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第二部「創世神降臨」編
セーラと談笑
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驚かせたことへの許しはあっさり出された。
現在二人は、世界樹の根元に座って談笑している。
「なるほど。変わったユニークスキルよね・・・。」
「セーラさんのユニークスキルも相当特殊だと思いますよ?」
「まあ、ね。もっとも、ユニークスキルなんて、大概特殊なんだけどね?」
「言えてますね。特殊じゃないユニークスキルとか、見たことありませんし。」
クロトは驚かせたお詫びとして、隠密者のことを教えていた。
セーラもお返しとばかりに、自分の持つユニークスキルのことを教えてくれた。
セーラ本来、もっと警戒心が強いタイプで、そんなにあっさりと教えはしない。
だが、クロトと談笑している内に、ポロッと漏らしてしまった。
クロトと居るととっても落ち着くという、謎の効果のせいだと思われる。
「セーラさんとこの場で戦ったら、勝てる気がしませんね・・・。」
「それならそれで、別の手を考えそうな気がするんだけど・・・?」
「・・・・・・。」
「なんで黙ったのかしらねー?」
セーラが、ぐっとクロトに近づきながら、そんな疑問を発した。
「・・・まあ、勝てないなら、勝てる方法を考えるのが基本ですから。」
「おっ、認めたわね・・・!それで、例えばどうするの?」
「そうですね・・・こうします。」
クロトは収納からヘンテコなお面をセーラに見せる。
「っ?・・・何このお面!?ヘンな顔・・・!」
セーラがお面を注視してしまい、笑いを堪えている隙に、隠密者を発動。
「ふふふっ・・・っ!?」
背後から首に手を当てられ、固まるセーラ。
身動きを取れないまま瞳だけ動かして、クロトの居た正面を見る。
そこにはやはり、クロトの姿が。
クロト・・・の分身は、首から手を退けて、セーラの正面に。
「今のは、どういう・・・?常に気配は把握していたはずなのに・・・。」
セーラが訝し気に尋ねて来たので、クロトは解説を始めた。
「こっちは隠密者で生成した分身です。」
「分身・・・?そんなこともできるんだ・・・!」
「僕に集中する余り、生成と同時に隠密した分身に、気づきませんでしたね。」
「あぁ・・・なるほどね。これはやられたわ・・・。」
セーラは両手を挙げて降参のポーズ。
クロトが本気だったら、今ので重傷を負っていたのは間違いないという判断だ。
もっとも、彼女のスキルによって、決定打にはならない可能性が高いが。
「でも、教えてしまっても良かったの・・・?」
「・・・・・・全くもって、良くありませんね。」
「えええっ・・・!?えっと・・・忘れた方がいいかしら・・・?」
「・・・いえ、お気になさらず。話した僕が悪いので。」
それほど重要なことではないとはいえ、あっさり手の内を晒した自分に驚く。
どうにも、セーラには警戒心を持ちづらい。
そこのところに原因がありそうだと、クロトは推測した。
この話は引っ張っても仕方が無さそうだと思い、話を変えた。
「ところで、セーラさんは何をしに来たんでしたっけ?」
「えっ?・・・ああ。折角だから、クロト君にお昼ご飯を届けに来たの。」
やって来た目的を話しつつ、クロトに昼食を手渡す。
クロトはそれを受け取りつつ、感謝と謝罪。
「昼食を、ですか?わざわざすみません。ありがとうございます。」
「気にしないで?世界樹の様子を見るついで、なんだから。」
真剣な顔でお礼を言われて照れたのか、パタパタと手を振って誤魔化すセーラ。
とても高齢とは思えない反応だ。
それを言ったら、マリアもそうなのだが。
「それで、なんだけど・・・調査の方はどう?」
「・・・何とも言い難いところですね。先程、何か掴めそうだったんですけど。」
「えっ!先程って、私が来る前のことよね?」
「いえ?セーラさんが僕に驚いて跳び退った辺りです。」
「ちょっ!?思い出させないでよね・・・!心臓が止まるかと思ったんだから。」
セーラは胸に手を当てている。
余りに驚愕し過ぎて、あの時の事は、一生忘れられないとか。
「それはすみません。でも、あの時何かを掴めそうだったのは確かなんです。」
「んー・・・何が分かりそうだったの?」
「そこまでは・・・。ただ、セーラさんの雰囲気から何かを感じ取ったのかと。」
「私の雰囲気・・・?戦闘時の真剣な雰囲気のこと?」
「ええ、それです。」
クロトは今一つ、掴めそうで掴めない。
まだ、パズルのピースが足りていないようなイメージだ。
ピースそのものが無い状態でパズルを完成させろというのは、無理難題だろう。
もう少し里にとどまって調査を続ける必要があると判断したクロト。
「・・・と、そういう訳で、もうしばらくは滞在することになりそうです。」
「うんうん、幾らでもここに居て良いから、焦らず、ゆっくりしていってね?」
