異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

ヴォルケーノ大火山3

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 小休止の後、再びヴォルケーノ大火山を登っていく一同。

 その途中では、度々戦闘をこなしていた。


「天魔剣・楽園!」

「風雷神剣・嵐天三十二連!」


 マリアとエメラ、エメラの分身による連携で、敵を翻弄。

 ヴォルケーノヒュドラのレベル90は呆気なく討伐された。


 フレイムヒュドラとどう違うのか尋ねられると、答えに窮する。

 強いて言うなら、解体で手に入るアイテムが違う。


「純火魔法と純火結晶か・・・・・・微妙だね。」

「わたくしの方を見ながら微妙微妙と言わないでくださいましっ!」

「ん・・・。微妙・・・。」

「あああああっ!?」


 マリアは頭を抱えてしまった。

 エメラに揶揄う意図など無かったのだが。


 ちなみに、クロトは言うまでもなく確信犯。







 そうこうしている間に、頂上の火口へ到着。

 ここまで、所要時間は4日。

 とんでもないハイペースである。



「ファイアード山とは比べ物にならないくらい、大きな火口だね。」

「まるで、マグマの海ですわね。」

「マリア、表現が平凡に過ぎるよ?」

「平凡で悪かったですわね!」


 クロトはマリアを揶揄いつつ、火口を確認。


「・・・さて、中に入るよ?」

「・・・はい?」


 クロトの言葉に間抜けな返事をしてしまうマリア。

 火口のマグマに飛び込めと言われれば、普通はそういう反応になるだろう。


「何故そんなことをするんですの・・・?」

「何故って・・・そこに山があるから?」

「訳が分かりませんわ!?」


 今のは、クロトの言い方も悪いだろう。

 とはいえ、説明するより行動した方が早いので、エメラとマリアの腕を掴む。


「え・・・?」

「ん・・・?」



 クロトは断絶空間を発動しつつ、火口の中へ飛び込んだ!











「キャァァァァァァッ!!」

「ん・・・!」



 無理やり火口の中へ飛び込まされることになって、悲鳴を上げるマリア。

 エメラは平気なのか、平常運転。

 頭から火口へ突っ込んでいるというのに、冷静な事だ。


 やがて、マグマで満たされてない空間まで来たので、そこで断絶空間を解除。

 空中を飛んで、少し逸れた所にある、マグマの無い地面に着地した。


 マリアはパニックになっているので、クロトがお姫様抱っこ。

 エメラは風翼を生成し、自力で飛ぶ。


 これは、マリアを責めるべきでは無く、エメラを褒めるべきだろう。

 一体、どれほど強靭な心臓をしているのやら。



「マリア、大丈夫?」

「大丈夫な訳がありませんわ!何故いつもこうなんですの!?」


 恐らく、獄界の穴に飛び込んだ時のことを思い出して言っているのだろう。


「それはごめんね。でも説明すると長くなるし、行動した方が早いから、ね?」

「だからって・・・!」


 マリアは涙目でクロトの胸をポカポカ叩く。

 お姫様抱っこのままなので、そうすることしか出来ないのだろう。


「今度何か埋め合わせをするから。今はそれで許して?」

「うぅぅ・・・約束ですわよ・・・?」

「うん、約束する。」


 マリアはクロトを許すことにした。

 それだけで許してしまう辺り、マリアらしいと言える。


 なお、エメラは僅かに不満そうにしていたので、そちらにも埋め合わせを約束。




「それで、ここはどこなんですの?」

「ここは・・・ヴォルケーノ大火山の地下?に当たるのかな。」

「ん・・・。落下距離から、すると・・・かなり、深い・・・。」

「落下中に、そこまで考える余裕がありましたの・・・?」


 マリアはエメラの発言に愕然としている。


「仮称ではあるけど、ヴォルケーノ大火山地底部、とでもしておこうか。」









「風雷神剣・万断!」

「天魔神法術・全天魔必縛!」

「創世十六夜連閃・神断!」


 三人の奇襲攻撃によって、赤の主は一瞬で葬られた。

 しかし、三人は周辺の警戒を続けたままだ。


「・・・ん、警戒を解いてもいい。毒雨の都の時みたいにはならないらしい。」

「ふぅ・・・。精神的に披露しますわね・・・。」

「ん・・・。二の舞、は・・・だめ、だから・・・。」


 毒雨の都での反省を生かし、作戦を立てたクロト。

 神の瞳で先に発見し、気を抜かないようにしつつ瞬殺。

 これが一番効果的だと考えたようだ。


「これで四体目。海底ほどじゃないけど、数は多めですわね。」

「ああ。カリスの侵攻時に出て来たのが一体だけで良かったよ。」


 厳密には、地底部からやって来たかどうかは不明だが、どうでもいいことだ。


「・・・ん?二人とも、未見の天種が前方からやって来るから、気を付けて。」

「了解ですわ。」

「ん・・・。」


 そうして、クロトたち三人は、未見の天種を迎撃した。

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