279 / 600
第二部「創世神降臨」編
快癒の霊泉へ
しおりを挟む
情報収集を終えて、集まったクロトたち四人。
軽く情報交換した後で、快癒の霊泉へ向かう。
「ねぇ、クロト。今更だけど、どうして手を貸してくれたの?」
「契約だから・・・って、そういうことを聞きたいんじゃないか。」
「ええ。何故契約に盛り込んだのか、という事よ。」
ディアナは、どうにも納得がいかないようだ。
クロトも、興味のないことはしないのだが、今回は事情が異なる。
「まず第一に、ディアナの給料をカット出来る。」
「えええっ!?あれ、減らされてたのっ!?」
ディアナは、どう反応すべきか困ってしまった。
給料を知らぬ間にカットされていた事へ怒ればいいのか。
カットされてもあれだけ貰えることを感謝すればいいのか。
「ちなみに、あれで五十%カットね。」
「それは減らし過ぎよっ!」
すぐにクロトの発言で、態度を定めることが出来たが。
半額というのは、さすがに無いだろう、と。
「何故か・・・ディアナは安月給でこき使わないといけない気がしてね・・・。」
「意味が分からないわよっ!でも、あれで半額なら、元は、月四十万・・・。」
「クロトさんって、本当にお金持ちなんですね・・・。」
ディアナとアイシアは、あらためて実感したクロトの資金力に惚けている。
「・・・クロトの凄さは、今更。」
ヴィオラは別段、驚かない。
クロトは、惚けているディアナに、一つ忠告を。
「ディアナ、お金に釣られて寄って来ても、僕は君には靡かないからね?」
「何の話よっ!?・・・というか、何でまた私が振られたことになってるのよ!?」
「ディアナ先輩、少しだけクラッと来ましたか?」
「アイシアっ!?馬鹿なことを言わないで!」
ディアナはアイシアに詰め寄る。
その強烈な反応に、アイシアはたじろぐ。
「ちょっ、先輩・・・?冗談ですから落ち着いてください・・・!」
「・・・あっ。・・・ごめんなさい、熱くなり過ぎたわ。」
落ち着いたディアナに、成り行きを見守っていたヴィオラが一言。
「・・・ディアナは意外と乙女思考?」
「!?!?!?」
結論、ヴィオラにデリカシーを求めてはいけない。
道中に現れる魔物を倒しつつ、快癒の霊泉へ近づいていく。
目的地までの道は、皇帝種もそれなりに出現する、山奥の秘境。
確かにディアナ達だけでは厳しかったと思われる。
何とか、ワニ型の皇帝種、エンペラークロコダイルを討伐したディアナ。
だが、かなり消耗しているのが伺える。
とはいえ、単独な上、魔力開放無しで勝ったのだから、十分と言えるだろう。
しかし、そこは危険地帯。
次なる皇帝種、エンプレススワンが空から奇襲をかけて来た。
ディアナが対応するのは厳しそうなので、リュノアが迎撃。
「キュキュ!」
敵は呆気なく漆黒魔法に捕縛され、黒竜魔法で焼き尽くされた。
リュノアのレベルは60台に突入しており、並の皇帝種では歯が立たない。
クロトはクロトで、忍び寄っていたハイドロスネーク皇帝種を迎撃。
「神天一閃・龍絶」
一瞬で姿を眩ませて、一瞬で蛇を一刀両断。
こちらも、問題など起こるはずも無く、快勝だ。
なお、ヴィオラとアイシアは、この場には居ない。
道が二本あったため、二手に別れて進行中なのである。
「はあ、はあ、はあ・・・流石に、キツイ、わね・・・。」
「お疲れ様、ディアナ。」
「キュイ。」
肩で息をしているディアナの頭を、リュノアが翼でポンポンと叩く。
まるで、妹分に対する扱いだ。
「クロト、この子は何なの?何か、不当な扱いをされているような気が・・・。」
「キュイ?」
リュノアのつぶらな瞳にみつめられ、途中で言葉を止めてしまったディアナ。
その後も、リュノアに撫でられ続けるディアナ。
「ふむ・・・。アイシアのこともあるし、ディアナは年下に弱いのかな?」