セーラはどこか嬉しそうに、クロトの滞在を歓迎したのだった。
現在二人は、世界樹の根元に座って談笑している。
「なるほど。変わったユニークスキルよね・・・。」
「セーラさんのユニークスキルも相当特殊だと思いますよ?」
「まあ、ね。もっとも、ユニークスキルなんて、大概特殊なんだけどね?」
「言えてますね。特殊じゃないユニークスキルとか、見たことありませんし。」
クロトは驚かせたお詫びとして、隠密者のことを教えていた。
セーラもお返しとばかりに、自分の持つユニークスキルのことを教えてくれた。
セーラ本来、もっと警戒心が強いタイプで、そんなにあっさりと教えはしない。
だが、クロトと談笑している内に、ポロッと漏らしてしまった。
クロトと居るととっても落ち着くという、謎の効果のせいだと思われる。
「セーラさんとこの場で戦ったら、勝てる気がしませんね・・・。」
「それならそれで、別の手を考えそうな気がするんだけど・・・?」
「・・・・・・。」
「なんで黙ったのかしらねー?」
セーラが、ぐっとクロトに近づきながら、そんな疑問を発した。
「・・・まあ、勝てないなら、勝てる方法を考えるのが基本ですから。」
「おっ、認めたわね・・・!それで、例えばどうするの?」
「そうですね・・・こうします。」
クロトは収納からヘンテコなお面をセーラに見せる。
「っ?・・・何このお面!?ヘンな顔・・・!」
セーラがお面を注視してしまい、笑いを堪えている隙に、隠密者を発動。
「ふふふっ・・・っ!?」
背後から首に手を当てられ、固まるセーラ。
身動きを取れないまま瞳だけ動かして、クロトの居た正面を見る。
そこにはやはり、クロトの姿が。
クロト・・・の分身は、首から手を退けて、セーラの正面に。
「今のは、どういう・・・?常に気配は把握していたはずなのに・・・。」
セーラが訝し気に尋ねて来たので、クロトは解説を始めた。
「こっちは隠密者で生成した分身です。」
「分身・・・?そんなこともできるんだ・・・!」
「僕に集中する余り、生成と同時に隠密した分身に、気づきませんでしたね。」
「あぁ・・・なるほどね。これはやられたわ・・・。」
セーラは両手を挙げて降参のポーズ。
クロトが本気だったら、今ので重傷を負っていたのは間違いないという判断だ。
もっとも、彼女のスキルによって、決定打にはならない可能性が高いが。
「でも、教えてしまっても良かったの・・・?」
「・・・・・・全くもって、良くありませんね。」
「えええっ・・・!?えっと・・・忘れた方がいいかしら・・・?」
「・・・いえ、お気になさらず。話した僕が悪いので。」
それほど重要なことではないとはいえ、あっさり手の内を晒した自分に驚く。
どうにも、セーラには警戒心を持ちづらい。
そこのところに原因がありそうだと、クロトは推測した。
この話は引っ張っても仕方が無さそうだと思い、話を変えた。
「ところで、セーラさんは何をしに来たんでしたっけ?」
「えっ?・・・ああ。折角だから、クロト君にお昼ご飯を届けに来たの。」
やって来た目的を話しつつ、クロトに昼食を手渡す。
クロトはそれを受け取りつつ、感謝と謝罪。
「昼食を、ですか?わざわざすみません。ありがとうございます。」
「気にしないで?世界樹の様子を見るついで、なんだから。」
真剣な顔でお礼を言われて照れたのか、パタパタと手を振って誤魔化すセーラ。
とても高齢とは思えない反応だ。
それを言ったら、マリアもそうなのだが。
「それで、なんだけど・・・調査の方はどう?」
「・・・何とも言い難いところですね。先程、何か掴めそうだったんですけど。」
「えっ!先程って、私が来る前のことよね?」
「いえ?セーラさんが僕に驚いて跳び退った辺りです。」
「ちょっ!?思い出させないでよね・・・!心臓が止まるかと思ったんだから。」
セーラは胸に手を当てている。
余りに驚愕し過ぎて、あの時の事は、一生忘れられないとか。
「それはすみません。でも、あの時何かを掴めそうだったのは確かなんです。」
「んー・・・何が分かりそうだったの?」
「そこまでは・・・。ただ、セーラさんの雰囲気から何かを感じ取ったのかと。」
「私の雰囲気・・・?戦闘時の真剣な雰囲気のこと?」
「ええ、それです。」
クロトは今一つ、掴めそうで掴めない。
まだ、パズルのピースが足りていないようなイメージだ。
ピースそのものが無い状態でパズルを完成させろというのは、無理難題だろう。
もう少し里にとどまって調査を続ける必要があると判断したクロト。
「・・・と、そういう訳で、もうしばらくは滞在することになりそうです。」
「うんうん、幾らでもここに居て良いから、焦らず、ゆっくりしていってね?」
セーラはどこか嬉しそうに、クロトの滞在を歓迎したのだった。
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