異世界隠密冒険記

リュース

文字の大きさ
上 下
330 / 600
第二部「創世神降臨」編

VS深海竜1

しおりを挟む
「水神魔法・神氷絶波!」


 深海竜が接近する前に、アクアが魔法を放った。

 これまで、どんな敵でもしとめてきた、神氷絶波。


 だがしかし、深海竜には小さなダメージを与えたに過ぎない。

 いや、そのHPを削れただけでも上出来なのだろう。


「流星神天龍・極星!」


 星天装を発動したクロトの放った技は、アクアよりも更に小さいダメージ。

 二人の攻撃を合わせても、一割と削れていない。


 クロトは神の瞳で詳しく解析していく。





深海竜
種族 魔物 幻想種
レベル 106
HP  25000
MP  20000
筋力   6000
防御力  6500
魔力   7500
速力   8000
幸運    105


ユニークスキル
深海竜5 

レアスキル
竜力10 竜眼10 竜感10 竜界突破5




 ユニークスキル「深海竜」には、様々な能力が内包されている。


 まず、基本的な耐性効果と、水、氷、即死の無効化。

 そして、攻撃の要素がいくつか。

 さらに、常時能力値上昇の効果もある。

 能力値上昇は、深海竜5で2.5倍。深海竜10で3倍。


 竜界突破は、スキルレベル1につき、能力値20%上昇。

 その上、その他のスキルレベルを、竜界突破1につき、1上昇させる。


 クロトが試算してみた結果、最大平均能力値は60000を超える。

 明らかに勝てる差ではない。


 だが、クロトは交戦することを決意。


 深海竜が海から出ている機会など、滅多に訪れない。

 クロトたちの居る世界へ行こうとしているのかもしれないが、大チャンス。

 退路もあり、いつでも逃げられるので、挑まない理由など無いのだ。


「アクア!最初から全力で!リュノア!黒竜装モード!」

「了解です!」

「キュ!」


 クロトの指示の元、アクアは橙の瞳と限界突破を発動。

 クロトはリュノアを纏い、光輪と闇輪を生成。


 アクアの能力値は、魔力が60000ほど。平均は33000ほど。

 クロトの能力値は、星天装、黒天人化、光輪、橙の瞳を合わせて九倍。

 平均30000ほどになっている。


 一方の深海竜は、竜界突破を合わせて、平均32000ほど。

 三十分という制限時間はあるが、互角の能力値となった。


 深海竜は空を飛んで、クロトたちへ接近。

 クロトは十二翼を生成して空中戦へ。

 アクアは地上からクロトの援護。


「GYAAAAA!!」

「五月蠅いね・・・漆黒の羽!」


 手始めに、翼魔闘法で、接近する前の投擲技を放つ。

 深海竜は、水のブレスでそれを蹴散ら・・・そうとして失敗。

 必中効果のあるそれは、ブレスを突き抜けて直撃。


 大したダメージにはなっていないが、出だしとしては上々。

 深海竜のHPは残り九割を切った。


 そして、両者は交錯。


「神天龍十六夜連閃・極黒!」


 深海竜の爪と姿の消えたクロトの二刀が衝突し、せめぎ合う。

 竜眼と竜感で、消えているクロトにも対応できている。

 どちらに傾くか分からない状態だが、クロトは一人ではない。


「水神魔法・神水竜巻!」


 水竜の如き竜巻が現れ、深海竜の動きを阻害する。

 水無効の能力はユニークスキルクラスだが、アクアのそれもユニークスキル。

 魔力とスキルレベルの差により、ほんの僅かにアクアの優先度が上回っている。


 深海竜の動きが鈍ることで、拮抗していたせめぎ合いは、クロトへ傾く。

 敵の爪を切り裂きつつ、弾き飛ばすことに成功。


 クロトとアクアはのけぞっている敵へ、追撃をかける。


「水神魔法・神水竜巻!」


 追加で大量に出現した水竜の如き竜巻が、深海竜を縛る。


「神天龍十六夜連閃・極毒!」

「GYAAAAAA!?」


 存在破壊の劇毒を流し込まれ、絶叫。

 これで、戦いを優勢に進められる。


 ここまで簡単に進んだように思えるかもしれないが、それは違う。

 水神魔法で敵の動きを拘束出来た事が大きい。

 恐らく、ユニークスキルでなければ、拘束など、一瞬たりとも出来なかった。


 しかし、深海竜も流石と言える。

 クロトは隙あらば今の一撃で趨勢を決めるつもりだったのだ。

 咄嗟に体を捻って大ダメージを避けるのは、簡単にできることではない。


「GYAAAAAAAAA!」

「っ!?」


 深海竜は痛みに耐えながら、クロトへ逆の爪で攻撃。


「水神魔法・神氷絶壁!」


 アクアが防御魔法で隙の出来て居るクロトをフォロー。

 だが・・・。


「なっ!?破壊された!?」


 アクアの生成した壁は、爪の一撃で破壊され、更にクロトへ迫る。

 アクアは驚愕しているが、一瞬の時間を稼げただけで、クロトには有難いこと。


「黒白の翼壁!」


 激しい衝突音の後、爪は翼の壁に弾かれた。

 以前よりも強度が増している。


 時間も無いので、早めに勝負をかけたいクロト。

 この絶好の機会を逃すはずもなく、切り札を投入。


「アクア!フォローをお願い!ゴッドアイ・アクセラレーション!」


 クロトは多大なるリスクを負って、その身を加速させた。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

不登校が久しぶりに登校したらクラス転移に巻き込まれました。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:127pt お気に入り:879

男の俺が痴漢されてイッちゃうなんて…!

BL / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:130

放置された公爵令嬢が幸せになるまで

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:105

転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:390pt お気に入り:4,902

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:347pt お気に入り:9,922

もう「友達」なんかじゃいられない。

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:14

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。