「・・・違うわよ。」
「じゃあ、今の微妙な間は何かな?」
「・・・・・・。」
クロトの問いかけには答えず、そっぽを向くディアナであった。
その頃、ヴィオラとアイシアは小休止にしていた。
「・・・アイシアは、クロトをどう思っている?」
「えっ?・・・それは、異性としてどうか、ということですか?」
「・・・相違ない。」
ヴィオラはそのことを、ずっとアイシアに尋ねたかった。
クロトに何人婚約者が出来ても良いのだが、把握はしておきたい。
そんな思いからの問いかけだった。
「えっと・・・頼りになる良い人ですけど、それだけですね。」
「・・・異性としての好意は無い、と?」
「はい、ありませんね。」
心の底から断言したアイシア。
ヴィオラは嘘が無いかを見定める為、じっとその瞳を見つめるのだった。
軽く情報交換した後で、快癒の霊泉へ向かう。
「ねぇ、クロト。今更だけど、どうして手を貸してくれたの?」
「契約だから・・・って、そういうことを聞きたいんじゃないか。」
「ええ。何故契約に盛り込んだのか、という事よ。」
ディアナは、どうにも納得がいかないようだ。
クロトも、興味のないことはしないのだが、今回は事情が異なる。
「まず第一に、ディアナの給料をカット出来る。」
「えええっ!?あれ、減らされてたのっ!?」
ディアナは、どう反応すべきか困ってしまった。
給料を知らぬ間にカットされていた事へ怒ればいいのか。
カットされてもあれだけ貰えることを感謝すればいいのか。
「ちなみに、あれで五十%カットね。」
「それは減らし過ぎよっ!」
すぐにクロトの発言で、態度を定めることが出来たが。
半額というのは、さすがに無いだろう、と。
「何故か・・・ディアナは安月給でこき使わないといけない気がしてね・・・。」
「意味が分からないわよっ!でも、あれで半額なら、元は、月四十万・・・。」
「クロトさんって、本当にお金持ちなんですね・・・。」
ディアナとアイシアは、あらためて実感したクロトの資金力に惚けている。
「・・・クロトの凄さは、今更。」
ヴィオラは別段、驚かない。
クロトは、惚けているディアナに、一つ忠告を。
「ディアナ、お金に釣られて寄って来ても、僕は君には靡かないからね?」
「何の話よっ!?・・・というか、何でまた私が振られたことになってるのよ!?」
「ディアナ先輩、少しだけクラッと来ましたか?」
「アイシアっ!?馬鹿なことを言わないで!」
ディアナはアイシアに詰め寄る。
その強烈な反応に、アイシアはたじろぐ。
「ちょっ、先輩・・・?冗談ですから落ち着いてください・・・!」
「・・・あっ。・・・ごめんなさい、熱くなり過ぎたわ。」
落ち着いたディアナに、成り行きを見守っていたヴィオラが一言。
「・・・ディアナは意外と乙女思考?」
「!?!?!?」
結論、ヴィオラにデリカシーを求めてはいけない。
道中に現れる魔物を倒しつつ、快癒の霊泉へ近づいていく。
目的地までの道は、皇帝種もそれなりに出現する、山奥の秘境。
確かにディアナ達だけでは厳しかったと思われる。
何とか、ワニ型の皇帝種、エンペラークロコダイルを討伐したディアナ。
だが、かなり消耗しているのが伺える。
とはいえ、単独な上、魔力開放無しで勝ったのだから、十分と言えるだろう。
しかし、そこは危険地帯。
次なる皇帝種、エンプレススワンが空から奇襲をかけて来た。
ディアナが対応するのは厳しそうなので、リュノアが迎撃。
「キュキュ!」
敵は呆気なく漆黒魔法に捕縛され、黒竜魔法で焼き尽くされた。
リュノアのレベルは60台に突入しており、並の皇帝種では歯が立たない。
クロトはクロトで、忍び寄っていたハイドロスネーク皇帝種を迎撃。
「神天一閃・龍絶」
一瞬で姿を眩ませて、一瞬で蛇を一刀両断。
こちらも、問題など起こるはずも無く、快勝だ。
