいことだが、それも致し方なかろう。
なにせ、クロトの目の前には、天高く聳え立つ、巨大な塔が存在したのだから。
一度、元の場所に戻って来たクロト。
その場に残っていたマリアとエメラ、ついでにカザロフに出迎えられた。
「クロトっ!?突然消えたから驚きましたわ!」
マリアたちの視点では、突然消えたように見えたらしい。
試しに、マリアの手を引いて再び侵入してみるが、同じ結果に
ライブラの導きが無ければ、特殊空間に入れないということだろう。
(この辺が野ざらしになっているのは、思考誘導の結果ということかな・・・。)
クロトのその推測は正解。
該当空間への入口を塞ごうとすると、思考が誘導される。
そして、ライブラの導きが無ければ、その違和感にすら気づけない。
決して、建築計画云々の問題では無かったということだ。
クロトは、ライブラの導きを複製して、三人に渡した。
結果、三人とも特殊空間へ入ることに成功し、巨大な塔を目撃する。
「大きい、ですわ・・・!」
「ん・・・!とても・・・綺麗・・・!」
「何でこんなもんが、ウチの敷地内にあんだよ・・・?」
約一名、コメントがずれているが、感嘆しているのは同じ。
それだけ、美しくも巨大な塔であったのだ。
もう少し詳しく調べてみると、塔の入口に石板が置いてあった。
その石板は、十三の溝があり、それぞれ、水瓶や角、笛などの形をしている。
そこに、対応するアーティファクトをはめ込むと、塔の門が開く仕掛けだ。
つまり、全てのアーティファクトを所持している必要があるということ。
まあ、クロトに関してはいくらでも複製できるので、問題にはならないが。
マリアやエメラたちも、それは同様。
そして最後に、こう記されていた。
ここは天の塔。
五十階層から為る迷宮なり。
クロトが初めて目にする、レベル10のダンジョンであった。
レベル10のダンジョンというのは、概念が知られているだけで、実在はしない。
否、実在を確認されていなかった、というべきか。
現にこうして、クロトの目の前に存在しているのだから。
細かい話をすると、天の塔の一階部分は、十二か所にある黄道の迷宮のこと。
それと、入って直ぐのエントランスのような場所を指す。
ゆえに、本格的なダンジョンは、二階層からになる。
一階層からレベル85の星十二天たちというのも、恐ろしい話ではあるが。
「それでカザロフ、ここの土地を買いたいんだけど・・・これでどう?」
「あん?そう簡単には売らねぇぞ?・・・・・・よし、売った。」
クロトが提示した、目玉が飛び出る程の金額を見て、即決したカザロフ。
「ギルドの建物なのに、良いんですの・・・?」
「あ?この値段で文句言うやつなんてどこにも居ねぇよ。」
「・・・ぶっ、2000億ゴールドっ!?」
「思考誘導のせいで使えもしない土地につける値段じゃねぇだろ?」
カザロフはそう言いながらも、金の使い道を考えている顔だ。
「カザロフ、顔が醜いよ?」
「堂々と人の顔にケチつけんじゃねぇよ!?」
「あ、細々としたことはこっちでやっておくから、これ、2000億ね。」
「お、おう・・・。ポンと渡しやがったな・・・。契約書は書けたぞ。」
取引は無事に成立した。
「・・・確かに。それとカザロフ、顔が醜いよ?」
「なんでもう一度言いやがった!?一度で十分だろ!?」
「・・・醜い。」
「三度目だとっ!?」
それはさておき。
「・・・こんな土地買い取ってどうすんだ?使い道ねぇぞ?」
確かに、どんな用途で使うというのか。
別に買い取らなくとも、普通に入れるだろうに。
「え?ライブラの導きを大量に複製して、有料の観光名所にするけど?」
「お前の考えることは毎回意味不明でぶっとんでやがるな・・・。」
「え、何?そんなに褒めなくとも・・・。」
「褒めてねぇよ!?」
ちなみに、入口は王都にでも設置するつもりのクロト。
ドレファトの町に人が集まるのを嫌ったようだ。
「ん・・・。経営手腕・・・見習いたい、な・・・。」
「エメラ、そこは見習ってはいけないような気がしますわ・・・。」
兎にも角にも、黄道の迷宮が持つ真の姿、天の塔が露わになった。
果たして、そこに待ち受けるものとは・・・?
「そんな感じのCMを作って、冒険者装備の販売も・・・。」
「クロト、そんなこと考えてないで、皆に知らせに行きますわよっ!」
「マリアをイメージガールにして・・・。」
「何の話ですの!?そんなものやりませんわよっ!?」
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