なお、ヴィオラとアイシアは、この場には居ない。
道が二本あったため、二手に別れて進行中なのである。
「はあ、はあ、はあ・・・流石に、キツイ、わね・・・。」
「お疲れ様、ディアナ。」
「キュイ。」
肩で息をしているディアナの頭を、リュノアが翼でポンポンと叩く。
まるで、妹分に対する扱いだ。
「クロト、この子は何なの?何か、不当な扱いをされているような気が・・・。」
「キュイ?」
リュノアのつぶらな瞳にみつめられ、途中で言葉を止めてしまったディアナ。
その後も、リュノアに撫でられ続けるディアナ。
「ふむ・・・。アイシアのこともあるし、ディアナは年下に弱いのかな?」
「・・・違うわよ。」
「じゃあ、今の微妙な間は何かな?」
「・・・・・・。」
クロトの問いかけには答えず、そっぽを向くディアナであった。
その頃、ヴィオラとアイシアは小休止にしていた。
「・・・アイシアは、クロトをどう思っている?」
「えっ?・・・それは、異性としてどうか、ということですか?」
「・・・相違ない。」
ヴィオラはそのことを、ずっとアイシアに尋ねたかった。
クロトに何人婚約者が出来ても良いのだが、把握はしておきたい。
そんな思いからの問いかけだった。
「えっと・・・頼りになる良い人ですけど、それだけですね。」
「・・・異性としての好意は無い、と?」
「はい、ありませんね。」
心の底から断言したアイシア。
ヴィオラは嘘が無いかを見定める為、じっとその瞳を見つめるのだった。
0
お気に入りに追加
6,335
あなたにおすすめの小説
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
異世界営生物語
田島久護
ファンタジー
相良仁は高卒でおもちゃ会社に就職し営業部一筋一五年。
ある日出勤すべく向かっていた途中で事故に遭う。
目覚めた先の森から始まる異世界生活。
戸惑いながらも仁は異世界で生き延びる為に営生していきます。
出会う人々と絆を紡いでいく幸せへの物語。
マスターズ・リーグ ~傭兵王シリルの剣~
ふりたけ(振木岳人)
ファンタジー
「……あの子を、シリルの事を頼めるか? ……」
騎士王ボードワンが天使の凶刃に倒れた際、彼は実の息子である王子たちの行く末を案じたのではなく、その後の人類に憂いて、精霊王に「いわくつきの子」を託した。
その名はシリル、名前だけで苗字の無い子。そして騎士王が密かに育てようとしていた子。再び天使が地上人絶滅を目的に攻めて来た際に、彼が生きとし生ける者全ての希望の光となるようにと。
この物語は、剣技にも魔術にもまるで秀でていない「どん底シリル」が、栄光の剣を持って地上に光を与える英雄物語である。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界
なぜか俺だけモテない異世界転生記。
一ノ瀬遊
ファンタジー
日本で生まれ日本で育ったこの物語の主人公、高崎コウが不慮?の事故で死んでしまう。
しかし、神様に気に入られ異世界クラウディアに送られた。
現世で超器用貧乏であった彼が異世界で取得したスキルは、
彼だけの唯一無二のユニークスキル『ミヨウミマネ』であった。
人やモンスターのスキルを見よう見まねして習得して、世界最強を目指していくお話。
そして、コウは強くカッコよくなってハーレムやムフフな事を望むがどういう訳か全然モテない。
バチくそモテない。
寄ってくるのは男だけ。
何でだ?何かの呪いなのか!?
ウオォォォ!!
プリーズ、モテ期ィィ!!
果たしてこの主人公は世界最強になり、モテモテハーレム道を開けるのか!?
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。